新経絡治療 「法則」


氣と組織


  東洋医学では物質化する以前における身体内のエネルギー循環を大切にしています。

ですが、東洋医学には湯液を主体とする薬学と経絡を主体とする医療体系があります。元来、日本では湯液が東洋医学として理解され、経絡は東洋医学として理解されていない傾向がみられます。身体内におけるエネルギー循環が無視されたままです。そして、鍼灸等は刺激療法と理解され、皮膚破壊を行う手技に対して医師の見解は、その効果に対し理解を示すことは少ないようです。

 こうした傾向に対して新経絡治療(バランス鍼法)では、ほとんど身体に刺入する鍼を使用せず、疾病の治療に著効を得ています。人体には導管を持たない内分泌腺がチャクラ循環として流れ、そのエネルギー循環は腹部正中線の中脘穴より左右の十二経絡に流れ込み、身体を滋養し、組織の変化を反映し、刺激を伝導して生体に作用しています。治療の本質としては経絡内を循環するエネルギーに均衡を与える操作が重要となります。

 我々の研究ではこの経絡内を循環するエネルギーの過不足に均衡を与えると組織細胞が蘇生し出すことが解ってきています。薬も手術も必要とせず、経絡内のエネルギーに均衡を与えるだけで組織細胞が蘇生するなど、今まで、考えられたでしょうか。

 経絡内のエネルギーに均衡を与えるには幾つかの法則があります。

 最初に我々の研究で解った経絡の特質を2~3述べることとします。

 身体には左右に十二経絡が循環していますが各経絡には正常循環をしている経絡もあれば、②組織が損傷している場合、エネルギーが不足しているにもかかわらず、修復しようとしてエネルギーを大量に消費している経絡があり、この経絡を虚証経絡と呼び、①組織内に帯電現象が発生して円滑に組織が働かなくなった経絡を実証経絡と呼んでいます。

 ①の実証経絡では、経絡内を循環するエネルギーは帯電していて組織細胞の変化が乏しくなっています。ポリープができやすい支配領域となっています。

 ②の虚証経絡では、組織細胞が損傷していることにより電位が混乱しています。組織細胞の損傷が経絡内に反映している時の状態です。心臓弁膜症では影響が左心経に虚証反応として反映しています。

 ①と②は各経絡の井穴に対する皮膚電気抵抗器の測定で確認することができます。皮膚電気抵抗器で計測すると②の場合、電気抵抗が低く電気が流れやすい値を示します。①の場合は電気抵抗が高く電気が流れにくい値として計測されます。但し、①の場合、正常電位と実証電位との差異が少なく計測によっては判断しにくい傾向があります。

 ①の実証経絡では特徴のある変化が起きます。手の実証経絡であろうと足の実証経絡であろうと、井穴をつまんだり、経絡上の支配領域にあるポイントに圧を加えてやると経絡内のエネルギーが移動して頭から足へと下降する変化を起こします。このような変化は正常経絡や組織が損傷している虚証経絡には起きず、過剰に帯電している実証経絡のみに現れます。経絡の変動として実証経絡では外圧が加わると過剰に帯電している経絡内のエネルギーが頭から足へと下降する特徴を持っていることを現しているのです。

 元々鍼術の効果は過剰に帯電している経絡に対し、鍼を刺入したり灸を施して過剰電荷を放電させて円滑なエネルギー循環を取り戻すための手技だったのです。実証経絡に実痛がある場合には実証経絡を瀉すことにより簡単に鎮痛させることができます。従来の鍼灸が得意とする分野です。

 ここで外圧を加えるだけで過剰電荷が足へと下降することが解り、実証経絡が支配する指の回し揉みをすることで、皮膚破壊をして過剰電荷を放電する従来の鍼灸等の手技と同等の治療効果が得られることが解ってきました。それ故、我々は実証経絡に対してはこの指の回し揉みを指導することで好結果を得ています。

 ②の虚証経絡への処置は皮膚接触針で整えます。電気抵抗が低く電気が流れやすい環境では電位が混乱しています。虚証経絡の支配領域内では+極と-極が正常の状態に無く、損傷している損傷電位となっています。この虚証経絡に対して鍼の針尖を接触させると損傷電位が正常電位に変換するように作用します。虚証が原因の虚痛は施鍼と同時に鎮痛してしまいます。電気的早さです。

 疾病には虚証として反映している病症と実証として反映している病症があります。虚証には補う処置が必要で、実証には瀉法の処置が必要となります。この両者を整えると経絡内のエネルギーに均衡を与えることができます。

 変化のあり方として腰痛の場合、まず、虚証経絡があると虚証経絡に対し虚証の処置を施します。虚証の処置は虚証経絡に損傷電位に対し正常電位に変換する手技となります。皮膚接触針を虚証経絡に一個貼ります。我々は現在パイオネックス0.3ミリ を施鍼することにしています。虚証経絡があるとその虚証経絡が原因で二次的に影響が出ている経絡が出現します。虚証経絡と接続している経絡と左右対称の経絡等に電位的滞りを発生させています。これらの経絡に対し指の回し揉みが必要となります。これらの経絡は虚証経絡が発生したことにより二次的に発生した実証経絡となります。虚証の処置後、手の指や足の指の実証経絡である有効ポイントを回し揉みすると、呼吸が深く入るようになり、指の回し揉みを続けると、一旦、腰が重くなり、揉み続けると次第に腰痛が消えていく経過を辿ることとなります。経絡内を移動した過剰電荷が腰で閾値に達して、飽和状態になった状態がパンクして足へと抜けたことを意味しています。さらに、指の回し揉みを行うと、経絡内のエネルギーが均衡状態になると頭がスッキリして足が温かくなってきたりします。腰痛のみならず各種違和感が全体的に改善されていくのです。

   ②の虚証経絡では電位的に特徴のある現象が出ています。

 虚証経絡は電気抵抗が低く電気が流れやすくなっています。そして、一経絡中の支配領域内での電位が混乱していて、+極と-極とが複雑に変化し損傷電位が発生している状態となっていると考えられます。組織の正常電位は+極と-極とが整然と並んでいる状態です。疾病がある虚証経絡の一ポイントに対し、皮膚に接触して使用する皮内針を一個貼ります。鍼の先端が身体に対し極性として作用し驚くべき変化が身体に現れます。損傷電位が瞬時に正常電位に変換し、身体が楽になります。我々は現在虚証領域への継続的処置としてパイオネックス0.3ミリを井穴に貼ることにより色々 な疾病等に好結果を得ています。

 虚証経絡と実証経絡とは相互関係にあります。例えば、右大腸経が虚証経絡の場合右大腸経と接続している右肺経には影響が出ます。右大腸経と上下で接続している右胃経にも影響が出ます。経絡は半身に十二経絡あり、連続して循環しています。虚証経絡があると連続して循環している接続経絡に影響出てきます。右大腸経の電位の混乱は接続経絡、右肺経、右胃経に対し円滑な流れを阻害するように影響します。こうした環境では右大腸経と接続している右肺経と右胃経に影響が出て両経絡に帯電現象が発生するのです。接続経絡の右肺経と右胃経は相対的な関係で実証経絡となります。

 虚証経絡への処置は皮膚接触針としてパイオネックス0.3ミリを大腸経の井穴に貼 ります。すると、瞬時に右大腸経の損傷電位が正常電位に変換して、円滑な循環を取り戻します。そして、影響が出ていた右肺経と右胃経の滞りが解除され自然に正常循環を取り戻し経絡間の電位差より生じていた各種違和感や不定愁訴が解消することになります。

 虚証経絡の指の回し揉みは実証経絡とは異なり、エネルギーが下降すること無く、上昇して混乱を引き起こすことになります。虚証への処置を行わない状態では注意が必要です。

   組織細胞の異常は経絡内を循環するエネルギーに反映しています。

①実証経絡では経絡の井穴を測定すると電気抵抗が高く電気が流れにくい反応として 計測されます。組織の働きが緩慢となっており過剰エネルギーが帯電している支配領域となります。ポリープができやすい支配領域です。この実証経絡には特徴が  あります。実証経絡の支配領域に外圧を 加えると経絡内のエネルギーが頭より足  へと下降する動きが起きます。

②虚証経絡は井穴の皮膚電気抵抗を測定すると抵抗が低く電気が流れやすい値として計  測されます。例えば、心臓弁膜症が一例で、左手心経に虚証反応が出ています。  処置は左心経の経穴の一ポイントにパイオネックス0.3ミリを貼ると心臓弁膜症が  改善されていきます。手術がすぐにでも必要な人でも改善する経過を確認すること  ができます。こうした、虚証経絡では実証経絡のように外圧を加えると、実証経絡  とは逆にエネルギーが上昇する動きが出ます。いわゆる、逆上するわけです。生体  内に混乱を招きます。我々は便宜上、虚証経絡へはパイオネックス0.3ミリの円皮  鍼を使用しています。一個だけの施鍼となります。複数施鍼すると経絡間のエネル  ギー循環にマイナスが発生します。虚証経絡に虚証の処置をしたら指の回し揉みを  してもエネルギーが逆上することがなくなります。

 経絡の特殊性

 経絡内を循環するエネルギーは神経、脈管、リンパとは異なり特殊な変化を現します。神経、脈管、リンパは人間の意思で変化することはありませんが、経絡内のエネルギーは人間の意思に反応する変化を現します。外気功で人間の身体に変化を与えるのは経絡内のエネルギーに影響を与えたことによります。人間の意識は質量の無い素粒子レベルと考えられますが、ヒックス粒子(場)との相互関係により質量を持ち経絡内のエネルギーに影響を与えることができると考えられます。何故なら実際に外的物質に変化を与えたり、外的物質の変化やあり方を受信することができるからです。

 各経絡に意識の焦点を当てると、色々な変化が身体に伝わってきます。変化の無い経絡もありますが、ある経絡に焦点を当てると、呼吸が楽になったり、後頭部が温かくなったり、違和感部位に存在感が出たかと思うと次第に消えていったりします。さらに観じると、次第に足が温かくなってきたりします。こうした変化は実証領域に起きる感覚と同じです。我々はこうした感覚を関知して経絡の状態を読むことにしています。こうした感覚で開放感を感じる経絡は実証経絡となります。外圧を加えることにより過剰電荷が頭より足へと下降する現象と同等の変化を現します。人間の意識が外界の物質に変化を及ぼすことができることを証明できる内容です。気(エネルギー)の送受信といいます。人間の能力には奥深い領域が眠っています。明らかにしたいものです。

経絡と氣


経絡とは紀元前に中国の医書「黄帝内経・素門・霊枢」に記載されています。氣(エネルギー)が循環する通路となっています。神経、脈管、リンパ等とは異なる役割を担い、生体を滋養し、組織の変化を反映し、変化を伝導する働きをする循環経路となっています。では、その実態はとなりますが、現段階では明確な結論が出ていません。新経絡治療バランス鍼法では経絡内を循環するエネルギーを腺と位置ずけています。内分泌に付いては未だ解明されていない領域が多々あります。導管を持たない腺の循環経路も解っていません。血液検査にて内分泌の値が計られるようです 。血管内に腺の導管が開口していないにもかかわらずです。以下のリーディングには研究に値する内用が含まれています。

