■不眠症■

 

 西洋医学で不眠症が症候群性不眠と機会性不眠とに区別されているようです。前者は心臓疾患や心身症、ノイローゼなどの病気が原因で起こり、後者は精神的緊張や興奮、慣れない環境や条件、騒音、暑さ寒さ、空腹感、コーヒーやお茶の飲み過ぎなどが原因で起こりやすいとされています。前者は疾患の治療が大切。後者は生活を振り返り、原因を明らかにして取り除くことが大切と見られています。

 東洋医学の経絡診断では症候性不眠で無い機会性不眠の場合には一定の経絡パターンが認められます。右三焦経・左肺経・右肝経・左胆経で左肝経に虚証があります。このパターンでは脂肪肝、コレステロールが高い、腸がバランスを崩しやすい等の傾向がみられます。症状的には頭が重い。夕方身体が怠い。同じ姿勢をしていると腰痛を自覚する。寝付きが悪い。うつ病もこの経絡パターンで出ています。また、癌が定着しやすい経絡バランスとなっています。

 治療は左肝経の虚証反応に対して皮内円皮鍼(皮内鍼)を経穴(中都穴or曲泉穴)に一穴置鍼します。後は関連する実証経絡に瀉法の処置を施します。一二ヶ月もすると不眠症は改善していきます。

 付随して出やすい経絡は右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経で左三焦経に虚証反応が出ます。

 

 
 

 

 

■統合失調症■

質問-1

この治療法は精神分裂病のような病気にも良いのでしょうか。

返答
 精神分裂病は完治する疾患です。但し西洋医学的診断の基準は間違っていることを理解する必要があります。幻覚や幻聴があろうが、前後が全く繋がらない意識状態であろうと改善します。むしろ現代の医師の狭い判断が精神障害に拍車をかけているかも知れません。何故なら幻聴や幻覚は正常な人間でも多く見られる現象だからです。医師の中には投薬にて幻聴や幻覚を押さえ込む必要性を訴える人が見受けられます。薬を飲み続け突然薬絶ちを行うとパニックになり、安定させるには大変な努力が必要だからです。ですがこれらは疾病の本質を理解して改善することなく投薬にて機能を鈍らせていた反動が露呈しているに過ぎません。幻聴・幻覚等は悟りを開こうと修行する人々にとってはその入門レベルに現れる内容で内分泌と深く関係して現れる現象と言えます。東洋医学で重要視しているエネルギー循環の中枢もこの内分泌と不可分に関係があり、エネルギーのアンバランスを整えることにより疾病を安定させることが出来たりします。安定されるとは幻聴・幻覚は人間に内在している正しい能力の一つであることを理解し、内分泌がアンバランス状態にありながら幻聴・幻覚を伴うと不安感が併発するので疾病と理解される訳です。そして幻聴・幻覚に対して不安がると症状は悪化する傾向が出てきます。医師が簡単に分裂と診断を下すことは最悪な診断です。これらの幻聴・幻覚は異常でないことの理解と、内分泌のアンバランスを是正することで改善させることが出来ることを理解する必要があります。

 

質問-2

 今回初めてこのホームページを読ませていただいています。質問があります。幻覚妄想で大暴れしている患者さんなどに対しても薬物は、使わない方がよいのでしょうか?また、幻聴がひどくてとても耐えられないからそれを弱くする薬を出してほしいといわれたときにはどうすればよいですか?また、薬物療法を10年近くあたりまえのようにしてきたものにとってはそれに変わる治療法として具体的にどのようなものがあるのか良かったらおしえていただきたいのです。正直に言って薬物療法の限界、副作用の強さ、治癒しないことへのいらだちをいやというほど感じています。(一精神科医)

 

返答
 基本的に幻覚妄想で大暴れしている患者さんなどに対しては一時的に薬物は必要と考えています。それと同時に早急に体調を整える東洋医学的処置(経絡内エネルギーの調整)を行い、薬物依存にならない内に整えるようにしています。また長く薬物に依存して来た患者さんに対しては専門医に相談しながら減して行くように指導しています。長年薬物依存をしている患者さんに対しての薬物停止は耐え難く、原因となっている主訴を突き止め改善しなければ基の黙阿弥となってしまったり、リバウンドを起こしパニックとなってしまいます。こうした環境では薬物の中止期は慎重にならざるを得ません。

 我々の臨床データーでは精神障害者のほとんどは精神が先に病むのではなく、身体内の内分泌のアンバランスを筆頭に身体内の肉体的営み異常により発し、精神の不安定を来していると考えられます。更年期障害等は内分泌の問題ですが、こうした諸症状も精神的不安感を伴い、一種の自らの精神状態をコントロール出来なくなる疾病と共通するところがあります。また躁鬱病等での躁状態の時を治療していますと、こちらの身体に言いしれぬ不安感と衝動が伝わって来たり、膵臓の膵尾辺りの重たさが伝わってきます。ですがこうした症状も東洋医学で言う経絡内を運行している気(エネルギー)を整えて行くときに次第に改善されて行きます。それは組織細胞・臓腑・内分泌等の営みが東洋医学で言う気の循環に反映しているからに他なりません。

 幻聴等における経絡異常は右心経・左大腸経・右胃経・左脾経に実証反応が出ている傾向があります。特に滞りがきついのは右胃経と左脾経と言うエネルギー循環経路に出ています。 これらは身体の歪みも加味して、肩上がりと対角の足の経絡が最大実証となっています。 虚証反応が有る場合には、まず右脾経or左胃経に出ている虚証反応を整える必要があります。

 また幻聴や耳鳴りがする方の耳は空気が抜けず詰まっています。改善処置としては 左肩上がりの場合、右胃経の梁丘穴へ1ミリ程度の円皮鍼を施し毎日揉む指導を行うと次第に小さくなっていきます。 右肩上がりの人は最大実証が左脾経となります。当然他の合併症も一緒に改善されて行きます。


質問-3

私の妹が分裂病(今は統合失調症というそうですが)を発症してしまいました。幻聴と妄想(盗聴器がしかけられている等)がはげしく仕事を辞めて実家にかえってきました。2年ほど前には精神科でうつ病と診断され半年ほど病院へ通っていたようです。
当初は大変やせた感じで、すこし錯乱状態にありました。
私は結婚しており家をでているのですが、両親も落ち込んでおり、たいへん心配しています。今は心療内科に通っていますが、回復に時間がかかりそうです。睡眠薬や幻聴をおさえる薬を処方されていますが、幻聴、妄想もまだすこし消えてないようです。
西洋医学ではこの病気には薬物治療が一番で、他に治療法はなく、とにかく病院へいくことと言われています。やめると再発の可能性も多いといわれていますが、こちらのHPで分裂病は治る病気と書いてあるのをみて書き込みさせていただきました。
私自身は気というものに信頼をよせているのですが、すぐにでも診ていただきたいという思いがあるのですが、家族がまだ気というものに対してよく分からないので信用性に欠けると思っているようなので今すぐは難しい状況です。時期を見てと思っております。
分裂病になると再発も多いことやうつ症状もあることから社会復帰がなかなかうまくいかないようですが、昔のように元気で明るい妹にもどり、社会復帰も果たせるまでに回復できるものなのでしょうか?
ご意見聞かせていただけたらと思います。



返事

  分裂病は西洋医学の範疇では患者の感覚現象をターゲットとして、幻聴や幻覚が起きないように押さえつける投薬医療となります。
ですがターゲットは現れた現象よりそれを引き起こしている原因を整えることが必要です。我々の研究では分裂病は内分泌疾患と言えるのではと考えています。更年期障害も軽い内分泌疾患です。

  内分泌腺はエドガーケーシーによると「腺はビタミンやその他の栄養をとりいれて、身体のさまざまな器官に必要なエネルギーを供給している。足の爪の成長をささえている同じ腺が、胸や頭や顔にもエネルギーを供給しているなんて考えられただろうか。また皮膚は、心臓にエネルギーを供給しているのと同じ腺によって活動しているのだ。このように腺は、食べものから同化して作られた栄養を、身体のいろいろな器官に供給してこれらの成長や活動を調整している。」としています。

