■右脳梗塞、左半身麻痺■

 

 右脳梗塞が発生すると左上下肢麻痺及び左運動障害(片麻痺歩行)、
 構語障害等が出現します。

  経絡診断

右手三焦経・右足肝経と脾経、左手心経・左足胆経と胃経}全て実証経絡
{脳溢血を発症する前の体調:
麻痺側の左三焦経or左肝経or左脾経に虚証の可能性があります }
 

 上記経絡診断は右脳梗塞となった場合の異常経絡です。経絡上に実証としての氣の滞り(帯電)が発生しています。脳梗塞により細胞の働きが低下し、それに比例して身体内おいては一定の支配領域内の電気(氣)が流れにくくなっています。手の支配領域では本来脈絡が無いにもかかわらず右三焦経と左心経の支配領域とが交差して発症している病態となっています。足では右肝経と右脾経、左胆経と左胃経に影響が出ています。そして隣接する他の経絡間とに極端な電荷の差異による緊張が生じて片麻痺、運動障害、構語障害等が発生しています。梗塞の部位が正中より右にあれば必ずこのようなパターンで出現するのです。こうした梗塞による異常経絡の出現は梗塞になったから発生したのですが、かなり以前より梗塞を起こしやすい環境になっていたと言う方が妥当します。未然に予防することが出来なかった医療の現実を反省すべきかも知れません。今までの医療は脳梗塞や脳内出血をおこして初めて疾病として対処する医療となっています。21世紀では壊れて初めて解る医療を終わりたいものです。

 脳梗塞ではない脳内出血を引き起こすとその影響は脳梗塞と同じ経絡診断となり右脳内出血においては手の実証経絡として右三焦経、左心経の支配領域に影響が及び足では右肝経、右脾経、左胆経、左胃経へと影響が及ぶこととなります。但し東洋医学の鍼灸治療に於いては疾病が発生した段階の予後治療で対応することが多く脳内出血の場合、脳内出血が発生してから上記経絡異常が発生するものだと考えていましたが、脳内出血であっても脳梗塞と同じ経絡上の異常がすでに存在していたのではと考えざるを得ない臨床例に遭遇することが結構あることを付け加えておきます。何故なら実証経絡の支配領域では組織が荒れやすく、組織に弾力性が無くなったり、気の循環も低下して組織が詰まりやすくなっていたり、皮膚でもテープに負けやすかったり、体内ではポリープが発生しやすくなっていたりしているからです。

 

◎左脳梗塞・左脳内出血となった場合はこの逆となります◎

 

 初期段階の処置

 西洋医学的処置としては最初に血圧を安定させ、血流を良くしたりします。この時注射をしますが、注射するポイントが病態を大きく左右するほど重要な内容を含んでいることを理解する必要があります。仮に右脳梗塞のばあい、点滴の注射針を右手の甲で薬指の上の血管(三焦経の支配領域)を取ると症状が安定し、病態が改善する経過を辿ることとなります。こうした結果はこの注射針を刺したポイントが右脳梗塞部位と最も関係が深い右三焦経の支配領域となっているからです。この三焦経の支配領域への注射は右脳梗塞によって滞っている支配領域の氣を正常に循環するように導く効果があります。組織細胞と気は等しい関係にあります。ですから氣が正常に循環しだすと、細胞の働きが活発となり改善するようにと変化しだすのです。結果は早いペースで梗塞を引き起こした領域及び右脳梗塞によって引き起こされた関連領域に対し早急な改善を促すことが出来ます。普通は患者の動作が不便にならない注射しやすい血管が単純に取られるのですが、取りようによっては病状を悪化させたりします。

 右脳梗塞等を引き起こすと関連経絡領域の氣の流れは著しく低下し、関連する支配領域の関節等は部分帯電が顕著となっています。そうすると気の帯電に比例して運動機能が著しく低下したり、可動範囲が狭まったり、動作も緩慢となります。鍼灸等の処置としては 実証領域に瀉法の処置を施します。瀉法の処置とは毫鍼や灸、低出力レーザーの照射、瀉血、指回し等がそれにあたります。