  「エドガー・ケーシーのリイディング」=アメリカの 催眠透視予言者。  (1877~1945)

<内分泌腺>「ビタミン類もいわば食物なのである。腺はビタミンやその他の栄養をとりいれて、諸器官が自己の肉体組織を再生するためのエネルギーを供給する。足の爪を伸ばすのと同じ腺が、呼吸、頭、顔へもエネルギーを供給しているなどと今まで考えられただろうか?あるいは心臓組織に供給している同じ腺から、表皮が供給されていることを考えついただろうか?諸器官の活動力、体の各機能、再生増殖を行う力などいろいろと必要な活力を供給するために、腺は消化された食物をコントロールして必要な養分、ビタミン類を摂取している。つまり、腺からこれらの(建築材料)は取り出されているのだ。」

<内分泌腺>「内分泌腺は自律神経と協同して物質代謝に関与し、肉体の遺伝とか本能、または個人的な感情や気力、欲望などの傾向を支配し、自動反応装置や身体の発達に合わせた複雑な周期にそれぞれのタイマーがセットされていて活動し、生育の時期に従って身体的環境を整えている。」

<内分泌腺>「内分泌腺は肉体的にはホルモンを出す器官であるが、霊的にはチャクラといって、エネルギーの中枢であり、通り道である。」

不定愁訴


不定愁訴は身体内に独立した支配領域をもつ経絡間の電位差の緊張が原因です

   生体内を循環している「気」生命エネルギーは形在る存在を拠り所として研究され、その成り立ちが発見されて来ました。ですがこの深々なる領域は解剖学的にも証明されていない領域が無限に存在しているのです。現代の科学も医学も自然界の一部を発見しているに過ぎないと言えます。それ故、わかり得た知識を持って東洋医学を否定することは無知としか言えません。東洋医学の気を論じることは曖昧な存在として解釈され続けてきました。こうしたテーマを論じることがすでに非科学的だとする無知が存在したからなのです。ですが近い将来、物性物理学の領域で証明されていくはずです。なぜなら作用し変化した所には必ず再現性のある法則が働いていますし、事実存在し機能し続けている生命の本質が存在しているからです。形が無ければ検証出来ない顕微鏡下で知り得た科学で全てを結論付けることは出来ません。遺伝子も5~6%位しか機能しておらず眠っている領域が94~95%位あると専門家は説きます。ですが眠っている遺伝子など存在するでしょうか。ただ解明できていないといった方が妥当するのです。意識でも95%位の潜在意識が眠っているとしていますが、現代の科学では証明できていない領域なのです。人間は自然のほんの一部を解明しているにしか過ぎません。ですが人間は自分たちの知り得ている世界より結論を出し、理解出来ないものを簡単に否定するきらいがあります。大自然や生命の本質に対して人間はもっと謙虚でなければ人類の成長は遅いものとなってしまいます。 ヒボクラテスの言う「人間は自然のしもべ」であり、ウイルヒョウの細胞を人間の最小単位とする基礎に立脚している現代医学も考える基点を正す必要に迫られていると考えられるのです。

東洋医学では経絡の存在が重要視されるのですが、こうした基本的理論があっても、経絡の存在が未だ証明されるに至っていないがゆえに、経絡は都度外視され、エネルギーのアンバランスによって生じている気の虚実という概念等も無視されている傾向があります。

 単に痛みがあれば西洋医学では神経がターゲットになり、痛みの部位の近隣部位にある神経が問題視され鎮痛の為に神経への施術が行われています。痛みを東洋医学的に考えると虚痛と実痛に分類出来ます。虚痛は組織が損傷していたり、活発に変化している時に複数の経絡間に緊張が生じ発生している痛みのことを虚痛といい、特定の経絡内の組織の働きや動きが悪く組織細胞の機能が低下している時に発生している電位が他経との電位差の緊張を生じ発生している痛みを実痛と言います。東洋医学の鍼灸にあっても鎮痛部位に施鍼をするありきたりの手技に終始している傾向が見受けられます。残念なことです。虚痛には虚痛の処置があり、実痛には実痛の処置があるのです。的を射た処置を施すと症状は瞬時に変化してしまうのです。

 東洋医学では痛みには二種類の 痛みがあり、虚痛、実痛があります。単純に痛い処に鍼をしたら良いというわけではありません。逆治療を施すと病が重くなったりするのです。これらは身体を運行する十二経絡上の「氣」の過不足と関係があり、そのエネルギーとしての「氣」の過不足を読みとることができないと。正しい治療を施せないことに繋がります。古典には「病は身体を巡る十二経脈にその兆候が出ているので、十二経絡の過不足が解れば治療が出来たのと同じ価値がある」と記されています。こうした重要な一面を専門家でありながら無視しているのか、気付かないでいることが多いようです。言い換えると今までに明瞭で簡単な診断方法が無かったからだとも言えます。東洋医学は確かに経験の医学ではありますが、法則性と再現性なくして、現在まで理論が生き続けられるわけはありません。基礎医学の分野で医師が本気に取り組むべき内容と言えます。湯液が東洋医学としてもてはやされていますが、湯液は投薬と同じ対症療法にしか過ぎません。経絡のバランスを整えるだけで生体を蘇生させる事ができ、形成する力を引き出すことが出来る処置に目を向けてもらいたいものです。経絡のバランスをとることは人間にとってそれほど重要なテーマなのです。現代医学がさらなる進歩を遂げるためには必要なのです。

 新経絡治療では「1経絡1置鍼の法則」として臨床の上で証明出来ている部分があります。実際こうした事実が明らかなものとして証明出来れば、医師がこれらの療法を取り入れ、不定愁訴に対しても、病理学的に異常な疾病に対しても、「氣」を考慮した療法を取り入れることが出来るようになるのです。病気になろうとしている変化を理解し完全な予防医学を確立することができるのです。なぜなら身体内での氣の動きは病気になるはるか以前より、そうなる兆候を現しているからなのです。

 こういう事があります。医師で患者に注射をしただけなのに、病状が急変した経験をお持ちの方が少なからずいらっしゃるはずです。 こうしたアクシデントは現段階では「原因が解らない」で済ませることが出来ます。ですが経絡の中を流れるエネルギーの存在が証明されるに従い、病状により注射の針を刺す位置の重要性が論じられるようになって来るはずです。注射をしただけなのに病状に急変をきたす場合の原因は、極端にエネルギーが不足している経絡の支配領域に注射をしたことに求めることが出来ます。衰弱が激しい場合や疾病の原因が顕著で疾病と関係のある経絡の支配領域に対し注射を施してしまった場合等です。不足させてはいけない領域のエネルギーを抜き取り、身体内の経絡間に極端なエネルギー(氣)のアンバランスを生じさせた結果なのです。単純に特異体質などとかたづけてはいけない内容がそこには存在しているのです。

痛み


  神経は損傷するとそれ自身に痛みを伴いますが、神経が損傷せずに違和感や痛みを生じる場合があります。神経は経絡間に発生した電気的緊張を感知して脳へ情報を伝達する媒体としても働いていて、経絡間の緊張が種々の違和感を発生させていると考えられます。どうやら情報の伝達回路としても作用しているようです。ですから、痛みイクオール神経とする考え方は現代医学の盲点とも言えます。単純な神経損傷ならいざ知らず、痛みが発生する原因については未だ正確に解明されてい ないと言えます。痛みの原因の一つに「経絡」が関わっているとしたら驚かれるかも知れませんが、神経の損傷や障害以外に起因する痛みは 未だ認知されていない経絡と言う電気的ネットワークが拘わっているようです。細胞組織の営みのアンバランスが電位現象として経絡に反映し、経絡間の電荷の極端な差異による緊張が発生させています。神経はこれらの電位的緊張を脳に伝達する伝導路 としての役割を担っているに過ぎない領域が存在していると言えます。 こうした、神経の損傷や障害以外で発生している違和感や種々の不定愁訴は80パーセントを超えていると考えられます。

 あらゆる物質は原子から出来ており、その原子は正電荷を持つ原子核と負の電荷を持つ電子からなっています。したがって物質は通常電気的に中性となっています。そして電子の偏による過不足が生じた時に帯電を起こします。普通多く使われている帯電という言葉は個体表面での現象と考えられていますが、帯電でよく問題となるのは、絶縁され緩和時間が長い場合です。人間もまた、人体の表部角質層が不良導体となっていて、絶縁と同じ状態におかれ、体表は電気を通しにくくなっています。このように絶縁されているがゆえに、身体内に滞った電気的性質を持った「 気」が存在する場合、帯電と同じような作用が生じると考えられます。つまり、 組織の営みにより発生した緩和時間の長い部分帯電が経絡に反映し、経絡間に電位差を生じさせ、この経絡間に於ける電位差の緊張が神経に伝達され痛みがはっせいしていると考えられるのです。現在では身体内の電荷や帯電はあまり重要視されていない傾向 にあります。ですが経絡が独立した支配領域を持っているとなると話は変わってきます。各経絡間が絶縁しているとなれば電気的トラブルが多く発生しても不思議はないといえます。帯電そのものは電子の偏りによる過不足により発生します。それ故 、活性酸素(フリーラジカル)の発生に関係があると共に体内放電や組織間の電位的緊張等が神経痛の原因ではないかと考えることが出来るのです。現代医学では痛みに対し、神経組織の異常という考えが支配しているようですが、経絡 間における電位差の緊張が神経の電気伝導回路に混乱を生じさせたと解釈出来るわけです。

「痛みの種類は二種類 」

①組織が緊張して可動性が無くなり組織が荒れやすくなっている 電気の移動が遅場合には相対的関係にある他の組織との電位差の関係で実痛が発生します。

②逆に組織が損傷し活発に変化して修復しようとしている支配領域は電気が流れやすくなっています。こうした領域が身体内に存在すると相対的にある他の組織との電位差の関係で虚痛が発生します。

 これら虚痛や実痛は身体内において過剰電位or不足電位それ自身単独で痛みを発生するのではなく、身体内における相対的に関連する他の組織との電位差の緊張が誘因となり痛みや知覚の伝導路である神経に影響を及ぼしていると考える事ができるのです。そしてここで最も重要 になってくるのが身体内に縦横無尽に独立した支配領域を持ち循環している経絡の存在なのです。相対的に関連する他の組織との電位差とは経絡相互間の関係を主に指しています。

 西洋医学における東洋医学の学習は湯液に限定され、根幹となっている経絡の存在が無視されています。中医学で経絡は「人体内に経絡系統が存在し、これにより一個の完全な統一された有機体が構成されている。体内の各組織、臓器はそれぞれ密接に関連しており、経絡は人体に対して内外、表裏、上下、左右から重要なかかわり方をしている。内臓と内臓、内臓と体表、体表と体表との間を交通して、体内と全臓器と体表の全組織とを密接に結合させ、種々様々の複雑な機能を行っている。」と述べ られています。

 この学説は東洋医学の臨床の中に生かされ治療が行われていますが、未だ経絡系統を完全に証明出来るに至っていません。そこで証明する一つの方法を述べてみたいと思います。証明する方法として経絡の虚証領域に有効となる皮内針と磁石を使用した人体の変化を述べてみます。