  そして東洋医学で操作している気(エネルギー)そのものが内分泌と同じ内容となっています。以下は東洋医学の経絡を運行しているエネルギーに付いてです。

<経絡の作用>上海中医学院・「経絡は気血を運行させ、身体を滋養し、生体の異常を反映し、侵入した病邪や鍼灸の刺激などを伝導する作用を持っている」腺がエネルギーを供給していたり、経絡が身体を滋養している等と考えられているでしょうか。
妹さんの現象もこの内分泌のアンバランスにより発生していると考えられます。また我々が行っている治療はこの内分泌と直接関係している経絡のエネルギーを調整するので内分泌異常を改善させることが可能となる世界があるのです。幻聴幻覚は腺の問題なのです。
 

 

 

■うつ病■

 西洋医学的見解として、躁鬱病のウツ状態に似ていますが、1回以上ウツ病を経験した後、躁状態にならない場合をいいます。心理的な原因がわかる場合を神経性ウツ病、原因がわからない場合を内因性ウツ病といいます。感情面から言えば気分沈滞、不安感、厭世感、自己卑下感、があり、意欲と行動面から言えば決断実行の不能、思考面では思考渋滞、そのほか罪業感、罪責感や自殺志向、妄想等があり、身体的にも不眠、食欲不振、便秘、月経不順等があります。そして身体症状だけを訴えるものを仮面鬱病と言います。経過は安定剤等を使用し数ヶ月から数年にわたるものもあります。この病体はある程度症状が安定しても安定剤の服用をやめることが出来ないのが実状となっています。  

 東洋医学の立場より組織の変化に比例した経絡上の氣の流れを読み取ってみると左半身に顕著なる氣の滞りがみうけられます。中心は左肝経でその支配領域は左(卵巣、精巣、大腸、小腸、腎臓、膵尾、心臓、肺、扁桃、鼻、目、脳)等となっています。これらの一部に組織の機能異常が発生すると、その影響は左肝経全体に氣の乱れとして反映することとなります。

 この左肝経に虚証反応が出て膵臓の膵尾の営みがアンバランスになると発症している傾向があります。メンタルな緊張も関係があるようで、緊張すると副腎よりアドレナリンが出て血糖が上がる、それを察知した膵臓が血糖を下げるためにインシュリンを排出する。緊張が頻繁に起きると、体質的に膵臓の機能が弱い人は膵液の消化酵素のアンバランスが発生して、営みが狂ってくるように考えられます。特に内分泌のアンバランスは身体に急激な不安感やいても立ってもいられないような衝動を引き起こします。夕方になるころには話すのもいやになるくらい疲れを感じたりします。気の誘導の処置として左肝経の曲泉穴に皮内円皮鍼を施すと楽になりますが抗うつ剤を服用している関係か鈍くて楽になったかすぐには判断出来ない傾向があります。ですが関連経絡を調整していくと次第に不安感が消えてくるのが患者にも解ってきます。一般的には元気づけるのはこの病状に対しては禁忌ですが、左肝経の支配領域に虚証の処置が施してあれば、けして急激に精神が不安定になるようなことが起きなくなります。 

治療ポイント

左肝経の曲泉穴に皮内円皮鍼

 以上ように治療処置としては左肝経の支配領域で膵尾に関係のある体表部のポイントの期門穴に皮内円皮鍼を置鍼すると頭の重さ、全身のだるさ、腰の重たさ、不安感等が瞬時に解放されたように楽になってきます。若しくは同じ左肝経の支配領域にある左曲泉穴に皮内円皮鍼を施鍼しても同等の効果が期待できます。このように必ず左肝経に虚証としての異常反応出ていることが特徴です。
@ 左肝経と表裏の関係で接続している左胆経(第4指)
A 上下の関係で接続している左肺経(母指)
B 左右の関係にある右肝経(第1指)
C 対角の関係で右三焦経(環指)と右大腸経(示指)
の氣を調整していくと、氣の循環が整い膵尾の働きも改善され根本的に治癒する経過を辿ることとなります。自己管理としては各関連経絡の指を回しても有効となります。必ず完治する疾病ですが。薬は急にやめるとリバウンドがあるので経絡の反応を計測しながら行わなければなりません。うまく医師との連携で薬をやめる方向で対処する方が良いと考えられます。

 

■幻聴■


 幻覚の一種で、現在認知されている概念では実際は何も聞こえないはずなのに、話声等が聞こえたと感じ取る現象をいいます。一種の精神障害の範疇として解釈されています。
 宇宙や自然界には形にならないエネルギーが充満しています。意識でさえ送受信することができる電気信号です。色々なものに信号を送信しています。だがその送信するエネルギーの質に対してはあまり問題とされていません。自己の身体を破壊する位のよくないエネルギーが発信されていても、ナッスィングなのです。また今回のテーマである幻聴と関係ありますが、正常な精神状態で声が聞こえたりする人は大勢いらっしゃいます。一概に幻聴、幻覚があれば分裂病で正常でない者と定義する事は正しくないように思われます。作用し変化する中には必ず法則があります。法則が証明できない状態で否定するのは科学的ではありません。またテレパシーという現象は外から送信された電気的エネルギーを自己の中に受診し、自己が解読できるフォントで感じ取る方法だと解釈しています。また多重人格が問題にされだして日は浅いのですが、蝶形骨洞や上顎洞に座をしめて別人格のエネルギーが影響する現実を無視できない時が何時か来るように考えられるのです。

 幻聴が起きやすい経絡循環は

1−右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証で左小腸経に虚証反応。
1の場合ではてんかん・高血圧・激しい偏頭痛となりやすい経絡バランスとなっています。経絡の処置としては左小腸経の天井穴(教科書では三焦経となっているが肘から上位部は三焦経と小腸経は逆転している)に皮内円皮鍼を処置して関連実証経絡へ瀉法の処置を行う必要があります。関連実証経絡は右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経に加えて右第二大腸経(示指尺側)や左第二胃経へも瀉法の処置を行います。これらの支配領域は小腸経=第二大腸経・膀胱経=第二胃経の関係にあるからです。

2−右手心経・左大腸経・右胃経・左大腸経が実証で右脾経に虚証反応。
2の場合では左足胃経の虚証が加わると精神的に不安定な状態となる傾向があります。足は関連経絡である右足胃経(実証)第2指と左足脾経(実証)第1指に出ています。この経絡が吻合する左脳に異常が生じているようです。このパターンは糖尿病の疾病時にも同じ反応が出ています。だからとてって幻聴と糖尿病とが関係あるわけではありません。大腸経の支配領域の中にあって疾病部位が異なっているのです。大腸経の支配領域は(歯、鼻、喉、脳、気管支、胃、膵臓、大腸、子宮)等と関係があります。


 症状としては首筋、後頭部が重く異常に緊張しています。聞こえる内容は「死ね」とか「お前は馬鹿だ」という具合に悪口がとても多い傾向があります。我々の治療の方法はまず聞こえることを否定せず認めていきます。それは異常な事だとたたみかけたら不安が大きくなり、不安は内分泌のバランスをも崩すことになっていきます。聞こえているのが事実だとして問診しなければなりません。聞こえるから病気だとする西洋医学の指導は、病気でない人間を病気に追いやっている位重罪なのです。
 「聞こえるのは不思議なことではありません、聞こえる人は大勢いらっしゃいます」「ただ意識レベルの低いエネルギーとチャンネルがあっているみたいですね」「自分の思っていることを先に言ってくれるでしょ」「あなたはそのような低い意識レベルで生きて行きたいですか」ほぼ全員が聞こえて来るような生き方はしたくないと答えます。
 