 三焦経の支配領域で私がよく使用する穴は会宗穴若しくは三焦兪穴となります。どちらかのツボに1.3ミリ程度の円皮針を置鍼して、しかる後そのポイントを揉んでもらうのです。一日数回、一回に3分以上揉んでもらうと病巣部に影響が及び歩行がしやすくなったり、手の拘縮が改善して伸びだしたりします。(但し置針は1回の治療で1穴が原則です。2穴以上の置針を施すと必ず氣の滞りが他の箇所に発生しマイナスを引き起こ こします )

 氣と細胞の働きは不二の関係にあります。東洋医学では「氣が動けば血が動く」等と表現したりしますが、氣の流れを正しい循環に誘導すると細胞も正しい営みへと変化しだします。東洋医学では鍼灸を施すことで氣の流れを正しい循環に戻す施術を行います。氣と細胞の働きが不二の関係にあるがゆえに、鍼灸は氣を動かすことをして自己の免疫力を高め細胞臓腑の営みを正常に機能させようとする医術なのです。

 初期治療において重要治療ポイントは実証領域となります。左半身麻痺の場合、右三焦経、左心経、右脾経、左胆経がそれにあたります。脳梗塞を起こしたことにより発生している環境を改善し整えていく方が大切です。この脈絡のない右三焦経、左心経のパターンが改善する必要があります。それまでは異なる治療を施さない方が賢明です。この脈絡のない経絡バランスが消えたら一安心です。

 

脳梗塞 第二段階の処置

  第二段階の処置は右脳梗塞で梗塞を引き起こした時に発生している実証経絡(右三焦経と左心経)の経絡反応に変化が起きた時となります。右脳梗塞では実証経絡が右三焦経・左心経となっていましたが、このパターンが解除するとひとまず再発の心配がなくなったと言えます。次に出てくる経絡は脳溢血を起こしやすい脳溢血以前の経絡バランスが出現します。

@右三焦経・左肺経・右肝経・左胆経が実証で左胆経と表裏の関係にある左肝経の虚証反応。右肝経と表裏の関係にある右胆経に虚証反応。処置は左肝経に虚証反応が在る場合は左肝経の中都穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)。右胆経に虚証反応が在る場合は右胆経の陽光穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)。しかる後、実証経絡へ瀉法の処置を行います。このパターンは左側の腸が弱い時や右肝臓が脂肪肝になっている人に多く見受けられます。

A右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経が実証で左心包経と表裏の関係にある左三焦経に虚証反応。処置は虚証反応が在る左三焦経に皮内円皮鍼(皮内鍼)。しかる後、実証経絡に瀉法の処置。このパターンでは左三焦経における虚証の影響が右三焦経の支配領域に極端な実証領域を生じさせ、それによって左右差が大きくなると右三焦経の支配領域に於ける組織の営みが低下して、右三焦経が支配する右脳梗塞を起こしやすい環境となります。

B右大腸経・左心経・右脾経・左胃経が実証で左胃経と表裏の関係にある左脾経に虚証反応。処置は虚証反応が在る左脾経に皮内円皮鍼(皮内鍼)。しかる後、実証経絡に瀉法の処置。このパターンは左脾経が支配する腸に異常があると上下の関係にある左心経に極端な実証反応を発生させることがあります。症状としては左半身が重たい違和感を感じたりします。また話すときに言葉がもつれたりします。この様な経絡環境にあって右三焦経の支配領域に実証反応が発生すると右脳溢血になりやすくなります。ですが左心経が右三焦経より実証度が大きい場合は比較的軽症の脳溢血となっている傾向があります。

C右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証反応で右小腸経と表裏の関係にある右心経に虚証反応。処置は右心経に皮内円皮鍼(皮内鍼)。しかる後、実証経絡に瀉法の処置。このパターンは脳の中枢にアンバランスが発生したときに出やすく、目の奥や後頭部の中央が凝ったりします。また首の横が凝ります。