 皮内針は赤羽氏によって考案された特殊な鍼で皮内に鍼尖を固定するようにして使用します。使用効果は劇的で痛みや各種違和感を瞬時に取り去ることが出来ます。ですが我々の研究では皮内円皮鍼(皮内針)の効果を引き出すには鍼尖を皮内に刺入する必要がなく皮膚に接触するだけで著効が得られることが解っています。

 但し、皮内円皮鍼(皮内鍼)の有効領域は経絡における虚証領域のみ で、経絡の実証領域では電気的緊張を引き起こしさらに実証度がきつくなります。当然円滑な気の循環に対してブレーキをかけるように作用してマイナスとなります。 組織の営みにもマイナスがでます。

「虚証を確認するには」

「虚証の確認は身体で①気を受信する方法と②皮膚電気抵抗器で抵抗値を測定する方法とがあります」

①気の変化を身体で受信して虚証を割り出す方法。  身体内の過剰な気は外圧が加わると頭から足へと下降する特質を持っています。我々は天心システム・ポイントチェッカーと言う気代謝誘導装置の誘導棒より出る電子波を経絡の各井穴にあてていきます。すると各手足に一経ずつ気が下降する経絡が確認されます。これらは身体で直接感じ取る必要があります。ここで確認された経絡は実証経絡となり実証経絡と表裏で接続している経絡に虚証の存在の可能性が出てきます。

 次に実証経絡が確認されたら表裏で接続している経絡の井穴に皮膚接触程度で使用する鍉鍼をあてます。そして全身が広がっていくような開放感 が感じ取れたり身体が温かくなる感じがする経絡を探し出します。探し出せたら、その経絡が虚証経絡となります。 このような診断は特殊な能力を必要とするように思われがちですが、意外と簡単に感じ取れたりします。皮膚電気抵抗器の計測より正確度が高くなります。

②皮膚電気抵抗器で虚証を確認する方法。  皮膚電気抵抗器にて経絡の各井穴に湿性綿花をあてて計測する方法です。身体内には活動電流が存在したり不安定な計測を余儀なくされます。抵抗値での虚実の確認は抵抗値が高く電気が流れにくい値として計測されたら実証経絡となり、抵抗値が低く電気が流れやすい値として計測されたら虚証経絡となります。但し実証の値は正常値と大差無い値として計測されるので実証経絡を決定するには難があります。我々は皮膚電気抵抗器の使用は実証経絡が確認された後に虚証経絡が在るか無いかを再確認する程度の利用としています。

「経絡の存在を証明する皮内円皮鍼(皮内鍼)」

 虚証経絡を整えるには皮内円皮鍼(皮内鍼)を虚証経絡が確定した一経に一ポイント処置を行います。すると全身の違和感や痛みが瞬時に消失していきます。 皮内円皮鍼(皮内鍼)を使用して、また経絡の存在証明にも一経に一ポイントの置鍼をしていきます。皮内円皮鍼(皮内鍼)が虚証領域の一経に一ポイントしか使用できない理由を以下に述べてみます。

 皮内円皮鍼(皮内針)は従来の身体に刺入する毫鍼とは異なり、皮膚に接触させて効果を引き出すように使用します。皮膚に鍼尖を接触することにより生じる身体変化としては接触したポイントと関係のある経絡の支配領域に電位変動が起きると考えられ、皮内円皮鍼(皮内鍼)の鍼尖は皮膚の接触ポイントに対して電極として 作用し、皮膚に接触固定した皮内円皮鍼(皮内鍼)の極性が身体に作用して虚証領域の損傷電位を正常電位に変換していると考えられます。

 経絡の虚証領域は皮膚電気抵抗器における井穴測定において電気抵抗が低く電気が流れやすい反応として計測され、経絡の支配領域の組織は修復しようとして活発にエネルギーを消費している領域で 電子に混乱が生じ、当然損傷電位が発生していると考えられます。

 つまり損傷電位が発生している虚証経絡へ皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置することにより損傷電位が正常電位に変換され瞬時に全ての(虚痛・実痛)痛みを取る事が できるのです。虚証経絡と接続している表裏や上下の関係にある経絡や左右の関係にある経絡には気の循環において滞りが二次的に発生することとなりますが、これら二次的に発生した滞り(実証反応) も虚証領域の処置にて同時に改善します。

 一穴への処置により鎮痛してしまう再現性と法則性のあるこの現象は、経絡の存在証明に重要ポイントとなります。確認する方法としては虚証経絡を割り出し皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置にて鎮痛した状態に対し、虚証経絡と同一の支配領域の体表上に磁石を貼ると、鎮痛していた痛みが瞬時に出てくると言うことです。こうした現象は電極を同一支配領域に二点置くことにより発生する現象なのです。

 経絡の存在証明において従来の毫鍼のように皮膚内に鍼を幾つも刺入していたのではこのような現象を発見することは出来ません。皮膚に接触させるだけの皮内円皮鍼(皮内鍼)であるからこそ証明できる内容となっています。 つまり皮内円皮鍼(皮内鍼)は皮膚に対し電極として作用し、鍼尖の極性が経絡内の電位を矯正していると結論付けることができるのです。

「経絡は身体内で独立した支配領域を持ち絶縁されている」

 追試により経絡が存在することが解れば体表の表部角質層のみが絶縁されているのではなく、身体内にも経絡としての支配領域のネットワークが網の目のように存在して、かつ経絡相互間は互いに絶縁されていると考えることが出来るようになります。

 これらは現代医学において信じがたい内容ではありますが新しい医学を見つめる上で着目するに値する事実なのです。身体内に幾つもの絶縁された支配領域が存在している等と今まで想像すらされていません。新経絡治療(バランス鍼法)に於いてはこの様な視点を常に念頭に置き最小の操作により最大の効果を引き出す治療に徹しています。ですから全ての治療操作に対して説明が出来る内容となっています。

 人体において一般的に電位が問題とされるのは絶縁されている人体表面と外気との関係に付いてです。慢性疾患を持つ患者は雨が降る前になると決まって神経痛や違和感を訴えたりします。これらは蒸気雲等の帯電電荷雲と体内の疾病部分における帯電組織との電位差の緊張により神経痛が発生していると考えた方がよ いでしょう。また気圧の変化や湿度の変化による空気中のイオン化量の変化については、身体内部の「気」の滞りや身体内における過剰な気が体外に放出されることと、人体のオーラー内に静電気として帯電しているエネルギーとの相互作用が影響していると考えられます。こうした環境で痛みを訴える患者は身体内の電位差の過不足が是正され「 気」が円滑に運行しだすと静電気が帯電しにくくなります。加えて空気中にある帯電電荷と体表の電荷と体内の電荷に著しい差が無くなり次第に天気の影響に左右されなくなって行きます。

「バランス鍼法による痛みの治療」

 次に経絡が一定の支配領域を持ち、かつ各経絡相互間が独立した絶縁層をなしている事を考慮して症例で述べてみます。 人体には正中に在る任脈や督脈の他、左右に十二経絡のネットワークが存在して生体を滋養したり生体の営みを反映したり生体の変化を伝導したりしています。これらの一経に変動が起きると一定の法則ある変化を 表します。ここでは左足肝経を例に取り説明してみたいと思います。

 仮に左足肝経の支配領域にある組織が損傷して 、皮膚電気抵抗器の井穴測定において電気抵抗が低い値が計測された場合、左肝経の支配領域における電気的エネルギー(気)は不足している状態とな り虚証経絡と経絡診断が出来ます。この左肝経と均衡を保っているのが表裏では左胆経、左右の関係では右肝経、上下の関係では左肺経です。

 左肝経の支配領域上の組織に損傷ある虚証反応が生じると、 左肝経内の電位が混乱することとなります。その影響は上下で接続している左肺経と表裏で接続している左胆経の支配領域 に現れ、エネルギーの移動が滞りがちとなり左肝経と相対的な関係おいて電荷が過剰になります。このような環境が長く続くと左肝経との関係で電気的エネルギーの均衡が 次第に崩れる状態となります。

 その両経の支配領域における電荷の差の緊張で、左肝経の虚証の主張が大きい場合は左肺経や左胆経との関係で虚痛が発生します。逆に左肝経と接続している左肺経と左胆経 で帯電の主張が大きい場合は実痛が発生します。この様な状態がさらに長く続くと左肝経と左右に位置する右肝経にも気の滞りが発生し出して、右肝経にも実痛が発生するようになります。このような左肝経と接続している左肺経、左胆経、左右対称に位置する右肝経が主張する実痛は続発疾患となっています。

 処置としては実痛経絡には瀉法を行うと鎮痛することとなります。虚証の左肝経に虚証の処置としての皮内円皮鍼(皮内鍼)を一穴置鍼すると左肝経に虚証があることに って発生していた接続経絡の続発疾患も同時に改善することとなります。左肝経と接続経絡間の電荷の差が是正され、電位差の緊張が無くなると簡単に痛みがなくなるのです。

 「鍼術の要は気を整えることにある」と言います。従来の身体内に刺入する毫鍼は瀉法が主で、表部角質層が絶縁状態になっている皮膚表面を破壊し鍼を刺入することにより過剰な電気を抜き取り(放電)関連し合う経絡間の電位差を是正する操作を行います。逆にエネルギーが不足している領域に対しては蓄電するよう に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置して損傷電位を正常電位に変換する手技を行います。

 足に鍼をしたのに頭痛が取れたと驚く方が時々見受けられますが 身体内に経絡と言う絶縁されたネットワークが存在しているから当然のことなのです。さらに上記バランスであれば鍼の刺入箇所は左胆経or右肝経の支配領域であればどの箇所に鍼を刺しても同じ結果となります。これも経絡という支配領域が存在しているから起こりえる必然なのです。

「内蔵臓腑の整え方」

 西洋医学では原因不明としてかたづけられる突発性神経痛等は経絡痛と言えるものです。原因が不明なのではなく、組織臓腑の営みのアンバランスが発生することにより、経絡 間に電位差の変化が現れ、それによる緊張が神経痛として出現していることを知る必要があるといえます。原因が無いのではなく原因を特定できずに解明できないといった方が妥当かもしれません。

 一般通念として東洋医学の処置は痛みを取るイメージが強い感があります。ですが「鍼術の要は氣を整えることにある」と言う命題を追試する時、痛み以外の内臓臓腑をも整えることが出来る現実が出逢います。

 一経絡の肝経を例にとって説明します。

①精子減少症は左肝経の支配領域の虚証反応として出ています。左肝経の支配領域の 一経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置を行い直接関連する左胆経、右肝経、左肺経に 瀉法の処置を行うと精子の量が増え、活動が活発になっていきます。

②うつ病も左肝経と関係があり左肝経における虚証反応が確認され支配領域である期 門穴に問題を見いだす事が出来ます。期門穴の直下には膵臓の膵尾が位置していま す。基本的に左肝経に虚証があると不眠症になりやすく、頭痛があり夕方人と話し たくない様な身体の怠さが襲います。

③椎間板ヘルニアも肝経と関係があり実証反応として出ています。左に椎間板が突出 して痛みが在る場合には左肝経の実証反応が認められ加えて上下で接続している左 肺経に虚証反応が在ることが多く左肺経の一経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する と椎間板ヘルニアが改善しだします。

④朝起きるのがとてもつらい人には右肝経に虚証が出ています。また椅子に座ってい たり立っていたりする時に身体が歪む症状を訴えます。登校拒否となっている人に も見受けられたり、ネフローゼとなっている人にも見受けられます。経絡の反応に 見合った処置を行うと改善してしまいます。