 治療は実証のみの緊張型の場合 右小腸経(小指)・左心経(小指)・右脾経(第一趾)・左膀胱経(第5指)・右第二大腸経(示指)・左第二胃経(第二趾)の指を回し揉みしたりレーザーポインターを各井穴に照射しても有効となります。2のパターンでは左大腸経(示指)、右心経(小指)、左肝・脾経(第1指)、右胃経(第2指)の経絡の滞りを解除する ために各指の回し揉みさらにレーザーポインターを井穴に照射すると有効となります。
 我々は独自で制作した気代謝誘導装置を使用し、両足の第1指と両足の第5指の指に、電子波を流した湿性綿花を固定し、手の左大腸経の第一関節と右心経の第一関節の指の腹に高周波の電極を持たせて気を誘導しています。すると身体内の過剰な気が手足や関節、眼球、疾病部位の体表部分からどんどん抜け出していきます。基本的には上(頭)から下(足)へと気が移動し足先の井穴から抜けていきます。身体から過剰な気が抜け全体の気のバランスが整っていくと幻聴は聞こえなくなっていきます。精神的にも落ち着いてきます。できれば安定剤等で身体を鈍らすことなく処置が施されればと願っています。自己管理としては上記の指を回し過剰な気を体外へ誘導し、常にリラックスした身体の環境を保つように指導すると改善が早くなります。
 次に上記の緊張型に左胃経の虚証が加わってきた症状ですが、これには強い不安感がつきまといます。身体的には頭が重たく、身体に怠い症状があり、他人が常に自分の悪口を言っていると感じています。赤ちゃんに対しても怖がったりします。治療としては左胃経の梁丘穴に皮内円皮鍼を施します。しかるのち上記実証の緊張経絡の過剰な電気を抜き取っていきます。すると次第に身体が楽になるに従って対人恐怖症的意識がなくなっていくのです。「赤ちゃんが怖い」等と聞いたら、普通でしたら「そんなことないよ」と一笑にふしてしまうでしょうが、本人にとっては重大な内容です。そのからくりを述べてみますと、こうした疾病になっている人は、外界の波動を受信する能力が人一倍敏感になっています。ですから常に不安を抱いている赤ちゃんの意識の状態を受信しているにもかかわらず、自分の意識だと勘違いしている現象なのです。なぜ不安な感情になるのかを説明して行くと納得して行くにつれ皆さん症状が軽くなっていきます。これらは特殊な現象です。そして身体内の虚実のバランスが整うに従って身体が軽くなり、次第に幻聴がなくなって行きます。これも特殊な例ですが患者の一人等は最初破壊的な内容ばかりが聞こえていましたが、現在では気が付かないことを教えてくれ、正しい指導をしてくれるので参考にしていると言っていました。最初はきつい安定剤を服用していましたが現在では自ら服用しなくても精神的に安定しているそうです。本来耳でしか聞くことが出来ないと規定している世界が20世紀の医学なのかもしれません。聞こえることを正しく受け止め研究していかなければ育とうとする新しい科学の芽を摘み取ることになります。古い学説や理論に則っても自然界の現象の不思議に出会ったらまず受け入れなければならないのです。

 

 

 

■疳の虫■

 質問
 
 たまに小児針をしてほしいというお母さんが、子供を連れて来院されます。本日は生後6ヶ月男の子で、癇が強くてよく泣くそうです。いつも腹部、脇の下、背筋等を小児針で擦ってあげているのですが、
こうした場合でも誘導しながらの治療はどのようにすればよいのでしょうか?

 返答

 癇が強い場合、子供自身が何処かに違和感を感じていることが多くあります。私共の処では一番子供と接している人物を治療します。意外と治ってしまうものです。何故なら子供は一番必要として接している時間が長い人の影響を受けて(気を受信して)鳴きたいくらいの違和感を感じていると解釈することが出来るからです。

 また赤ちゃんの気を誘導する方法は指揉みです。お母さんに抱いて貰い、お母さんの親指と人差し指で子供の各指を軽く揉んで貰い気の移動を確認する方法です。いたずらに強く回し揉みする必要はありません。各手足の有効ポイントを割り出して家で揉んで貰う指導を行うと良いと考えられます。また実証経絡が割り出せたら経絡に沿って小児鍼でこすれば著効となります。
 

 

 

 

 

 

 

■拒食症■

 

 ダイエットをきっかけで拒食症になる人がいたり、体調が優れずに食欲が低下する人がいたり、子供で月に一回くらい嘔吐して食事が取れない状態になったりします。産後に身体がこわばり食事が取れなくなった人もいます。これらの症状に共通する点は、最初は食事をしようとしても胃がムカムカしたり、食べたものをもどしたりして食べる気になれません。 そして何度も同じ状態を繰り返していると食べることに不安を抱くようになります。こうしたイメージが次第に強くなり食べることによる不快感より食べないでいる方を選択してしまいます。そして栄養失調症の状態になってもほとんど食べることができなくなります。拒食症の 数パーセントは飢えのために亡くなったりします。死には至らない場合でも、成長期の栄養失調はあとあとの障害につながります。拒食症は命にかかわる重大な病気と言えます。西洋医学では行動療法や精神療法を行っているようです。

 東洋医学での経絡診断。

 一般的にはストレスが取りざたされ原因がつかめず、栄養補給といった対症療法がなされています。ですが経絡診断においては一定の身体バランスの異常が確認されます。

 病証

 経絡診断では右大腸経or左肺経or左心経に虚証反応が出ています。右大腸経or左肺経に虚証が在る場合の実証経絡は右肺経・左大腸経・右胃経・左肝経となっています。まず右大腸経or左肺経に虚証があるかどうかの確認をして虚証があれば、まず虚証の処置を行い、しかる後、実証経絡へ瀉法の処置を行います。虚証が消えたらさらに右肺経・左大腸経を中心として実証経絡へ瀉法の処置を行います。 左心経に虚証反応が出ている場合の実証経絡は右心経・左小腸経・右膀胱経・左脾経となっています。

 

 症例
 K・N 女 13歳 拒食症となり3ヶ月間登校が出来なくなっている。 原因は月経が止まったので産婦人科を受診。ホルモン剤を処方されて体調が急に悪化する。以後、投薬は中止するも拒食状態が続いている。

@来院時の経絡診断では
右肺経・左大腸経・右胃経・左肝経に実証反応あり。左肺経に虚証反応在り。気を受信してみると右肝臓の下縁と胆嚢あたりに重たさが伝わってくる。血液検査異常なし。左肺経の孔最穴に虚証の処置として皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼して、実証経絡 、右肺経・左大腸経・右胃経・左肝経にへ瀉法の処置を施す。処置後、気分的には楽になり笑顔が出だす。少しは食べられるようになったが食事をすると吐き気等を感じる。

 初診より2週間後、3回目の治療を行う。虚証が消えて実証反応のみとなっている。右肩上がりで最大実証経絡が右肺経なので右肺経の孔最穴に針体が1.3ミリの円皮鍼を処置して揉んで貰う指導をする。各実証経絡の井穴にレーザーポインターを照射することと指を回し揉みして貰う指導を行う。3回目の治療後の5日後には登校できるようになる。だが食事の時は嘔吐する事が頭に浮かび少ししか食べられない。

A4回目経絡診断では右心経・左大腸経・右胃経・左脾経で左胃経に虚証反応が出る。処置は月経不順時に著効となる左胃経の外陵穴を取穴して皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する。一週間後の5回目の治療も同一の反応。よく食べられるようになり元気になったが気分にむらがある。

B6回目の経絡診断では右心包経・左三焦経・右胆経・左腎経が実証で右三焦経に虚証反応が出ている。処置は右三焦経の会宗穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する。体調が良くなり気分のむらも少なくなる。 不安神経症や過食症で出やすい経絡である。

C7回目の経絡診断では右肺経・左三焦経・右胆経・左肝経に実証反応。虚証反応無し。左肩上がりなので最大実証となっている右胆経の陽陵泉穴に円皮鍼を置鍼して揉む指導を行う。以後体調良好。