BとCが原因で右脳梗塞、左片麻痺になった場合、比較的軽症の傾向があります。

 本来、異物(金属)を身体に貼り付けると身体における気の流れは低下します。治療の処置として身体の体表に固定する置き鍼を固定したままにすると円滑な氣の循環を妨げることもありますが、それ以上に細胞の働きの低下とそれに比例した氣の滞りが在る場合は、便宜上、緩慢となっている気の滞りを本来の状態に戻すためには実証領域に使用する円皮鍼等を有効に利用することが必要となります。つまり1_程度、皮膚内に刺入した鍼を揉むことにより膠着している支配領域の氣(電気)を動かし細胞の営みを活性化させ回復させることが出来るからです。置鍼期間は脳梗塞の場合は 一ヶ月位必要とすることがあります。
 虚証領域への皮内円皮鍼(皮内鍼)は組織が損傷して修復しようとして活発にエネルギーを消費している領域に使用します。この虚証領域があると、虚証領域と接続している経絡よりのエネルギーが止められることとなり、虚証領域と接続している経絡に帯電現象が発生することになります。虚証領域があったために発生した実証領域です。この低下しやすい気の循環は当然組織の営みに影響して疾病を発生させる原因となります。帯電が電子の過不足より生じることを考慮すると活性酸素が発生しやすい環境となります。そもそもの原因である虚証領域を整える必要が出てきます。そこで、皮内円皮鍼(皮内鍼)を一個だけ虚証領域の経絡に処置します。この皮内円皮鍼(皮内鍼)は皮膚に接触させるだけで皮膚内に刺入する必要がありません。作用は鍼の先端が極性として作用し虚証領域の損傷電位を正常電位に変換するように作用します。処置と同時に正常電位に変換してしまいます。皮内円皮鍼(皮内鍼)を使用して劇的効果が上がるのはこうした領域となります。使用期間は虚証反応が消えるまでとなります。皮内円皮鍼(皮内鍼)の身体に対する強制力は大きく虚証反応が消えると、その矯正力は身体に対してマイナスとなります。使用期間が重要となります。使用期間の確認は体調がとても良かったのに急に身体に違和感を感じた時となります。その時は皮内円皮鍼(皮内鍼)を外すと急速に回復します。別の確認方法としては皮膚電気抵抗器による井穴の測定です。虚証領域は抵抗が低く電気が流れやすくなっています。実証領域及び正常領域の差は少なく電気抵抗が高く電気が流れにくくなっています。虚証領域と実証領域及び正常領域の抵抗差が無くなったら虚証領域が修復されたと解釈します。

注意点-実証領域の経絡に円皮鍼を固定し揉まずに放置しておくと、氣を動かすための目的 を達成することができず、逆にかえって氣の膠着帯電を引き起こし症状を悪化させることになります。

禁忌-氣が正しく循環しているかを感じ取ったり理解出来ない者は皮内針を数ヶ所に置針しています。皮内針の考案者赤羽氏の皮内針法では数本の皮内針が身体に使用されていますが、こうした処置は産声をあげたばかりの皮内針法なので修正が必要です。皮内鍼は身体に鍼を刺入するのではなく、皮膚に接触するだけで有効となります。そして皮膚に接触している針尖の電極の極性が損傷電位が発生している経絡の支配領域を正常電位に矯正固定する働きをします。このように電位を固定させる皮内針を実証経絡に使用すると過剰な緊張が生じて症状を悪化させます。そして脳梗塞のような実証としての病態が顕著 である場合には実証領域への皮内円皮鍼(皮内鍼)は禁忌となります。注意が必要です。

物療-氣は電気エネルギーです。そして細胞臓腑の営みの変化は経絡 間に電位差を発生させています。これらの電気は簡単に動かす事が出来て素人でも誘導することが出来ます。右脳梗塞の場合、右手薬指、左小指、足の右第1指、左第2・4指を単純に揉んでもらうのです。指を揉むと過剰な氣は下降して足より対外へ放電し身体内の気が均衡を取り戻します。気の均衡が取れると細胞臓腑は本来の営みに近づくように変化しだします。脳梗塞を引き起こすと細胞の働きが低下していて氣の動きが拘縮した組織に比例して 膠着状態となっています。上記の梗塞となったときに影響が出ている経絡上の指を揉むと帯電した氣が動きだし、全体より見ると経絡相互間のアンバランスが是正され、均衡を取り戻そうとする変化が生じます。そして、氣の均衡がとれると細胞の動きが活発になり、細胞の機能が回復する変化が発生します。つまり梗塞によって滞った領域の氣を動かしさえすれば壊死しかかった細胞を部分的に回復させ、機能障害を最小限にとどめ、ひいては改善させていくことが可能なのです。