⑤癌になっている人にも左肝経or右胆経の虚証が確認されます。手術後にこの反応が 出ている場合、癌になりやすい経絡バランスと考え整える必要があります。大腸癌 や胃癌に多く見られる経絡バランスとなっています。

⑥左肝経や右肝経に虚証がある場合は同じ姿勢をしていたり、長く座った後に立とう とすると腰痛を自覚したりします。なかなか整形では理解されない腰痛の一つです が虚証の処置を行うと一瞬のうちに鎮痛してしまいます。

⑦卵巣嚢腫と診断された人にも肝経の実証反応が出ています。左卵巣嚢腫の場合には 左肝経の実証反応に加えて左肺経に虚証反応が出ています。右肝嚢胞や右卵巣嚢腫では右肝経の実証に加えて右肺経に虚証反応が出ていますので虚証に対する皮内円 皮鍼(皮内鍼)の処置を行い関連経絡への瀉法の処置にて卵巣嚢腫や肝嚢胞自体が小 さくなっていきます。

「痛みを取ることと治すこと」

 経絡理論には生体を滋養したり、生体を反映したり、伝導したりする働きがあるとされています。また経絡の気を整えることは臓腑の営みを整えることとされ痛みだけに止まらないのです。単に経絡における気の循環を調整して気の均衡を整えるだけで上記の疾病が改善されて いくのです。当然組織の異常は経絡間に比例した気の過不足を発生させていると考えられます。そして各経絡に細胞組織の営みと比例した形で気の過不足が存在するとしたら経絡間の電位的緊張も様々なパターンが認められるはずです。つまり経絡間の電位的緊張の様相により種々様々な不定愁訴が発生しても不思議 ではないと言えるのです。 

 人体の不思議な現象として東洋医学の古典素門に巨刺法、謬刺法なる鍼術があります。打撲のような外的疾患や片側に極端なエネルギーのアンバランスが発生している時に行う処置だと考えて下さい。例えば打撲をした箇所と左右対称にある部位に同等の刺激を与えると、不思議とその場で打撲した箇所が鎮痛してしまいます。外的疾患であれば全ての場合有効となります。これらの鎮痛効果は身体内おいて電気的バランスに対して均衡を与えてや ることで生じています。つまり、外的条件で損傷を受けた場合、損傷を受けた部位の損傷電位に対し左右対称 や前後や上下の部位に同等の損傷電位を作ってやるのです。すると左右、前後、上下において電位的に均衡が保たれることにより、電位差の緊張が生じす痛みを感じなくなってしまうわけです。

このように身体内の電位のバランスが取れていれば痛みとして知覚することがなくなるわけです。当然バランスが取れると鎮痛するという法則は、当然、身体が正常に機能していない状態、例えば 気の流れを鈍らせても、バランスが取れていれば痛みは発生しないことになります。それ故、組織が正しく機能し、氣の流れが円滑で痛みが無い状態がベストなのですが、重度の病気でありながら 、まがりなりにも電気的に均衡が保たれていれば痛みは生じません。ですから単純に痛みが取れたと言うことと、疾病が治るということは区別しなければならないと言えます。

 鍼灸の施術をして痛みが取れたら内在する疾病まで治癒したと誤解する傾向が多々見受けられますので軽はずみな判断はなくしたいものです。我々は末期癌でモルヒネでも鎮痛しない病態に対し、癌特有の経絡のアンバランスを電気的に読み取り、簡単な鍼の操作で臨終の際まで痛みを出さない方法を 試みます。しかるべき処置を施し鎮痛すれど癌はあくまでも存在しています。痛みは疾病の警告信号と解釈しなければならないのです。

  痛みが取れたからといって疾病が治癒したことには繋がらないと述べたのですが、生体の氣の過不足を調整し痛みを取り去ることは経絡間のエネルギーのバランスを整えることに繋がります。バランスが整うとエネルギーの循環が正常に運行し、組織細胞や臓腑が正しい営みを取り戻し、当然自分の力で自己を修復しょうとする力が働くことに なります。ですから、見方を変えると痛みを取る処置の追求は大切な施術と言うことが出来ます。

虚証・実証


 虚証、実証は東洋医学における相対的な病証の概念で、生体機能が衰えた状態を虚証と言い、虚と相反しエネルギーが旺盛で充実した状態及び過剰となった場合を実証と言います。これらを経絡の位置で定義づけると、虚証を氣(エネルギー)が不足した支配領域、実証を氣(エネルギー)が円滑に流れている状態及び過剰に蓄積された支配領域と言うことが出来ます。

 これらの虚証、実証は経絡の変化として井穴の測定にて読みとることもできます。計測方法は皮膚電気抵抗器にて行います。計測の値はマイクロアンペアで、電流が流れやすく電気抵抗が低い場合を虚証と判断し、電流が流れにくく電気抵抗が高い場合を実証と判断します。

 経絡を電気抵抗にて読みとろうとしている研究グループがあります、経絡を自律神経と解釈したことにより、生体の営みとは全く逆の結論を導き出しています。残念ながら間違った理論となっています。また測定ポイントも不安定な測定ポイントとなっていることを述べておきます。

 「虚痛・実痛」

 東洋医学では痛みの性質を病態の変化の中に捉え、虚痛、実痛なる言葉で表現していますが、充実より「氣」が不足している虚証となっているときの痛みを虚痛といい、充実より「氣」が過剰になりすぎて実証となっているときの痛みを実痛といいます。痛みの発生が変化の中にあり、固定したものでないがゆえに、こうした相対的概念でしか表現できないのです。

虚痛 豪鍼、灸、低出力レーザー等は症状を悪化し痛みが増す。 皮内円皮鍼(皮内鍼)、鍉鍼、冷湿布、磁石等は症状を和らげる。
実痛 豪鍼、灸、低出力レーザー等は症状を和らげる。 皮内円皮鍼(皮内鍼)、冷湿布、磁石等は症状を悪化する。

十二経絡における実証・虚証バランス


■実証領域の確定と最大実証経絡■

  実証領域の決定は十二経絡循環がベースとなり決定されます。実証経絡は電子の過不足で電子が過剰に帯電している領域であり、活性酸素が蓄積されている領域と考えられます。その特徴は外圧が加わると蓄積されているエネルギーが頭より足へと移動する変化が生じます。例えば手の6経絡の井穴に圧を加えるとエネルギーが足へと下降し出す量にて決定されます。6経絡の中で一番帯電し、エネルギーの滞りがあり、経絡循環を阻害して負荷がかかっている経絡の井穴に圧を加えると最大の開放感が得られます。その一経絡が決定できたら手足の実証経絡は簡単に割り出すことができます。

実証であるかどうかの決定方法には幾つかあります。一つには(イ)各経絡の井穴に対してレーザーポインターを照射する方法。私が使用している(ロ)天心システム・ポイントチェッカーの誘導棒を井穴に当てる方法「この誘導棒は単なる電気の連続波が流れるのでは無く、電子波が流れていて寸断された状態で身体に流れ込みます」。もう一つは(ハ)各経絡の井穴に意識を集中する方法です。意識を集中すると実証経絡であれば過剰なエネルギーが頭から足へと下降しだします。当然、負荷が解放された時に感じる開放感が受信できたりします。

(イ)レーザーポインター照射
   レーザーは身体にあるエネルギーを移動させることができます。特に過密となっているエネルギーが移動して    開放感が得られるポイントが実証領域となります。レーザーポインターの照射では全てのポイントへの照射で    エネルギーの移動が起きますが、照射しているとかえって詰まってきたり、変化が乏しかったりします。一番    開放感がある経絡が実証経絡となります。術者の感じ取る感覚と他覚的所見があります。

(ロ)天心システム・ポイントチェッカーの誘導棒
   この誘導棒は電子波が身体に流れ込むようになっています。井穴に電子波を当てると、電子の過不足により帯   電していた経絡に流れ込み、過剰な耐電現象を起こしている領域が正常な閾値になると、経絡内を流れ出し頭   から足へと過剰電位が移動しだし、「主訴のポイントが痛み出しました、暫くすると痛みが消えて膝に降りて   痛みを感じます。膝の痛みが消え、足先より抜けました」と言わせることができます。特に敏感な人に言えま   す。術者の感じ取る感覚と他覚的所見があります。

(ハ)直接意識を各経絡に焦点を合わせて変化を感じ取る方法です。「以後、気の受信と言います」    私は現在(ハ)の方法を使用しています。気(エネルギー)の変化を感じ取る方法です。この理論は意識を質   量の無い素粒子レベルと解釈し、質量の無い性質を持っているにもかかわらず波動エネルギーとして作用して   いると考えています。いわゆる「ひも理論」なのかも知れません。意識を各経絡に集中している時、敏感な人   より「先生が集中されている時、体の中が下へ下へと引っ張られる感覚が伝わってきた」とか「気がついたら   主訴が消えていた」等と言う人に度々出会います。私としては治そう等と考えていません。経絡の変化を観察   する為に集中しているだけに過ぎないのです。(ハ)の方法が会得できたら最も正確な診断が得られることに   なります。ほとんどが術者の受信感覚で決定されます。

 上記診断は十二経絡循環を完全肯定した診断であり、各経絡ごとの支配領域が支配している組織細胞の変化を理解する為に重要な内容を秘めています。 

 


■実証領域の確定■

    実証経絡は上記した(イ)(ロ)(ハ)の診断にて行いますが、実証経絡の決定には一定の法則が存在しています。一定の法則とは手の実証経絡が右大腸経の場合、左手には左肺経もしくは左心経にしか実証経絡が出現しない法則なのです。十二経絡循環を完全肯定しなければならない内容となっています。

■手における実証経絡の組み合わせを列記すると以下のようになります。

1-右肺経が実証経絡の場合   左大腸経又は左三焦経が実証経絡となっています。
2-右大腸経が実証経絡の場合  左肺経又は左心経が実証経絡となっています。
3-右心包経が実証経絡の場合  左三焦経又は左小腸経が実証経絡となっています。
4-右三焦経が実証経絡の場合  左肺経又は左心包経が実証経絡となっています。
5-右心経が実証経絡の場合   左大腸経又は左小腸経が実証経絡となっています。
6-右小腸経が実証経絡の場合  左心包経又は左心経が実証経絡となっています。

■足における実証経絡の割り出し方を述べてみます。

 手の実証経絡が確定すると足の実証経絡はすでに決定されています。
 (手の実証経絡が陰陽となっている場合)
 右大腸経と左肺経が実証経絡と確定した場合、右大腸経と左肺経は左右で陰陽の関係にあります。左右で陰陽の経絡となっているとアンバランス度が大きくなります。そして、右足の実証経絡は右大腸経と陰陽で接続している右肺経を介し、上下で接続している右肝経となります。左足の実証経絡は左肺経と陰陽の関係にある左大腸経を介して、上下で接続している左胃経となります。

 右大腸経・左肺経・右肝経・左胃経が実証経絡となります。

  (手の実証経絡が陰陽となっていない場合)
 右大腸経と左心経が実証経絡と確定した場合、右大腸経と上下で接続している右胃経を介して、陰陽の関係にある右脾経が実証経絡となります。左心経と上下で接続している左脾経を介して陰陽の関係にある左胃経が実証経絡となります。