D8回目の経絡診断では右心経・左小腸経・右膀胱経・左脾経で左心経に虚証反応。イライラ感が時として出ていたが左心経に虚証の処置をしてそれらも改善する。 食事も難なく食べられるようになる。

 色んな経絡診断となっていますが月経のバランス。精神的に緊張し易い症状が複数の経絡に反映していたと考えられます。

E8回目の治療後、経絡診断が固定する。

 右心経・左小腸経・右膀胱経・左脾経に実証。右小腸経と左心経に虚証。
 
 上記経絡診断を整えるのに約2ヶ月間で治療回数3回。
 その後、以下の経絡診断へと移行する。
 

F右心包経・左小腸経・右膀胱経・左腎経に実証。右腎経に虚証反応。
 移行後、2ヶ月にて3年ぶりに月経があったと報告を受ける。

 本人の精神状態も安定し、本来の明るさを取り戻したと母親談。
 体調が良くとも右腎経に虚証があるので月一回の治療観察を続けた。

 月経も順調で3ヶ月後に完治したと判断し治療を終わる。

 
  

 

 

■過食症■

 

 神経性大食症(過食症)は、大量の食べものを短時間に次から次へと摂取し(むちゃ食い)、その後で食べたものを体から排除しようとする行為(排出行動)を繰り返し行うことが特徴です。

 神経性大食症は神経性無食欲症と同様に、遺伝的要因と社会的要因の双方が関与する障害で、社会的・経済的に中流以上の階層の、体形や体重をひどく気にしている若い女性が患者のほとんどを占めています。女子大学生が最もリスクの高い層とみられ、約2%に大食症がみられます。

症状

 神経性大食症の人は、比較的短い時間(しばしば2時間以内)のうちに大量の食べものを摂取する、むちゃ食いと呼ばれる行為を繰り返し行います。感情的なストレスがきっかけでむちゃ食いと排出のサイクルが始まることが多く、こうした行為は通常は隠れて行われます。むちゃ食いをする人には自制心を失っているという認識がありますが、空腹でなくても食べたり、腹痛が生じるまで食べ続けたりします。そして、むちゃ食いによる影響を打ち消そうとして、嘔吐や下剤などの手段を使って食べたものを排出したり、徹底したダイエットをしたり、過度の運動をしたりします。腹部膨満感があるといって利尿薬を飲む人もよくいます。しかし、神経性無食欲症と違って、神経性大食症の人の体重は正常体重の付近を上下する傾向があります。

 認知行動療法では、その人の考えの異常な部分を突き止め、そうした思考をやめるための治療を開始します。心理療法士の下で4〜5カ月間にわたって週に1〜2回、合計20回ほどのセッションを受けます。認知行動療法を受けた人の約3分の2でむちゃ食いの回数が減り、約3分の1がむちゃ食いをやめることに成功しています。この治療を受けた人は、少なくとも1年間はむちゃ食いの回数が減るか、そのような行動を一切しなくなります。

 抗うつ薬の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使った薬物療法は、認知行動療法と同程度の効果を示します。ただし、薬をやめるとむちゃ食いが再開します。 (メルクマニュアル)

 

 東洋医学での経絡診断

 神経性大食症(過食症)は遺伝的要因と社会的要因の双方が関与する障害で心因性に問題があると考えられています。ですが、経絡診断においては一定の経絡の支配領域上に異常が出てきています。右腎経の虚証反応です。経絡診断において経絡上に一定の反応が出ている場合は異常経絡が支配している組織に問題があることになります。なぜなら、経絡を循環しているエネルギーには細胞組織や臓腑の営みが反映しているからです。

 病証

 右心包経・左小腸経・右膀胱経・左腎経が実証で右膀胱経の表裏にあたる右腎経に虚証反応が出ています。右腎経の支配領域は胃の小彎部の右より部位や肝臓の門脈部位となっています。症状としては食べ物を身体が要求する衝動に誘導されて食べてしまうと言った方がよいようです。精神的なストレス等が原因として考えられているようですが、肉体的な組織の営みのアンバランスが先行していると考えられます。右腎経の経穴へ虚証の処置として皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼して実証経絡に瀉法の処置を行うと食べたいという衝動が治まっていくからです。

 症例

 M・N 女 34歳
 結婚をひかえ過食症を治したいと来院。来院時の証は右心包経・左三焦経・右胆経・左腎経に実証反応あり。加えて右心包経と表裏の関係にある右三焦経に虚証反応あり。虚証の経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置して実証経絡には瀉法の処置を施す。初回の治療にて身体が気分的に楽になってくる。一週間後の2回目の経絡診断では証が変わり右心包経・左小腸経・右膀胱経・左腎経に実証反応となっている。右腎経に虚証反応があり右太谿穴に皮内円皮鍼を処置して実証経絡へ瀉法の処置を加える。一週間後2回目の治療を行う。右腎経に虚証の処置を行った後は身体がむやみに食べ物を要求しなくなってきたと言う。その後3回治療を行うが経絡診断は同じ右腎経の虚証反応。5回の治療にて完治する。

 ※右腎経に虚証反応が在る場合には「過食気味ですか?」と聞いてみるとよい。70〜80%位は「そうかもしれない」との答えが返ってくる。右腎経に虚証反応が在る場合、膀胱炎や右腎炎や子宮筋腫や胃の小彎部の右寄りに潰瘍等の疾病が在ることあり。 

 

 

■目眩■

 

 自律神経障害とは、急に脈が早くなったり冷や汗が出たり、血圧が上下したり、普段意識してないときに症状が病的に突然でる状態を言います。特に女性は女性ホルモンの動向と関係があると言われ、生理がはじまる前後の思春期、妊娠とか産後、閉経期の女性も突然動悸が打ったり、冷や汗、のぼせ、血圧の激しい変動また眠れなくなるなど、検査などではほとんど何ともないのに、不随意にこういう症状が出ます。

 また、めまい、難聴、耳なりを繰り返す疾患として特に原因不明のめまいをメニエルとかメニエル症候群といいます。 

 起立性低血圧や貧血による立ちくらみ等もありますが、これらは目眩とは区別すべきかもしれません。

 東洋医学における経絡診断では内分泌との関係で目眩が発生する経絡アンバランス、身体の前後におけるエネルギーの経絡アンバランス、内耳との関係での経絡アンバランス等が確認できます。

  更年期障害等で見られるのは、寝た状態より起きあがろうとするとグラーッと目眩がして起きあがることができない病態があります。経絡診断では右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経に実証が出ていて、右小腸経と表裏で接続している右心経に虚証反応が出ている傾向があります。心経は脳下垂体と関係が深く更年期障害では必ずチェックしなければならない経絡となります。

 処置は右心経の霊道穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼して各実証経絡へ瀉法の処置を行うと簡単に改善していきます。

 心経でも右と左では症状が異なってきます。
 右心経に虚証がある場合に於ける実証が右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経であるのに対して左心経に虚証がある場合に於ける実証が右心経・左小腸経・右膀胱経・左脾経となります。

 経絡はそれぞれに独立した支配領域を持っていますから右心経の虚証と左心経の虚証では異なる組織にアンバランスが発生しているわけです。

 それ故、左心経に虚証反応が出ている目眩では常に不安感が伴います。また、不安神経症になっている人にも左心経の虚証が出ています。

 左心経に極端な実証反応が在っても目眩を伴うことがあり、不安感が出やすく精神的な緊張状態となる傾向が見られます。実証反応の場合には左心経の霊道穴に円皮鍼(針体が1,3_くらいあり、刺入して使用)を置鍼して揉んで貰う指導を行います。左心経に実証反応があり虚証が無い場合では関連実証経絡は右小腸経・左膀胱経・右脾経となり各経絡へ瀉法の処置を施すと目眩や不安緊張状態が改善していきます。