 この二段階の処置にて脳梗塞や脳溢血はかなりの機能障害が改善されることとなります。

 

 

 

■ ベル麻痺 ■

 西洋医学的見解として、一般に運動麻痺をさし、神経系または筋肉組織の障害により筋肉の随意運動が著しく困難、または不能の状態をいいます。一般に中枢神経の病変により起こる中枢性麻痺は筋緊張が高まる痙性麻痺で、脳梗塞や脳内出血等によっておこる片麻痺(半身不随)などにみられます。顔面神経麻痺(ベル麻痺)は末梢神経の病変により起こる筋緊張が低下する弛緩性麻痺です。知覚麻痺は触覚、痛覚、冷・温覚などの脱失をいい、知覚神経の末梢から脊髄後根、中枢に至る経路の障害で起きるとされています。

 

(右顔面麻痺の場合)

 左脳梗塞、右片麻痺と右顔面麻痺(右ベル麻痺)の場合では全く異なった氣の滞りが確認されます。左脳梗塞の右片麻痺は麻痺側は梗塞を起こした左脳側の左三焦経と左肝経or右脾経、それと麻痺側の右心経 と右胆経or右胃経に実証反応が顕著に出ていますが、

 右顔面麻痺の場合、
 左脳梗塞とは逆の右三焦経・左心経・右脾経or肝経と左胆経or左胃経に経絡上の実証反応が出ています。 まず、この実証経絡のアンバランスを整える必要があります。ベル麻痺寸前で来院される患者さんが結構おられますが、右顔面麻痺の場合には、右三焦経に実証の処置を施します。

 我々は右三焦経の実証反応に対して、針体が1,3_程度の円皮鍼を会宗穴刺して揉む指導をします。結果は数分で首筋の凝り、右頭の重たさ、舌の麻痺感が無くなって行きます。後、左心経・右脾経・左胆経に毫鍼を施しておきます。基本的には右三焦経上で三焦経にだけに影響が及ぶ会宗穴を取穴して円皮鍼を揉んでやると急展開して改善する経過を辿ります。会宗穴の取穴に関しては皮膚電気抵抗器にてツボを電気で焼きだし、その焼けたポイントに円皮鍼の針尖を刺すと、痛み無く揉むことが出来て効果が高くなります。チクチクすると神経に当たるので経絡とは異なる支配領域に影響するので痛みを伴わずに揉む方が良いようです。

 上記、実証反応のパターンが消えた後に以下のような、Bell麻痺になる以前のBell麻痺になりやすい経絡バランスが出てきます。
 

 多くの場合、Bell麻痺になって暫くして来院されることが多くあり、すでに以下のような経絡のアンバランスが出ていたりします。

(パターン)
−右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経が実証で左三焦経or右心包経に虚証反
  応。

−右小腸経・右第二大腸経・左心経・右脾経・左膀胱経・左第二胃経が実証で
    左小腸経or右心経に虚証反応。

 右Bell麻痺治療の中心は右三焦経・左心経の実証反応が消えた後は上記の経絡バランスとなります。

 左Bell麻痺の場合は左右が逆の経絡バランスとなります。

  以下は右Bell麻痺になって9日後に来院された患者O・Kさん58歳です。
 一回目の経絡診断は右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経に実証反応があり虚証反応はありませんでした。処置は右肩上がりなので実証経絡の右三焦経の外関穴に円皮鍼を置鍼し、その後、各実証経絡の経穴に豪針で瀉法処置。帰ってからは円皮鍼を揉む指導を行いました。一週間後来院。以下は初診日と2回目の治療日に撮られた写真です。(友人撮影)

最初の初診日の写真 2回目の治療日の写真

-右三焦経・左肺経・右肝経・左胆経が実証で左肝経or右胆経に虚証反応。
-右小腸経・右第二大腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経・左第二胃経が実証
  で左腎経or右膀胱経に虚証反応。

 

 上記写真のように虚証が無く実証のみの場合には経過が良く早期改善が望めます。以下は虚証経絡がある場合の経絡反応となります。


 右顔面麻痺(右ベル麻痺)の場合、右顔面麻痺を引き起こす前には右側の舌の右半分が痺れてヌルヌルとした感覚鈍麻の兆候が出ていたり、右顔面に軽い痺れ感を自覚する事があります。