 右大腸経・左心経・右脾経・左胃経が実証経絡となります。 

■最大実証経絡■  

 気(エネルギー)の移動は肩上がり側の手の経絡より肩下がり側の足の経絡に下降する傾向があり、仮に右肩上がりだと、右足には3割、肩下がり側左足には7割程度移動していきます。虚証経絡が無い場合で、右大腸経が6経絡中で最大の開放感がある場合には、左の実証経絡は左肺経か心経しか実証経絡が出てきません。法則となっています。この経絡の組合わせで、右大腸経が実証で左肺経が実証の場合足は右肝経で左は左胃経が実証となっています。右大腸経が実証で左心経が実証の場合に足は右脾経と左胃経となっています。

 ①右大腸経・左肺経・右肝経・左胃経

 ②右大腸経・左心経・右脾経・左胃経

 ①と②の経絡バランスでは①では手の右大腸経・左肺経が左右で陰陽となっています。②では右脾経・左胃経が左右で陰陽となっています。これらは証の決定において重要となります。なぜなら、右肩上がりの場合、手では陰陽となっている右大腸経が最大実証となり他の実証経絡に大きな影響を与え、エネルギー循環を支配できるからです。左肩上がりの場合には左肺経が最大実証となり他の実証経絡に大きく影響を与えることになっています。つまり、最大実証経絡はその経絡のみを操作しても身体のエネルギーバランスを整えるだけの影響を持っている経絡となります。

 ②の場合は右脾経・左胃経が陰陽で実証経絡となっています。この場合最大実証経絡は肩下がり側の左胃経となります。肩上がり側の手より肩下がり側の足へと多くエネルギーが流れているので身体全体への影響が大きいからです。

 

虚証領域の確定


 虚証領域は実証領域がベースにあっても異なる決定がなされます。  

 

 ①右大腸経・左肺経・右肝経・左胃経  

 ②右大腸経・左心経・右脾経・左胃経  

 

  虚証は手足の経絡で左右が陰陽となっている手か足の表裏(陰陽)の関係にある経絡にあります。例えば、①の場合、右大腸経・左肺経が実証経絡となっている時、右大腸経の表裏で接続している右肺経、左肺経と表裏で接続している左大腸経に虚証の可能性があります。確認方法は皮膚電気抵抗器の井穴測定にて、右肺経か左大腸経の電気抵抗が低く電流が流れやすい経絡が虚証経絡となります。提針を井穴にあてて開放感がある方が虚証です。私の場合、右肺経の井穴と左大腸経に井穴にあてたイメージで、広がって行く様な開放感が感じ取れた方を虚証経絡と判断しています。 ②の場合は足が右脾経と左胃経が左右で陰陽となっているので右脾経と表裏の右胃経、左胃経と表裏の左脾経に虚証が無いかを確認していきます。  左右が陰陽となっていない①の右肝経と左胃経とは左右で陰陽となっていないので表裏には最大虚証はありません。同じく、②の右大腸経と左心経の表裏にも最大虚証はありません。ここで言う最大虚証とは身体に対してマイナスとなっている経絡を言い、虚証が無く実証しか無い場合もあり、その時は最大実証が身体全体のエネルギーバランスを整えるポイントとなります。但し、虚証経絡がある場合には虚証経絡の処置を先に行う必要があります。

   虚証経絡における支配領域での組織の損傷は、その組織が修復される迄身体全体に影響を与えています。こうした、損傷領域の確認は井穴を皮膚電気抵抗にて計測することにより確認することができます。虚証経絡では電気抵抗が低く電流が流れやすくなっています。この抵抗値が他の経絡測定と同等になるまで修復されていないことをも示唆しています。抵抗値が均等になった時、組織の損傷が修復されたと言えるのです。測定値が正常電位になったにも拘わらず、虚証の処置を続けていると、身体が異物である虚証の鍼に対して違和感を発することになります。身体の緊張感であったり、組織のこわばりを感じたりします。こうした時は強制している虚証の鍼が必要で無くなったことを意味していて、そして、虚証の鍼を外す必要があります。身体が慢性化していると虚証の鍼は長く貼り続ける必要があります。また、虚証の鍼を貼っていて違和感が感じられない時は組織の損傷が改善していないことを意味しています。

  ■実証経絡の組み合わせ、基本12パターン(6経x2)
(【 】は最大実証で円皮鍼の処置が選択できる経絡)
(●は陰陽で接続する経絡に虚証経絡があり皮内針を処置できる可能性あり)

 

1.右肩上がりで、右手の実証経絡が肺経の場合
●【右肺経】/左大腸経●
 右胃経 /左肝経
右肺経 /左三焦経
●右胆経 /【左肝経】●

 

2.右肩上がりで、右手の実証経絡が大腸経の場合

●【右大腸経】 / 左肺経●
右肝経 /左胃経
右大腸経 /左心経
●右脾経 /【左胃経】●

 

3.右肩上がりで、右手の実証経絡が心包経の場合

●【右心包経】/ 左三焦経●
右胆経 /左腎経
右心包経 /左小腸経
●右膀胱経 /【左腎経】●

 

4.右肩上がりで、右手の実証経絡が三焦経の場合

●【右三焦経】/ 左心包経●
右腎経 /左胆経
右三焦経 /左肺経
●右肝経 /【左胆経】●

 

5.右肩上がりで、右手の実証経絡が心経の場合

●【右心経】/左小腸経 ●
右膀胱経 / 左脾経
右心経 /左大腸経
●右胃経 /【左脾経】●

 

6.右肩上がりで、右手の実証経絡が小腸経の場合

●【右小腸経】/ 左心経●
右脾経 /左膀胱経
右小腸経 / 左心包経
●右腎経 /【左膀胱経】●●
   

■虚証経絡の組み合わせ、基本12パターン(6経x2)
()=虚証 他は虚証経絡がある場合の実証経絡。
上記で虚証●がある場合においては実証領域が変わってきます。
脾経+膀胱経・肝経+胃経・腎経+胆経の組み合わせの時
手の経絡に虚証があります。

 

1.右肺経に虚証が在る場合。


(右肺経)右大腸経/左肺経(左大腸経)
……………………………… 
右肝経 /左胃経

 

 

2.右大腸経に虚証が在る場合。


(右大腸経)右肺経/左大腸経(左肺経)
……………………………… 
右胃経 /左肝経

 

3.右心包経に虚証が在る場合。


(右心包経)右三焦経/左心包経(左三焦経)
……………………………… 
右腎経 /左胆経

 

 

4.右三焦経に虚証が在る場合。


(右三焦経)右心包経/左三焦経(左心包経)
……………………………… 
右胆経 /左腎経

 

5.右心経に虚証が在る場合。


(右心経)右小腸経/左心経(左小腸経)
……………………………… 
右脾経/左膀胱経

 

 

6.右小腸経に虚証が在る場合。


(右小腸経)右心経/左小腸経(左心経)
……………………………… 
右膀胱経/左脾経

 

7.右脾経に虚証が在る場合。


右心経/左大腸経
……………………………… 
(右脾経)右胃経/左脾経(左胃経)

 

 

8.右肝経に虚証が在る場合。


右肺経/左三焦経
……………………………… 
(右肝経)右胆経/左肝経(左胆経)

 

9.右胃経に虚証が在る場合。


右大腸経/左心経
……………………………… 
(右胃経)右脾経/左胃経(左脾経)

 

 

10.右胆経に虚証が在る場合。


右三焦経/左肺経
……………………………… 
(右胆経)右肝経/左胆経(左肝経)

 

11.右腎経に虚証が在る場合。


右心包経/左小腸経
……………………………… 
(右腎経)右膀胱経/左腎経(左膀胱経)

 

12.右膀胱経に虚証が在る場合。


右小腸経/左心包経
……………………………… 
(右膀胱経)右腎経/左膀胱経(左腎経)

※疾病を訴えている状態での虚証が存在する確立は80%以上となっています。

治療を希望される場合では虚証を考慮した上記経絡診断を念頭に置く必要があります。

 

 

経絡上の氣の診断


 人間の生体内には一定の支配領域を持った神経or自律神経、脈管、リンパ、骨等が認知されていますが、その他に経絡と言う一定の支配領域を持ってエネルギーが循環する経路が存在しています。身体内では独立した支配領域を持ち、体表にも外界とのエネルギー交換を行うツボと言うポイントを持っています。組織解剖学的には未だ証明されていませんが、中国ではこの経絡の作用を生体を反映し、滋養し、鍼灸などの刺激を伝達する作用があるとしています。

 この循環するエネルギーには幾つかの独立した領域を持つ循環経路があり、正中線を挟んで左右対称に十二経絡循環が存在し、正中背面に督脈、正中前面に任脈が循環しています。気海穴より下降する衝脈、膀胱経より分岐する帯脈等も存在しています。そしてこれらの経路を循環するエネルギーを東洋医学では氣と呼んでいます。また経絡内を運行する氣の循環の遅速や過不足は組織の営みに比例して存在していますので、組織 細胞の変化 を読み取ることが出来たりします。加えるにこの経絡を循環するエネルギーは生体を滋養する働きをも持っていますので、気の操作をおこない正しい気の循環に誘導することにより組織細胞を修復させる事が出来たり、さらに経絡内のエネルギーの過不足を調整するだけで痛みや各種違和感を簡単に取り去る事が出来たりするのです。これらの変化には法則性と再現性があります。ですから経絡のエネルギーの状態を読みとることが出来ると、一定の支配領域における組織の状態を知ることが 可能であると共に、不定愁訴やあらゆる疾病を改善させることが出来たりするのです。これらの改善は身体の本来持ち得ている自然治癒力を最大限に機能させる方法として行われます。

 仮説 経絡として私は「経絡上 におけるエネルギーの実体を内分泌。エネルギーが循環する媒体を支持組織」と想定しています。

 経絡内のエネルギーを診断する方法として身体で氣を受信する方法と、受信した内容が正しいかどうか、確認の為に皮膚電気抵抗器での測定とを行っています。測定に於いては活発に動いた時など組織の働きが活発になり活動電流等が計測されたりしますが、こうした活動電流を除去した後に現在ある組織の正しい営みの状態を計測することが出来ます。そして経絡内のエネルギーの動きや経絡間の差違を読み取り、疾病を予測し、一定の方法により処置を施すことが出来たりするのです。ここで重要なことは測定を優先しないことです。人間の生体は躍動し常に変化しています。デジタル方式とかでコンピューターのように瞬時に計測することは出来ません。暫くそのような装置を私も試してみましたが、身体で感じ取るのが一番正確でした。氣を誘導している時に、身体のどの部位に滞りがあり、氣が移動していくスピード、どちらへ移動していくのか等、こうした変化を受信しなければ本当の意味で生体の営みのアンバランスに対し的確な処置を施すことが出来ません。全体的には気の受信を行い実証領域を確定して最後に電気抵抗測定器にて虚証領域が存在するかどうかのチェックを行います。気の受信がが全体の行程で最優先され皮膚電気抵抗器の測定は虚証領域が在るかどうかの確認程度の割りを持ちます。