 メニエル症候群に関しては内耳の器質的疾患が影響しているとされていますが。内耳に問題が在る場合の経絡診断は左耳であれば右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証で左心経と表裏の関係にある左小腸経に虚証反応が出ています。左内耳に異常が在る場合には、これらの反応に加えて、右胃経にも虚証反応が出ています。左小腸経と左胃経とでは十二経絡循環においては脈絡が無い関係になっていますが、中耳や内耳部位が左小腸経と左胃経とが吻合している支配領域となっていることにより脈絡のない虚証反応となっています。治療穴は耳前にある聴宮穴への皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置します。処置により内耳、中耳は急速に改善します。目眩イクオールメニエル症候群と考えられやすい傾向がありますが、目眩の改善において意外と少ない症例のようです。

 中耳炎等は2〜3週間位で完治します。さらに、オールシーズン朝クシャミが出て鼻詰まりを引き起こすアレルギー性鼻炎も上記反応が出ていれば聴宮穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)をすると瞬時に鼻詰まりが取れてアレルギー性鼻炎も1〜2週間くらいで完治していきます。

 目眩が発生している経絡バランスを総合的に判断するとメニエル症候群と診断されている患者さんにおいても内耳異常が原因で目眩や耳鳴りが発生していると言うより、内耳と関係のない経絡の操作にて改善している傾向が多々あります。

 次に、目眩でよく出ている他の経絡バランスは任脈と督脈とのアンバランスがあります。督脈は膀胱経と接続しています。任脈は腎経と接続しています。こうした環境は腎経と膀胱経においてエネルギーの過不足の差が大きくなると前後のアンバランスが生じ目眩が発生したりします。

 経絡診断では両側の腎経に虚証反応が出て、膀胱経とのエネルギー差が大きい場合。単に片側の腎経or膀胱経に虚証があり前後のバランスが崩れている場合等に目眩が発生します。処置は腎経と膀胱経のアンバランスを是正すると目眩は改善します。

 その他、目眩では無いが頭がグラグラする症状では右三焦経の虚証があります。不安神経症、対人恐怖症等の症状を訴える患者さんに多い傾向があります。

 また、歩いていて右に次第に寄って歩き出したり、逆に左に寄って歩き出したりして、頭が痛い場合は脳梗塞や脳溢血の可能性があり、痛みは無いがクラクラする場合ではBell麻痺の可能性があります。

 

 

■突発性難聴■

 

 西洋医学的見解としては明らかな原因がなく(原因不明)、突然に難聴をきたす病気です。
典型的な症状は、ある日突然、片方の耳が聞こえなくなり、耳鳴りもあり、激しいめまいがすることもあり、めまいは2、3日で消えてしまいますが、難聴と耳鳴りが続きます。
突発性難聴の何割か、特に軽症のものは自然に治るといわれていますが、聴力回復が期待できるのは発症後約一ヶ月以内で、それ以後は回復が望めない場合が多いので、できるだけ早期に治療を開始することが望ましいと考えられています。
 突発性難聴の治療として、高度難聴の場合は、入院治療となり、軽症から中等度の場合は外来通院しながら、薬物治療がなされます。薬物治療はステロイドホルモン剤とビタミン剤を内服し、聴力の改善状況を検査しながら、ステロイド剤は徐々に減量していく方法しかありません。

 

 この突発性難聴及び耳鳴り、音が割れて聞き取りにくい症状に於ける経絡診断は膀胱経の虚証反応が顕著です。例えば左突発性難聴では左膀胱経に虚証反応が出ています。実証反応は右心包経・左小腸経・第二大腸経・右膀胱経・右第二胃経・左腎経となります。処置としては左腎経と表裏の関係にある左膀胱経の経穴の一穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼します。置鍼と同時に何らかの変化が起きます。例えば耳鳴りが急に小さくなったり、音が割れて聞き取りにくかったのに割れなくなり聞き取りやすくなったりします。当然、虚証の処置に加えて実証領域への瀉法の処置にて難聴も改善し出します。

 

 

 


 

■耳鳴り■

 

西洋医学においては急性中耳炎や慢性中耳炎,耳硬化症や耳小骨奇形による難聴 (伝音性難聴) は,聴力の回復が可能であり,聴力が正常まで治れば耳鳴りは消失することが多いとされている。しかし内耳や聴神経の障害による難聴 (感音性難聴) の多くは,いまのところ西洋医学では耳鳴りを止める決定的方法がない。そして耳鳴りに影響すると考えられる他の因子に働きかける治療が行われている。心理面の影響が大きいと考えられる場合には精神安定剤の投与,動脈硬化や高血圧による血液の流れの異常が考えられる場合には血流改善剤の投与といった方法である。また内耳の状態に変化を与える目的で局所麻酔剤を中耳に入れる方法も行われている。雑音を発生させる補聴器と同じ形の器械をつけて、耳鳴りを聞こえないようにする方法も使われている。これらの方法で耳鳴りが小さくならない場合には諦めるしかない, 

では東洋医学に於ける耳鳴りの改善治療を述べてみたい。ただ今から述べる耳鳴りの改善例は未だ西洋医学では認知されない経絡を運行するエネルギー操作により可能となった症例となっています。

 

1−K・M 22歳 女 。

主訴*リンパ節炎・両側耳鳴り。 

平成14年二月終わりから37。2度の微熱が続き、時を同じくして突然右耳が聞こえなくなる。耳鳴りは高い音がする。週一回病院へ通院。薬服用。他に腰痛や背部痛もある。四ヶ月間の加療で変化が見られなかった。
改善しないので6月29日に当院へ来院。気の受信による経絡診断では右肩上がりで、右大腸経・左心経・右脾経・左胃経の実証。

さらに皮膚電気抵抗器による井穴測定を行うと、左胃経と表裏の関係にある左脾経に電気抵抗が低く電気が流れやすい虚証の反応あり。

処置は左脾経の地機穴、若しくは商丘穴へ皮内円皮鍼(皮内鍼)を施し、左脾経と表裏の関係にある左胃経・上下の関係にある左心経・左右の関係にある右脾経・対角の関係にある右大腸経に対し毫鍼で瀉法の処置を行う。加えて自宅での自己管理として右大腸経(右人差し指)・左心経(左小指)・右脾経(右第一趾)・左胃経(左第二趾)の指の回し揉みを宿題とした。

経過・週1回の治療。一回目の治療で左商丘穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置すると、腰痛は改善され、かつ左の耳鳴りは消えてしまい、右の耳鳴りだけとなる。三回目の治療後に、腰痛、背部痛消失。耳鳴りも全く気にならなくなった。

微熱は治療の度に下がって行き、その後、月1回の同一の治療にて4回目にして正常となった。経絡の井穴測定で皮膚電気抵抗値も正常となった。この左脾経は腸とも関係が深いが脾臓を最大の支配領域としている。アトピー等の疾患もこの様な経絡のアンバランスが出てきていることが多い。

 

2−T・J 47歳 女

主訴・難聴、耳鳴り。不安感、不眠、食欲不振。 

 耳鳴りが発症して病院へ通院。そして幾つかの治療を試みてみたが改善せず。新しい治療を試みる度に失望し、不安感がつのるようになり、夜も寝られなくなり、最後には安定剤が処方されてしまった。 

 経絡診断では左肩上がりで右大腸経・左心経・右脾経・左胃経の実証。左脾経に虚証があった。1のリンパ節炎と耳鳴りで来院した患者さんと同じ診断となった。処置は左商丘穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼。置鍼と同時に音が小さくなったと言う。確かに耳鳴り全ての症例で置鍼と同時に音が小さくなるようである。1週間に1度の治療。5週目には日中の耳鳴りは全くしなくなり、夜かすかに耳鳴りが確認できる程度となる。

特筆すべきは耳鳴りがする患者さんの全てに鼻と口を押さえて貰い、耳から空気を抜いて貰うと、耳鳴りのする側の空気が抜けないことが解った。よく水中に潜水する時や山に登る時、気圧の変化で耳に圧が加わるので、唾液を飲み込む動作をすると、圧抜きが出来て、気圧の変化に順応出来るのだが、耳鳴りがする人はこの圧抜きが出来ない。こうした病態を持っていると飛行機や山登り等で体調を壊しやすいと言う続発疾病を併発しやすくなるようです。