 機械や装置によれば科学的とする20世紀の考えは捨てなければなりません。人間の中に眠っている受信能力は超能力等ではなく当たり前の能力にしか過ぎません。こうした受信能力に再現性をみるとき自然科学の法則として認知していかなければなりません。人間の受信能力は宇宙における最高のコンピューターであることを認め利用することを新しい時代は要求しているのです。人間はこうした能力を本来持っており、今でも常に気付かず利用していることを知る必要があります。機械だけで人間の営みの状態を決定する行為は生体に対し失礼だと感じるのは私だけなのでしょうか。

 

虚証領域の気の移動


 虚証領域があると身体の氣(エネルギー)が帯電しやすくなる。

 虚証・実証を相対的に区別しようとする概念は治療処置を決定する上でとても重要な参考資料となっています。ですが虚実の対象を何処におくかで当然異なってきます。人体全体を対象として見る場合、生気が乏しい状態を虚証とし、エネルギーが過剰に充実し過ぎている状態を実証と区別することが出来たりします。一般的には「氣の流れが旺盛となり元気で勢いがある」のは実証の典型的な概念となっていますが、経絡の中を循環するエネルギーをターゲットとして虚実を区別するときには異なった判断が要求されます。経絡を循環するエネルギーの側面より虚実を判断すると、氣の流れの変化が大きいからと言って簡単に実証と区別出来ない一面があります。そのよい例が皮膚電気抵抗器にて経絡内のエネルギーを測定した時の値と変化です。測定時に抵抗が低く電気が流れやすい測定値となった場合、測定対象を自律神経の変化と見れば興奮していると判断するのもしかたないのですが、測定している対象が自律神経で無い場合は、全く誤った結論となったりします。

 電気抵抗が低く電気が流れやすく計測された経絡の支配領域には潰瘍が発生していたり、臓腑の組織破壊や内分泌異常等が認められます。つまり電気抵抗が低く電気が流れやすい経絡の支配領域では損傷している領域があり、損傷部位を修復しようとして活発にエネルギーを消費していると考えた方が妥当します。このような領域は毫鍼を長く施術していると身体が怠くなったり違和感が発生したりと症状を悪化させる現象が起きます。逆に皮膚電気抵抗値が高い経絡の支配領域へは毫鍼を行うと身体がリラックスして各種違和感が消失して症状が改善される現象が起きます。虚実に対する刺激量を基準とするとき、実証領域への処置は過剰エネルギーを抜き取る操作が要求されるのに反して、虚証領域はエネルギーを補う処置が要求されます。こうした虚実の概念を充当するとき皮膚電気抵抗器で経絡上の井穴測定に於いて電気抵抗が低く電気が流れやすい経絡の支配領域は虚証領域。電気抵抗が高く電気が流れにくい経絡の支配領域は実証と判断さなければならなくなります。

 このように電気抵抗が低く電気が流れやすい経絡の支配領域では組織を修復しようとする損傷電位が発生しているはずです。こうした領域の発生は全体の氣の循環を停滞させるように働きます。

 経絡上に実証の疾病がある場合、鍼や灸、低出力レーザー、各種光線、指回し等を行うと頭から足の方へと氣が自然と移動して行きます。ですが身体内に虚証領域があると実証領域のみの身体とは少し異なってきます。組織が弱っている虚証としての支配領域があると修復しようとして組織が活発に変化しており、その領域には損傷電位と同じように電位が混乱しています。この混乱は二次的に他経における氣の流れの低下を誘発させることとなり氣の循環が非常に悪くなる傾向が生じます。例えば左手三焦経の支配領域の組織に電気抵抗が低い虚証領域があれば必ず左三焦経と接続している経絡の循環が悪くなり氣が帯電しやすくなります。左三焦経と表裏で接続している左心包経、上下で接続している左胆経、左右の関係で右三焦経、対角の関係にある肝経等がこれにあたります。つまり左三焦経の虚証が原因で必然的に左心包経・右三焦経・左胆経・右肝経が実証領域となってしまいます。

 虚証の発生により発生している疾病はまずその虚証を改善しなければなりません。虚証に対する処置としては虚証領域に対して皮内円皮鍼(皮内針)で正常電位に変換することが治療の要となります。皮内円皮鍼(皮内針)の作用機序は鍼尖が電極として生体に作用して、皮膚に鍼尖が接触するだけで100%その効果を発揮します。つまり施鍼と同時に損傷電位を正常電位に変換してしまいます。こうした処置にて虚証領域に正しい処置が行われると、虚証が原因で発生した実証領域は虚証の損傷電位の混乱より解放され氣の循環が円滑となり自然に本来の流れに戻って行きます。皮内円皮鍼(皮内針)の使用により劇的に改善するのはこうした原因によります。

虚証の処置


 我々の新経絡治療(バランス鍼法)で各経絡上の虚証は氣(エネルギー)が修復する必要がある損傷している領域となっています。また、内分泌の循環が不安定になっている支配領域を言います。これらの領域は損傷電位が発生していると考えられ、電気的に混乱している損傷電位が発生していると考えられます。皮膚電気抵抗器においては代表測定点である井穴の電流が流れやすく、電気抵抗が低い値として計測される経絡を言います。このような虚証経絡が身体内に存在することが解ると、その経絡の支配領域中の体表ポイントに虚証の処置を施します。虚証領域の経穴に正確に施鍼出来ると劇的に身体が楽になり、損傷部位が損傷しているにもかかわらず正常電位に変換させ修復する営みを開始しだします。虚証領域の氣の循環は電位的に混乱していて、身体全体の氣の循環を滞らせて、身体に対して支障をきたすように働き、二次的に接続経絡に氣の帯電現象(活性酸素の蓄積)を引き起こし、実証疾患を生じさせたりすることとなります。

皮内円皮鍼(皮内鍼)

 皮内円皮鍼は皮内鍼と同じ用途で使用する皮膚に固定して使用する置き鍼です。但し、鍼の先は表皮と真皮との間で表皮に接触するだけでも有効となります。皮内まで刺入する必要がありません。

 皮内円皮鍼とは0.6ミリの円皮鍼の鍼体に対しサジカルテープを7~8枚重ねリングの大きさに切ったものに刺し、鍼尖が表面に出るか出ないか位で皮膚表面に接触固定して使用する鍼のことを言います。(現在はセイリンのパイオネックス0.3ミリを代用しています)これらの特殊な鍼の先端は電極として身体に作用します。例えば+の電極には-極がくるように身体内の異常経絡に対し電位の操作をするのです。経絡の虚証領域は組織が修復しようとしていて、電位は損傷電位が生じ混乱していますので、この損傷している支配領域に対し一定の電極を与え損傷電位を正常電位に変換させてしまうのです。そして損傷している支配領域が正常電位に変換されると正常な氣(エネルギー)の循環が行われるようになり、損傷組織が正しい営みを取り戻し、自然治癒力により急速に組織の損傷が改善されていくこととなります。電位の操作だけで組織の営みを整えることが出来るという事実は西洋医学では考えられない世界かもしれません。病気に対して補う薬を必要とせず、組織が自己の営みを取り戻し、自らの力で修復しだすのです。薬を必要としない環境を作り出せたらこれにこしたことはないわけです。

 

経絡の虚証領域における生体の電位変化(仮説)

 

        :+±+-±-±+-
        :±±-±+±+-±
        :++±+-±-±-
   外界   /   体内1
損傷電位
潰瘍
外傷
炎症

帯電現象は電子の過不足によって生じる。

 

        :±±±±±±±±±
   皮内鍼→ :±±±±±±±±±
 (皮内円皮鍼):±±±±±±±±±
   外界   /   体内
虚証の鍼を表皮と真皮の間に施鍼することにより、電位が鍼尖の電極に固定され、損傷電位が正常電位に変換される。

 一般的に生体の電位の研究は体表と体内との関係で取り上げられていて、細胞内は細胞外に対して負(陰性)の電位にあると言われているに過ぎません。そして、体内の電位の過不足に対しては論究されていません。十二経絡循環内の各経絡における末梢にある井穴においては明らかな電位差が見られます。疾病と比例するように現れています。

 こうした現実を踏まえ、一定の支配領域を持っている経絡の電位を変化させ均衡を与えると、簡単に痛みが取れたり、損傷疾患部位が正常な営みを取り戻し、損傷しているにもかかわらず損傷部位が修復されて行ったりする驚くべき治療効果を引き出すことが出来るのです。臨床例をあげてみますと、西洋医学で完治させることができない難病の膠原病(リウマチ)等も経絡の異常として出てきています。経絡の異常反応は右手心経の支配領域に虚証反応が必ず出ています。治療処置はこの右心経の支配領域内の一点に皮内円皮鍼を施すのです。我々の常用穴は霊道穴や心経の井穴です。そうするとCRPの値が下がり関節の腫脹や色々な症状が次第に改善する経過を辿ることとなり、虚証反応が消えると関節の腫脹が発生しなくなります。加えて右心経と表裏で接続している右小腸経、左右対称の左心経、右心経と上下で接続している右脾経と対角で関係がある左胃経の気の循環を整えていくと完治する経過を期待することが出来るのです。経過としては右心経虚証が消えた後、左小腸経の虚証・左心経の虚証・左脾経の虚証等が出たりしますが、この段階になると運動により関節が腫脹することが無くなっています。この右心経は脳下垂体をその支配領域に持っているようです。逆にこの右心経の電気抵抗が高い実証の場合の症例として更年期障害をあげることが出来ます。胸が苦しく、起きあがると目眩がし、横になっていると楽な状態となり、不安感がこみ上げ、外出するのが怖くなるような症状が現れます。こうした症状に対しては実証の処置を施します。すると長く苦しんでいても数日で全ての症状が改善していくこととなります。更年期による脳下垂体分泌が不安定になっているから起きる症状と言えます。これもまた組織の機能低下に比例し、電位が膠着状態になっているのを解放して円滑な気の循環を促すことにより導き出せる治療効果なのです。

 もう少し関節リウマチに関してさらに述べますと 膠原病(結合組織病)の一つであり古典的膠原病では全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、皮膚筋炎、多発性筋炎、結節性多発性動脈炎、混合性結合組織病等が上げられます。この膠原病と診断された人には経絡に一定のアンバランスが見受けられます。右三焦経の実証と左三焦経の実証です。そして、右三焦経と左心包経と表裏で接続している右心包経と左三焦経に虚証反応が出ています。全ての膠原病に出ている反応です。ですから、関節リウマチを完治させるには右心経に加えて右心包経と左三焦経の虚証反応をも整える必要と言えます。掌蹠膿疱症等もこの膠原病と同じ反応が出ており整えると簡単に改善してしまいます。

   ネフローゼと診断され尿蛋白が出て運動を控える指導を受けていた患者さん(16歳)における経絡の虚証反応は右肝経に出ていました。急性膵炎と診断された患者さん(14歳)も右肝経に虚証反応が出ていました。また登校拒否している患者さん(15歳)は朝起きられず、勉強机に座っていても腰が怠くなり、立っていても何時も身体が曲がっているような自覚症状を持っていました。これらの数件の臨床例では、いずれも右肝経の支配領域の一点に虚証の鍼を固定しました。登校拒否の患者さんに関しては右肝経の中都穴へ虚証の鍼を施鍼すると同時に腰の怠さや、身体が曲がっている感覚が消失して、一週間もすると朝気持ちよく起きられるようになり学校へ通えるようになりました。ネフローゼと急性膵炎の患者さんも数ヶ月で正常数値となり全員完治する経過を辿っています。気の操作にてクレアチニンが正常範囲に回復した人もいます。これらは西洋医学のように病症のターゲットを絞り投薬により整えた訳ではなく、身体内に於ける気の循環を正常循環に戻しただけで自らの力で勝手に改善した症例となっています。経絡が存在しなければ生じ得ない現象と言えます。こうした事実を目の当たりにしたとき西洋医学も人間の生命エネルギーである電気的エネルギー(氣)の役割を今一度大きく視点を変えて研究しなければならないように思われて来るのです。慢性的なネフローゼの場合、加えて右腎経、右小腸経に虚証反応が見られます。

 この特殊な鍼の有効期間は損傷経絡の電気抵抗が正常値に戻ったら取り外します。自覚的には今まで調子良かったのに何となく肩が凝ったり、腹部が張ったり、関節が硬い感じがする等、身体になんらかのかすかな違和感が生じたりします。このことは身体の損傷臓腑や組織が修復され正常に機能するようになると、正しい氣(エネルギー)の循環を取り戻すので、鍼による強制力を必要としなくなったことを意味します。井穴の電気抵抗値は正常値になっているはずです。電気抵抗測定では経絡の井穴における抵抗値が均等に表示されます。

 原則として固定する鍼は身体に一個が原則です。二個以上使用すると効果が相殺されてしまいます。二個以上置鍼すると必ずどこかにマイナス帯電を引き起こし円滑な氣の流れを阻害することになるからです。

 基本的に虚証の鍼は損傷組織が存在している時に有効となり、健康で身体内の氣が正常に循環している状態で置鍼を施すと数分もたたない位で違和感が生じたりします。身体の皮膚に接触させるだけの鍼が身体に対して驚くべき強制力を発揮するのです。氣とはエネルギーであり電気なのです。その電気を操作しているのですからこのような現象が起きても考えようによっては当たり前のことかも知れません。気が電気であり、身体内の電荷の過不足を調整することが気を誘導している本質であれば、古くさい鍼等に頼らず、電気の法則を理解して法則に見合った操作をするだけで身体内におけるエネルギーに均衡を与えることが出来るはずです。研究が待たれる次第です。

  虚証の処置・

 ※虚証経絡への処置は皮膚接触固定鍼・皮内針・セイリン(パイオネックス0.3ミ   リ)を使用します。
 ※虚証に使用する鍼は虚証経絡の支配領域へ電極として作用し、活発に変化して   いる一経絡に対し組織の損傷電位を正常電位に変換するように作用します。
 ※虚証の鍼の針尖は皮膚に接触するだけで最大効果が期待できます。
 ※処置のポイントは全ての経絡の中で最大虚証の一経絡に行います。
  (一経絡より多く置鍼すると相殺して効果が激減します)
 ※虚証経絡の置鍼ポイントは井穴でも有効です。
 ※皮内針のように横向きに固定する鍼より置くだけの鍼が便利。 


    鍉鍼(テイシン)

 虚証の処置に対して虚証の鍼が有効と述べてきましたが鍉鍼も気の操作に於いて虚証領域を整える鍼となります。いわゆる小児鍼です。操作は虚証領域が存在している経絡の走行上に、或いは、井穴に鍉鍼の針尖をあてると一時的に損傷電位がアースされ正常電位に強制されて、子供などの一時的アンバランスは改善してしまいます。体内変化としては身体上部より体幹部それから足へと暖かさが広がっていく状態となります。足まで温かくなったら子供の場合は次第に改善してしまいます。

 これらの変化は鍉鍼における針尖の極性が身体内の電位に均衡を取り戻させるために起きる変化と考えられます。

 身体内における気の循環を考えた場合、 電位が混乱している虚証領域としての損傷部位が発生するとその経絡と接続していたり関連性の深かったりする経絡は電位移動が困難となり、虚証領域が発生したために帯電現象(ラジカル)が発生するのです。この虚証領域と関連接続経絡の帯電現象は経絡間に電位の過不足を発生させます。そして極端な電位差の発生は経絡間に電位差の緊張を生じ痛みや痺れや怠さと言った違和感を発生することとなります。

 

実証の処置


 実証領域は気が過剰に蓄積帯電された支配領域を指します。こうした経絡が存在するとその経絡の支配領域の組織や臓器の動きが悪く機能が低下していることを読み取ることが出来ます。つまり身体内のある一定の支配領域に鈍った細胞組織の働き が生じると働きに比例して経絡内に帯電現象が発生します。その電気は経絡相互間に影響して二次的に細胞の働きを低下させるようにも作用します。悪循環が生じるわけです。こうした領域に対する治療としては過剰に溜まった経絡の気を抜き取り、或いは循環させ気の流れが円滑になるような処置を施してやります。そうすると経絡間の 電位差より生じる緊張や帯電がなくなり、経絡間が電位的に均衡が取れると気の循環が円滑となり細胞組織も円滑な本来の営みを取り戻すこととなります。こうした実証に対する処置は鍼灸が最も得意とする領域かもしれません。

 症例としては脂肪肝や脳梗塞等をあげることができます。脂肪肝では右大腸・右三焦経・右小腸経の陽経が実証経絡となり右肝経 ・右脾経・右腎経の陰経に実証経絡が出ています。右脳梗塞では右三焦経と右肝経それに左心経に実証反応が出ています。これらの処置に対しては上記経絡 に対して鍼・灸・低出力レーザー等で過剰に帯電して組織の営みが悪くなっている領域を円滑にする必要があります。つまり瀉法の処置が必要となります。

   右脳梗塞の場合を例に述べると右三焦経の会宗穴若しくは三焦兪穴の一点に円皮鍼を施鍼し固定する処置を施し、かつ関連経絡(バランス療法にて説明いたします)である右肝経、左胆経の氣の流れを整えておくと改善が早くなります。ただ脳梗塞の場合は特殊なパターンで関連経脈でない経絡とが一緒に実証反応を現す症例となっています。右脳梗塞の場合、右三焦経の支配領域と左心経の支配領域が右脳梗塞を引き起こした部位と関係があり、右三焦経と左心経との組み合わせで実証としての異常反応が発生しています。ですから左心経と関連経絡となる右脾経と左胃経、左膀胱経に対しても氣の滞りが発生していますので氣の流れをよくしておく必要があ ります。また右肩上がりですと右三焦経が左心経の実証度より大きく、左肩上がりですと左心経が右三焦経より実証度が大きくなります。


治療ポイント ×=実証

右肩上がりで右脳梗塞の場合右三焦経、右肝経、左胆経の実証度が大きく左心経の支配領域が右脳と交差し吻合していると考えられます。治療穴は右三焦経の会宗穴 、若しくは、右三焦兪穴へ円皮鍼を置鍼して揉む指導をします。左肩上がりで右脳梗塞の場合は左心経 、左胃経、右脾経の実証度が大きく左心経の経穴(霊道)へ円皮鍼を置鍼して揉む指導を行った方が改善し易くなります。つまり肩上がりの状態により左心経を中心に治療を行うか右三焦経を中心に治療を行うかを決定しなければなりません。

 


 

  上記では組織の壊死に起因して経絡の機能低下が発生したパターンですが、身体における経絡内の過剰な電位を抜き取り氣の流れを調整するだけで運動機能障害が改善したり、細胞や臓腑の異常を正しい営みに取り戻させる事が出来ます。こうした実証における氣の滞りは細胞の機能低下に比例して関連経絡内に帯電現象を引き起こしています。帯電と言うのは電子の過不足によって生じますが、近年老化や細胞異常にラジカルが問題とされています。これらも電子がかかわっています。細胞も組織液もしょせん原子の細かい単位の集まりであり分子や電子、陽子の結合による結果の産物です。電気的エネルギー(氣)に他なりません。経絡に反映している電気の流れを整えるということはこうした問題視されているラジカルの領域をも改善出来る操作 となっているのです。

 「実証としてのツボの取り方」

 実証に対する円皮鍼の置鍼の仕方について我々はツボを出し。そのセンターに鍼を刺入する処置を施しています。ツボは皮膚電気抵抗器を使用し、皮膚に金属部分を接触させ通電していると、急に電気が流れ出すポイントが出現します。これらのツボは毛根と毛根との間に存在していて、通電するとき痛みを感じますが、1㌢四方中に2~3個位、電気で焼けた点が出てきます。それがツボなのです。ですがどれも有効というものではなく、その中の一点が経穴と符合するポイントとなります。その一点を捜し出し、一㍉程度のツボの中心に円皮鍼を刺しテープで固定します。ツボにうまく刺入できていると、揉んでいるときに痛みを感じず、炎症を起こすこともありません。数日間必要な時に揉んで氣の誘導を行うことが出来ます。するとツボが支配している領域に変化が起き、細胞組織の活性や内分泌の安定を促し 症状を改善する事が出来ます。


皮膚固定鍼の本数


身体に固定する置鍼は人間にとって異物に他なりません。
ですから最小限にしたいものです。

A-置鍼の例としては、
1-全身の中で最大虚証、若しくは、最大実証の一穴に置鍼します。虚証には皮膚接触固定鍼(皮内針)。実証には円皮鍼。

2-虚証があれば虚証経絡のポイントに一置鍼(皮膚接触固定鍼(皮内針))&反対側に実証の円皮鍼(ツボを抵抗器で出す)を処置して揉む指導をします。左右経絡の電位の過不足を是正します(巨刺法)。

3-両側腎経、両側膀胱経に虚証が出ますがその時は両側に虚証の処置を行います。上記経絡バランスは督脈と任脉に影響が出ている時に出ます。 また、その他の経絡もあります。肝経・胆経・胃経・脾経・大腸経・肺経・心包経・三焦経・心経・小腸経です。これらのバランスは比較的多く出ています。

1/2/3の置鍼であれば気が円滑に循環させることが出来ます。気の循環の円滑さを阻害しません。 

  B-過剰置鍼

1-身体に皮膚接触固定鍼(皮内針)を1個以上置鍼すると相殺作用が生じます。  

A-3の場合は例外です。但し、両側が実証の場合には最大実証に円皮鍼を施し反対側には円皮鍼をせず豪針で瀉法の処置を施す方が著効となります。

2-同側(例えば右半身)に虚証の置鍼と実証の円皮鍼の置鍼は気が滞り円滑な運行を相殺し帯電膠着が発生します。

3-虚痛がある虚証経絡に実証の円皮鍼を二個以上置鍼すると混乱している気が固定するように働き、痛みが緩和する事があります。この変化は虚証領域が正常電位に変換したのではなく、気の動きが速くなっているい虚証の混乱が膠着状態を引き起こすことにより得られる結果となります。つまり、にぶらせたことになります。鬱病患者に抗うつ剤を投与するのと似ています。

   痛みは隣接する経絡間の電位差の緊張により発生しています。ですから、身体を鈍らせても経絡間の気のアンバランスが是正されると鎮痛させることが出来るのです。

以上の結果は組織の修復にはほど遠いものとなります。

  4-また、同一実証経絡への二個以上の円皮鍼は気を動かす為に揉んでいる時は楽になりますが、揉まないと直ぐに帯電膠着状態になろうとします。逆効果となることを考慮する必要があります。