 

3−Y・O 33歳 男

主訴・右耳鳴り。

 経絡診断では左肩上がりで右大腸経、左心経、右脾経、左胃経に実証反応があり、虚証反応は無い。最大実証である右脾経の商丘穴に円皮鍼(1ミリ程度刺入する)を置鍼。このツボ出しを皮膚電気抵抗器で行っている途中から次第に耳鳴りが小さくなってきていると言う。円皮鍼を皮膚電気抵抗器で通電して焼いて出した右商丘穴に刺入して揉んでいるとさらに小さくなった。週1回の治療を行い、3回で完治した。

 

4−K・I 37歳 女

主訴・胃痛、四肢のしびれ、背中や腰の凝り、冷え性、耳鳴り。 

 経絡診断では右肩上がりで右大腸経、左心経、右脾経、左胃経に実証反応があり、虚証反応は無い。処置は各自治省経絡に対して瀉法の処置を行う。各経絡に毫鍼を30秒ずつ捻鍼すると胃痛や背中と腰の凝りが取れてきた。四肢のしびれも冷えも軽くなる。加えて最大実証経絡である左鶴頂穴に円皮鍼(1ミリ程度刺入する)を置鍼。自宅で揉む指導をする。一週間間隔で7回治療。実証経絡に変動は無い。治療の回を重ねる毎に主訴が改善した。耳鳴りに関しては体調が良くなるに従って小さくなり、最終的には消失した。以後、予防治療として時折来院。 

選穴は皮膚電気抵抗器でツボを焼いて出すと1センチ四方に1個〜数個出てくる。その中で術者にとって一番頭がスッキリして開放感があるツボを選ぶ。そして経穴にヒットすると耳鳴りもその場で小さくなり、開放感と気の下降感がハッキリした感覚として感じ取ることが出来る。その1ミリ程度焼けたポイントに円皮鍼の針尖を刺入してテープで固定する。

実証経絡は井穴測定では皮膚電気抵抗が高く電気が流れにくい値として計測される。この様な経絡の支配領域では組織の営みが鈍く働きが悪くなっていと読みとらなければならない。円皮鍼はこれらの働きが鈍っている支配領域を活性化する目的で使用する。また一穴の処置にてその経絡の支配領域全てに影響が及び他の経絡との関係で、気の過不足が是正される事になる。こうした操作により身体内に於ける気の均衡を促すと、細胞組織が正しい営みを取り戻すことになります。組織細胞の営みや機能と気の流れや気の容量が等しい関係にあれば当然の結果なのです。

 経絡は存在しています。右耳鳴りが右足首の経穴へ処置を行うだけで改善してしまう。耳の周囲の組織ばかり研究している人はどのように説明するのでしょうか。こうした領域は東洋医学の経絡理論では説明できます。いい加減とされてきた東洋医学の本質が顕微鏡下の研究医学で説明できない領域で結果が出せるのです。全ての結果には法則があります。形の中に内在しているエネルギーの質を東洋医学では問題としています。これこそが古いようでありながら、これからの時代に最も研究されなければならない人類に残された領域なのです。

 

 東洋医学に「腎は耳なり」なる考え方があります。ですが今まで述べた耳鳴りの治療では腎経が出てきません。経験の医学である東洋医学なのにどうしてと思われたかもしれません。それではこれから腎経との関係での耳鳴りを述べることとします。

 

5−K・Y 24歳 女

主訴・左耳難聴、左耳鳴り。 

 経絡診断では左肩上がりで実証経絡が右心包経、左小腸経、右膀胱経、左腎経となっていて、右膀胱経と表裏(陰陽)の関係にある右腎経に虚証反応が皮膚電気抵抗器の井穴測定にて確認された。処置は右腎経上の築賓穴へ皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼。さらに実証経絡の支配領域に瀉法の処置を施した。治療後左耳の難聴が改善さらに耳鳴りも消失してしまった。

 だが虚証反応に対する皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置は、損傷電位を正常電位に変換したからと言っても、一時的に矯正しているに過ぎず、右腎経の支配領域の組織が正常に機能しだす迄、電気抵抗の値は変わりません。何故なら組織の営みと気の容量が等しいからに他なりません。

 K・Yさんの虚証反応は6ヶ月間あり、6ヶ月で完治しました。つまり6ヶ月間、皮内円皮鍼(皮内鍼)を貼り続けて右腎経の支配領域内の組織が正常に機能し出したことになります。 

 上記疾患における右腎経の虚証反応は皮膚電気抵抗器にて井穴を計測して決定します。電気抵抗が低く電気が流れやすい値が虚証反応となり。この虚証反応が確認された経絡に対する処置は皮内円皮鍼(皮内鍼)が有効となります。皮膚に接触したり表皮と真皮の間に針尖が在ればよいとするだけの処置を行う皮内円皮鍼(皮内鍼)の作用は電極として身体に作用して、損傷電位を正常電位に変換するように作用するのです。また一経に一個の皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置すると同一経絡の支配領域全てに影響しますが、せっかく正常電位に変換したにもかかわらず、同一経絡にもう一個皮内円皮鍼(皮内鍼)を重ねて使用すると元の木阿弥となり効果が相殺して治療前の状態に戻ってしまいます。同一経絡内に磁石を貼っても同一の結果となります。つまり経絡内を運行するエネルギーは電気的性質を持っているエネルギーなのです。

良導絡治療なるものが医師の間にも普及していたようですが、自律神経が興奮しているので興奮を沈めるために瀉法の処置を施すと言う考えは明らかに間違っているようです。全く逆の処置が必要となります。

 

5−症例 K・M 65歳 男

主訴 突発性難聴(左) 目眩。 

 経絡診断では左肩上がりで実証経絡は右心包経、左小腸経、右膀胱経、左腎経となり、右膀胱経と表裏の関係にある右腎経に虚証反応。処置は虚証となっている右腎経の太谿穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)。しかる後各実証経絡へ瀉法の処置を行った。6の症例と同じ経絡診断であった。最初の治療にて首筋の緊張が改善し、1週間後の来院時、目眩が少なくなっていたが目眩が起きそうな感覚が残っていた。難聴に変化は感じられなかった。さらに1週間後の治療で目眩は完全に消失。難聴も本人曰く「かすかだが聞こえだした」との報告。さらに2週間後の来院時には首筋の凝と目眩は改善したのと併せて。難聴も明らかに改善されて右の耳より僅かに聞こえにくい程度となった。その後2週間間隔の治療にて3ヶ月目に至り、耳鼻科の検査にて完治しているとの報告を得た。 

4と5は腎経と膀胱経の支配領域に問題があった症例で、左耳鳴り側の経絡に主要因が無く、反対側の右腎経に虚証反応が認められ、虚証反応が正常値(井穴測定)となるにしたがって改善を見た。考えようによっては左腎経の実が最大要因と考えられやすいが、左肩上がりの場合、実証経絡に毫鍼の処置を行うと気の移動は左上肢より右下肢へと移動しやすくなっている。それ故、最大実証経絡は右膀胱経となり、左腎経に対する瀉法の処置より右膀胱経に対する瀉法の処置の方が身体全体の気の下降感と開放感が顕著であった。

 

6−M・I 58歳 男

主訴 右難聴、右耳鳴り。

 経絡診断では左肩上がりで右小腸経、左心包経、右腎経、左膀胱経に実証反応。処置は虚証が無かったので左肩上がりを考慮して最大実証経絡である右腎経の太谿穴に円皮鍼(針体1.3ミリ)を置鍼した。さらに各実証経絡に対して瀉法の手技を行う。置鍼と同時に耳鳴りが少し小さくなった。自宅にて円皮鍼を1日3回3分程度揉む指導を行う。加えて各実証経絡が支配している指を回し揉みして貰った。1〜2週間に一度の治療にて6ヶ月間行い、耳鳴りは気にならなくなった。聴力に関しては大きな変化が見られなかった。剣道の指導者で耳を強打することが多く、それが原因ではないかと本人談。 

 耳鳴りには聞こえるが中耳炎等が原因で内耳の腫れと共に耳鳴りがするパターンと難聴になることで耳鳴りが発生するパターンには全く異なる経絡異常パターンが確認されました。 

経絡は存在しています。また経絡内を運行するエネルギーは組織細胞と等しい関係にあることを理解する必要があります。何故なら、同じような疾患には同じような経絡のアンバランスが出現しているからです。そこには法則性と再現性が認められるのです。

 

 

■顔面痙攣、眼瞼痙攣■

 

 顔面痙攣,眼瞼痙攣は自分の意志で弛緩することのできない筋緊張の増加と筋短縮で,大脳皮質から脊髄,末梢神経および筋肉に至る種々の病変によって生ずるため,詳細な問診と診察により臨床像を明らかにするとともに,脳波,筋電図を含む適切な検査によって診断することが必要とされています。なお抗痙攣剤等が使用されたりしますが、種々の副作用があり,注意深く投与しなければならないと言われています。また処置として 痛みを中枢神経に伝える神経経路の一部を局所麻酔薬で一時的に麻痺させたりする神経ブロック法等が施される傾向があります。このように西洋医学では痙攣等をその組織が支配している神経系統の処置にて問題解決しようとする傾向が見られるようです。ですが物理的圧迫等ならいざ知らす、痛み、麻痺、痙攣等の発生原因が解明できない領域がほとんどのように見受けられます。そして顔面痙攣,眼瞼痙攣等に対し神経ブロック法がなされてもあまり好結果が認められないようです。

 顔面痙攣に対し東洋医学の経絡理論より説明すると以下のようになります。ですがこの経絡自体の支配領域も完全に解明されているわけではありません。ですが一定の支配領域を持ち、その支配領域のエネルギーを変化させる方法により簡単に上記疾患を改善することが可能な世界があります。

  経絡上における支配領域の異常は右手大腸経(人差指)、左心経(小指)、右脾経(第一趾)、左胃経(第二趾)の実証反応として出やすくなっています。アンバランスの比率は手三割、足七割です。東洋医学的処置としては実証経絡の支配領域に対し豪鍼や灸を施せば改善する経過を辿りますが、一穴の取穴にての誘導は右肩上がりだと左胃経(第二趾)の梁丘穴(膝蓋骨の中央直上二横指)に一ミリ程度の円皮鍼を施鍼して、毎日一分以上数回揉んで貰うと有効となります。左肩上がりだと右足脾経(第一趾)の地機穴へ円皮鍼を置鍼して同じ操作をして貰います。次第に顔面痙攣が治まって行きます。

  眼瞼痙攣は眼瞼下垂となる症状を現します。この疾病での経絡異常は肝経と胆経とに実証反応が出ています。右の肝経が実証経絡なら左の実証経絡は胆経となります。

 

■顎関節症と経絡操作の不思議■


 東洋医学の経絡を理解して頂く為に経絡操作の一症例を述べてみたいと思います。経絡のエネルギーを動かすだけでこんなことが起きます。「顎関節症」で説明致します。

 左肩上がりで右顎関節症の場合。比較的多く出ている経絡上のアンバランスは手では右手大腸経(人差し指)、左手心経(小指)で足は右足脾経(右第一趾)、左足胃経(左第二趾)に実証反応が出やすくなります。実証反応とは経絡の支配領域にエネルギーが過剰になっていることを意味します。治療としては左肩上がりの場合ですから、気のエネルギーの流れが左手より右足の方へ移動する確率が7割、左足へは3割程度移動する変化を起こします。処置としては気が移動し多く流れ込む右足脾経の経穴に円皮鍼(0.7ミリ位身体内に刺入しておき体表で固定する鍼)を置鍼をして日々揉んでもらうと右顎関節症は完治する経過を辿ります。こうした現象は経絡理論を勉強していなければ理解しにくい内容かも知れません。ですが経絡を運行するエネルギーの存在を理解する上で重要です。

 顎関節症の女性。右地機穴へ円皮鍼を置鍼して鍼の上から揉んで行きますと、下顎骨が右へ移動しだします。地機穴は足にあるのですが、足と大分離れている下顎骨が動き出す等とは想像しにくいと考えられます。また左心経の手首の経穴へ豪鍼を捻針すると下顎骨が前面に出て来ます。左手首と下顎骨は当然離れています。(症例 N・K 女性 32歳)
 

 経絡のエネルギーの過不足を調整しバランスを取るだけで組織に変化が起きることを皆さんはどうお考えでしょうか。どうしてこのような現象が起きるのでしょうか? 

 現在歯科医において顎関節症に対し色々な処置がなされているようですが、疾病を固定した基準で考える処置の検討は20世紀の処置となって行くのではないでしょうか。例えばマウスピース療法もその一つと考えられます。一見噛み合わせのバランスをとるようでも、かえって異物が挟まったようで気分が悪くなる確率が高いのではないかと考えられるのです。


 
経絡のアンバランスを調整していくと歯槽膿漏や顎関節症は治癒する経過を辿ります。また逆に反対咬合等の噛み合わせを矯正すると脊椎の歪みが改善されたり、精神障害が改善されたりするケースもあります。研究が必要な領域です。

 

■歯と経絡の関係■

   歯と関連付けて鍼灸治療を行う場合、歯に疾病の原因があるのではと最初から考えるのは反対咬合でしょうか。反対咬合部位に圧が加わり過ぎ左右の奥歯のどちらかが完全に咬めなかったりするケースでは、精神が不安定になったり、胃腸障害が発生しやすかったり、側弯症のように脊椎に歪みを引き起こさせたりする傾向が観察されます。経絡的に述べると反対咬合になりやすいのは中心より1〜4歯が多く下顎では腎経と胃経とが関連し、上顎では膀胱経と大腸経とが関連しているようです。また反対咬合がどの部位にあっても咬筋の緊張のバランスが頸椎の1番2番に影響し、この経穴は督脈上に在りますが心経と繋がっているポイントとなっています。と言うことは腎経、胃経、膀胱経、大腸経の支配領域で起きた緊張が関係のない心経の異常を引き起こすことになったりするのです。ですから反対咬合で来院される患者さんの気の流れはめまぐるしく変化したりします。
 次に奥歯の7番8番は三焦経と接続しているようです。かぶせた歯がうずく時、歯槽膿漏であれ三焦経の過不足を調整すると改善して行きます。特にかぶせて神経を除去しているにもかかわらず疼き出す場合は関連経絡の気の過不足を調整すると鎮痛してしまいます。このような場合は身体の臓腑の疾病が原因で歯に及んでいると考えなければならない症例となります。経絡操作を行い身体の気の流れを整え臓腑の営みを改善していくと関連痛としての歯痛はなくなります。
 また痛みだけを簡単に取りたい時は、手足にある各経絡の井穴部分(爪の生え際)に対し指先で圧を加えて行くと何処かのポイントで痛みが和らぐのを探し出す事が出来ます。当然素人でも簡単に探し出すことが出来ますので、圧を加えて歯痛が和らぐ指が解ったらその指を回し揉みすると、歯に溜まっている過剰な気が移動し、経絡間の電位差より来る緊張を解除して痛みを取ることが出来ます。
 このように見ていきますと各歯で食物を噛む圧はとても重要な役割を担っていることが解って来ます。ですから歯の矯正で抜歯する方法は出来るだけ避けた方が良いかと考えられます。何故なら歯髄は経絡的に内臓臓腑と関連していますから、歯髄に対し均等な圧が加わるかどうかで将来の健康が左右されるであろうことが見えてくるような気がします。乳児がお乳を飲む行為が脳の発達を促すように。


 

 