組織の修復を考える場合には気を円滑に整える必要があるからです。

4-手足4経の有効経絡上の全てに円皮鍼をすると直ぐに気の帯電膠着状態が発生します。

 磁石は気を動かすことが出来ます。ですが、身体に固定すると一時的に気の動きが起きますが直ぐに身体の気が帯電膠着するように働き出します。こうした変化を利用すると、虚証領域に使用する皮膚接触固定鍼(皮内針)と同じ効果を期待することが出来ます。

 虚証領域への磁石は皮膚接触固定鍼(皮内針)と同じ効果を引き出します。こうした意味では痛みだけを考える場合磁石も治効にとって有効と言えます。

 ですが、皮膚接触固定鍼(皮内針)と同じように身体に複数貼ると身体の鈍りを生じます。

こうした、気の帯電膠着は生命の円滑な営みからするとラジカルを発生させる要因とはなります。

では、最大実証や最大虚証に処置をした後、どのような操作が治療に有効かと言いますと、経絡敏感人にある経絡反応帯に切皮程度の捻鍼をすればマイナスが出ずに効果を高めることが出来ます。

例えば、腰痛で右肝経と左胆経に実証が有る場合、

肩上がりを考慮した最大実証経絡に処置をした後、任脉の外方四横指肝経、督脈の四横指外方が胆経(膀胱経の2行線)に切皮程度の捻鍼を行い、帯電エネルギーを体外に放出させます。以下がその方法です。

右腹部の任脉より右四横指のライン上に豪針をします。加えて、左背部の督脈より左四横指のライン上に豪針をします。もし、左肝経に虚証が在れば左肝経に虚証の処置を施して行うとより著効となります。

  胆経は背部の四横指(膀胱経の二行線)、肝経は腹部の四横指で前後で対していま。

  寝違い等で腎経と膀胱経のアンバランスが出たりしますが、

足への虚証、若しくは、実証の処置に加えて、

腎経上では胸部の正中線より2~3㎝幅をマッサージや豪針を行います。膀胱経上では百労穴や天柱穴、肩胛骨の膀胱経上の3行線をマッサージしたり、豪針を施すと、うそのように改善したりします。

   固定鍼を身体に処置する場合には、効果が相しない処置を施し、経絡敏感人に出現している経絡反応帯の走行部位に豪針を加えると著効を引き出すことが出来ます。

 難治性の場合には末梢よりの操作のみでは変化が遅いことがありますので、有効経絡内で主訴近隣のポイントを取穴豪針する必要があります。


一経絡一置鍼の法則


 この法則は経絡の存在を証明することに繋がる内容を含んでいます。例えば喘息があり、左三焦経に虚証反応があり、左三焦経の会宗穴に皮内円皮鍼(皮内針)を施鍼して喘息が改善している状態において、左三焦経の支配領域にもう一個 皮内円皮鍼(皮内針)を置鍼したり、若しくは、磁石を貼ったりすると、せっかく改善していた喘息症状が再発することになります。また胃経に虚証反応があり、胃経の梁丘穴に 皮内円皮鍼(皮内針)を施鍼して肩の痛みが取れていた状態において、もう一個同じ胃経の支配領域に皮内円皮鍼(皮内針)若しくは磁石を施すと痛みが再発してしまいます。円皮鍼でも同じこと となります。鍼でなく磁石でも同じ結果が起きます。これらは一定の支配領域を持っている経絡内で起きる現象なのです。つまり同一経絡内を循環するエネルギー(電気)がショートしたのです。そして効果が相殺されてしまったわけです。 円皮鍼と磁石を同一経絡の支配領域に貼っても同じ結果となります。

 新経絡治療では身体に固定する置鍼は原則として一個としています。気の移動を考慮して、全身の気が移動し解放する一点(経穴)に一個の皮内円皮鍼(皮内針)や円皮鍼を置鍼します。法則通りの施鍼であればそこから全身に変化が発生して有効に作用して行きます。そして同一経絡の支配領域に対し一個以上の同時施鍼の場合は数秒も経たない内にマイナス影響が発生します。違った経絡であっても一個以上の鍼を施鍼した場合は、時間がたつと次第に思いもしない所に氣の帯電を引き起こすことになってしまうのです。このような法則が解らず、ほとんどの専門家が皮内鍼や円皮鍼等を複数使用しているのが現状です。気の流れが解っていないのです。鍼術の要が気を整えることにあるにもかかわらず。気の流れや循環を重要視しない治療は正しい治療とはならないと言えます。但し身体に置鍼する処置をしない毫鍼や灸だけのときは相殺は生じません。

 虚証に使用する皮内円皮鍼や実証に使用する円皮鍼等の置鍼は身体における疾病に対して、使用するととても有効に作用し助けてくれたりする事がありますが。本来身体には必要のない強制力に他なりません。身体の氣が整ったのを見極めたらすぐにはずす必要があります。自覚症状的には、とても調子良かったのに急に違和感が発生したりします。鍼の強制力を身体が必要としなくなった 時に起きます。鍼を取り去ると違和感はすぐに解除します。


経絡のバランス


 経絡間の実証、虚証は相対的な関係で存在しています。仮に左三焦経に極端な電気抵抗が低い電気の流れやすい虚証反応があった場合、左三焦経と表裏の関係にある左心包経は実証と なります。上下で左三焦経と接続している左胆経も実証となります。左右の関係では右三焦経が実証となります。対角では左三焦経と 陰陽(表裏)で接続している左心包経が偽虚で、左心包経と上下の関係で接続している左腎経が実証となっています。気管支喘息の証がこのような反応として出ています。これらは経絡が独自の支配領域を持って機能しているから定義出来る理論といえます。 

  以下は左三焦経と右心包経が共に実証の場合の関連経絡となります。
最大実証経絡は左右の経絡が陰陽となっているときに存在します。
肩上がりの違いによって最大実証経絡{ }が異なってきます。

 

 

   (左肩上がりの場合)

〔左三焦経〕と 陰陽(表裏)で接続している左心包経が偽虚で、左心包経と上下の関係で接続している左腎経が実証とな ります。
〔左三焦経〕と表裏で接続している左心包経が偽虚で、左心包経と左右の関係にある右心包経が実証とな ります。
〔左三焦経〕と左右の関係にある右三焦経が偽虚で、右三焦経と上下で接続している右胆経が実証とな ります。
左肩上がりの場合、 最大実証は{左三焦経}となります。



  (右肩上がりの場合)

〔右心包経〕と 陰陽(表裏)で接続している右三焦経が偽虚で、右三焦経と上下の肝経で接続している右胆経が実証とな ります。
〔右心包経〕と表裏で接続している右三焦経が偽虚で、右三焦経と左右の関係にある左三焦経が実証とな ります。
〔右心包経〕と左右の関係にある左心包経が偽虚で 、左心包経と上下で接続している左腎経が実証とな ります。
右肩上がりの場合、 最大実証は{右心包経}となります。

   新経絡治療バランス療法では常に身体内における十二経絡間の気の循環を整えることを重要視しています。各経絡では同一経絡内に異常が生じるとすぐに関連している経絡に影響が及ぶ仕組みとなっています。経絡に異常が発生すると、接続している経絡や、相対的に関連している経絡間に電位差の緊張が生じ、 経絡間に気の過不足が生じ、痛み、シビレ、怠さ、弛緩や萎縮等の異常感覚を自覚するようになっていきます。これらは組織の営みに異常が発生しているから起きる現象とな っています。各種違和感はこの経絡間における氣の過不足のアンバランスを調整するだけで簡単に改善してしまいます。例えばテニス肘のような疾患に対してはほとんど右小腸経に実証反応が出ている傾向があります。右小腸経の氣の循環を改善してやればすぐにテニス肘が治癒してしまいます。ですから治療処置においては身体内で一番虚実が顕著 となっている一経絡を変化させるだけで関連経絡に影響が及び、パズルが解けるように身体のバランスがとれ疾病が改善したりするのです。

 疾病が重い場合には疾病が発生している臓腑を常に考慮して、臓腑異常が影響している経絡の支配領域を探します。そして常に疾病が影響している十二経絡における全体の氣のバランスを 考えて経絡への処置を施すことになります。

 例えば大腸疾患の折り、氣の循環異常が腎経上の虚証反応として計測さたりすることがあります。左右のどちらかの腎経に出ています。仮に左腎経に虚証反応があった場合、取穴は恥骨と臍との中間にして左外方5㍉位にある左気穴穴に皮内円皮鍼を処置します。置鍼と同時に左首筋の凝り、腰痛、腹部の違和感が消失して腹部が暖かくなってきたりします。 左気穴の直下は直腸とS字結腸の分岐部位で、病巣部に焦点を絞った治療となります。これらの病巣部の選択は経絡の異常を割り出した後に、特定された異常経絡の支配領域の中より捜し出します。

 経 絡は神経、脈管、リンパとは異なる走行経路があり、走行部位にある経穴は直下の臓腑を支配しています。そして腎経の支配領域となっている気穴穴は大腸と直結しているポイントとなっているのです。治療においては大腸疾患によ り生じた左腎経の虚証領域の損傷電位を皮内円皮鍼により正常電位に変換しておいて、しかる後関連実証経絡へ瀉法の処置を行うと気の循環が整 います。気の循環が整うと細胞の営みが改善され驚くべき回復を期待することができるようになります。左腎経が虚証の時の関連実証経絡は左膀胱経・右腎経・左心包経・右小腸経となっています。


 

   宇宙には常に均衡の力が働いています。人間はこの調和しようとしているエネルギーの在り方を学ばなければなりません。その力は人間の身体の中にも存在し、心の中をも支配しています。 繰り返し述べますが、台風は気圧のアンバランスによって発生しています。台風といえば私達には荒れ狂った自然現象が思い出され色々な災害を引き起こす忌まわしい存在 と考えがちですが、どんなに荒れ狂おうとその中には常に一なる力が働いていることを知る必要があるのです。それはバランスを取りたがっているという力であります。人間はこの力にさからうことは出来ません。自然治癒力とかエネルギー不滅の法則等もその一部ですが、人類にはこの自然界の大いなる力として存在している一なる力が全ての領域に働いている事を常に忘れてはならないのです。さからえば破滅へと突き進むは必定です。心のありかたの世界も又同一線上に在在しています。 釈迦やキリストが「私は何処にでも存在している」と言った本質なのです。

 人間は 自然の一部にしかすぎません。ですが人間は人間に与えられている創造する意識をもって、自然界の中で自己の生命の在り方と役割を学んで行かなければならない存在です。そして創造し作り出す能力を与えられているが故に、人類は創造する力で自然の在り方を学び、自然科学の目覚ましい発展を遂げてきました。それと共に科学の発展とは裏腹に大自然の循環と反するものも生み出してきています。自然を破壊する創造はどんなに時間がかかろうとも必ず将来において修正がなされていきます。ヒポクラテスが「医は自然の僕である」と言ったように、自然の法則に沿う限りにおいて豊かさを享受できるのが人間です。21世紀の宇宙時代を迎えるにあたって、人間は今一度自然と自己を見つめなおさなければならない時代に立っているといえます。

 

 

東洋医学研究所 天心治療院 院長 近藤哲二