■寝違い■

 俗に言う寝違いは肩から頸部にかけての筋群の炎症等により可動性をなくし首が回旋できなくなる状態をいいます。

  寝違いが起きやすいパターンを臨床経験より判断 しますと、急に冷えたりした時や風邪を引いて症状が落ち着いてきた頃に発生している傾向が見受けられます。風邪を引くと、扁桃腺が腫れて熱が出たりします。熱が発生すると身体内の氣は風呂に入ったときのように身体を激しく循環します。いわゆる外邪と戦うわけです。そして次第に風邪が治まってくると身体内の氣の循環も本来の流れに戻っていきますが、このような環境において (肺経・大腸経)・(心経・小腸経)・(腎経・膀胱経)の支配領域に氣の滞りが体質的に存在していると、 経絡間にエネルギーの過不足が発生して筋組織に異常緊張が発生します。

@ 足が冷えやすい人に起こりやすい寝違いは腎経と膀胱経に緊張があります。冷え症における経絡異常の最も多いのは腎経と膀胱経のアンバランスです。他内臓臓腑の異常により気が足へ循環しなくなるケースもあります。病証的には後者が重症となっている傾向があります。以下は腎経・膀胱経のアンバランスによる寝違いとなっています。

 症例:26歳(女)
 風邪が治まって一週間後に寝違いとなる。右小腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経が実証で左腎経に虚証反応。左腎経の太谿穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置。その後実証経絡に瀉法の処置。5日後に完治。

A 扁桃腺との因果関係がある寝違いでは(大腸経と肺経)若しくは(大腸経と 心経)に緊張の病証があります。

1−大腸経+肺経+肝経+胃経
2−大腸経+心経+脾経+胃経

 全ての場合に言えますが、虚証経絡があると実証としての経絡異常を二次的に発生させることとなります。こうした理由によりまず虚証経絡の有無を確認して虚証経絡の処置を行った後、実証経絡の処置を行います。虚証経絡の処置は皮内円皮鍼(皮内鍼)となり原則として身体に一個の処置となります。1では左右が陰陽(表裏)となっている右肺経と左大腸経に虚証の可能性があります。2では右胃経と左脾経に虚証可能性があります。

B 疼きを伴う寝違いでは心経に虚証反応が出ています。以下では2がそれにあたり、右小腸経と陰陽の関係にある右心経に虚証反応が確認できます。処置は右心経の経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置します。疼きは処置と同時に解消します。当然、左心経に虚証反応がある経絡バランスもあります。以下とは逆の実証反応です。
 

1−右小腸経+左心包経+右腎経+左膀胱経
2−右小腸経+左心経+右脾経+左膀胱経

 症例:50歳(男)
 少しずつ疼きと共に寝違い症状となってきた。現在糖尿病でA1cは8.2。経絡診断では右心経・左小腸経・右膀胱経・左脾経に実証反応があり、左心経に虚証反応がある。左霊道穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する。疼きは80%位改善。二週間後には左胃経に虚証反応が出る。左解谿穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置。さらに二週間後には疼きと寝違い症状がほぼ改善する。しかし首の奥に凝りがある。再度、左心経に虚証反応が確認されたので左心経に虚証の処置を行う。この治療の間にヘモグロビンA1cが6.7に下がる。継続治療が必要。  

 

 

■臭覚障害■



 
7月末感冒に罹患。その後臭いを感じなくなってしまいました。普通の風邪の時、鼻が詰まると何時も2,3日は臭いがしなくなるので油断をしていました。今回は長いなと思い病院へ行ったのが一ヶ月経ってからだったものですから色々治療をして頂いているのですがいっこうに回復の兆しが見えません。耳鼻科の先生によるとウイルスが臭覚神経を破壊し難しいように言われています。先生のご経験で何か良い治療法でもあれば一度ご相談がてら来院致したいと思いますが如何でしょうか?生年月日は、S.22年3月1日。(Y・M)女です。

 異常経絡はどちらかの大腸経(人差し指)で実証反応が出ています。実証反応とは組織の営みが緩慢となり機能低下している領域を言います。もし右人差し指と関係が深い場合はコレステロール値が高くなりやすかったり、血圧が高くなりやすかったりして、胃腸が弱かったりします。そして脂肪肝傾向が内在している可能性があります。左人差し指と関係が深い場合は喉が渇いたり、十二指腸や大腸が弱かったりします。糖尿になりやすい環境となります。
但し、大腸経の実証反応が発生するには接続経絡に虚証が在るかどうかが治療の重要ポイントとなります。大腸経と接続している経絡は上下の関係では胃経が接続しています。表裏の関係では肺経が接続しています。この胃経や肺経に虚証反応が認められる時は大腸経の実証度が大きくなっています。まず虚証を改善しておく必要があります。

 M・K 女 68歳 臭覚障害
 当初右大腸経・左心経・右脾経・左胃経の実証で右胃経に虚証反応あり。右胃経の解谿穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置して各実証経絡に瀉法の処置。次に右大腸経・左肺経・右肝経・左胃経に実証反応が出て、右肺経に虚証反応。右肺経の孔最穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置。1ヶ月半位で臭いを感じるようになる。 

 素人で改善する方法を述べますと、首を後屈してみると窮屈で痛く感じます。そこでまず両方の人差し指を数分ずつ回し揉みしてみます。どちらの指を回し揉みした方が後屈が楽になるかを確認します。楽になる指が決まったら、反対の指は親指か小指が有効となります。また右人差し指が有効とした場合、足は右第一趾と左第二趾が有効となります。 左人差し指が有効な場合上記の逆となります。以上の身体が軽くなる各指を毎日一分以上ずつ数回、回し揉みしてみてください。改善します。加えて小鼻の横を寝る前に一分以上マッサージしてください。さらに早く経過します。疾病に対する考え方としては臭覚異常は枝葉に過ぎず体質的に働きが悪い領域が元々あると考えた方が賢明です。 上記は実証のみでの改善方法となります。

 

■腎結石■


 尿路にみられる腎結石,尿管結石,膀胱結石,尿道結石における通過障害時の痛みに対する鎮痛経絡を述べてみることとします。

1、第一段階として。
腎結石が腎臓内で動き出し腎臓そのものに熱が生じる段階では炎症腎臓と同側の胆経、肝経若しくは膀胱経かのどれかに虚証反応が出ています。その中の一番電気抵抗が低い経絡を割り出し処置を施します。
胆経が虚証の場合志室穴の一穴へ皮内鍼を置鍼。
肝経が虚証の場合足の曲泉穴の一穴へ皮内鍼を置鍼。
膀胱経が虚証の場合には十二肋骨先端の京門穴へ皮内鍼を置鍼。
反応がある一経のみの置鍼で腎機能が活発になり排泄作用が活発になります。痛みは置鍼と同時に鎮痛します。鎮痛しない場合は経穴の選択が間違っています。

2、第二段階として。
腎臓より出た結石は尿管に通過障害の激痛を伴いながら移動していきます。この段階では1の処置では痛みが取れなくなってきます。次は胃経に虚証反応が出て来ます。そうしたら胃経の外陵穴へ皮内鍼を置鍼します。瞬時に鎮痛します。

3、第三段階として。
さらに結石が膀胱へ近づくと胃経の虚証反応が消えて、腎経に虚証反応が出てきます。この段階では2の処置では痛みが取れなくなってきます。次には腎経の四満穴若しくは膀胱と関係が深い大赫穴へ皮内鍼を置鍼すると瞬時に鎮痛します。

3の段階を過ぎ膀胱結石まで至りさらに尿路結石になっても3の処置で鎮痛し、あえて任脈の中極穴への皮内鍼を置鍼せずとも知らない内に便器へコチンと排泄されてしまうものです。

このように腎臓結石の変動が尿管結石,膀胱結石,尿道結石と移動する経緯に比例して経絡中にエネルギーの変動が起きる現実があります。その経絡の変化を読みとることにより全く無痛で腎臓結石を排出させることが出来たりします。

さらに述べておきますが、1の段階で肝経、胆経、膀胱経のどの経絡に虚証反応が認められたかで、腎臓結石を再度発生させない予防的処置を行うことが出来たりします。