−右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経が実証で左三焦経or右心包経に虚証反
    応。

 このパターンが右三焦経・左心経の実証が解除した後で、第一に出ている傾向があります。左三焦経or右心包経に虚証反応があり、その為に左右対称の右三焦経上の組織に実証としての機能低下をきたし、左右の三焦経上にエネルギーの過不足による極端な差違が発生したものと考えられます。また右心包経に虚証反応がある場合には右心包経と表裏の右三焦経にエネルギーの過不足による極端な差違が発生したものと考えられます。

 このようなパターンで経絡異常が主張している場合は、まず虚証である左三焦経or右心包経上の経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を施鍼して、しかる後実証経絡となっている右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経に瀉法の処置を施す必要があります。症例では左三焦経の虚証反応が消えた後 、右心包経に虚証を示す経絡診断となったことがあります。身体には複数の虚証領域が存在する事がありますが全経絡の中で最大虚証より暫時整えて行く必要があります。

− 右小腸経・右第二大腸経・左心経・右脾経・左膀胱経・左第二胃経が実証
   で左小腸経に虚証反応。

 このパターンは本態性高血圧・テンカン等の時にでている経絡異常ですが肝機能障害時の糖尿病に於いても一時的に出て来ます。ベル麻痺の場合では左小腸経の虚証があり右小腸経とにおける気の過不足の差が問題となります。このパターンが出てくると右小腸経の支脈となっている右第二大腸経(示指尺側)にも頑固な実証反応が出ています。 

−右三焦経・左肺経・右肝経・左胆経が実証で左肝経に虚証反応。このは右脳梗塞で左片麻痺時に出ている経絡異常でもあります。Bell麻痺と脳梗塞との経絡診断では虚証の出方が異なり右Bell麻痺時に左三焦経or左肝経に虚証反応。脳梗塞で右片麻痺時に右三焦経と右肝経に虚証反応が潜在的に存在している可能性があります。 急性期を過ぎたら潜在的に内在する虚証領域を整える必要があります。

−右小腸経・右第二大腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経・左第二胃経が実証
   で左腎経or右膀胱経に虚証反応。

 このパターンは右膀胱経に虚証反応があると右飛蚊症や右網膜剥離。腎臓疾患、膀胱疾患と関係が深く、表裏の関係にある腎経とのアンバランスを考慮して治療に望む必要があります。左腎経に虚証反応が在るときは、前立腺肥大、膀胱疾患、子宮疾患、直腸疾患、胃の小彎部疾患等が内在している傾向があります。右膀胱経に虚証反応が在るときは、右膀胱経だけに影響する経穴を取穴して虚証の処置、皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼して、関連実証経絡への瀉法の処置を行う必要があります。左腎経に虚証反応が認められたら、腎経だけに影響する経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を施し、関連実証経絡に瀉法の処置を行います。


 陰経の肝経と腎経とは共通する部分があり肝経の反応が消えた後腎経に反応が出やすい傾向があります。ですから左肝経の虚証が消えたら左腎経の虚証反応が出ていたりしますのでこの虚証反応を整える必要があります。

 右ベル麻痺の場合、顔面の麻痺と同時に右膝の胆経上の支配領域にも同じような痺れが発生していることがあります。これらは右胆経上の虚証や右胃経の虚証としての痺れと解釈出来 、右胆経の虚証や右胃経の虚証を考慮する処置を加えなければなりません。

 ベル麻痺に於ける主要な経絡バランスの異常は上記のが主体となり 、のアンバランスが出てきたら、出てきた経絡異常をまず整える必要が出てきます。


 

経絡敏感人

 

結論:顔面麻痺(ベル麻痺)を考察すると単に末梢神経の病変異常に問題を求め
   るのは短絡的と言えます。ベル麻痺に至るには脂肪肝や内分泌異常・高血
   圧・胃腸障害等が根底に内在している事を知る必要があります。

 

 

 

 

■気管支喘息■

 西洋医学的見解として、気管支喘息は慢性の肺疾患で気道が炎症を起こし、粘膜が腫れ気道が狭窄し呼吸が困難となり、気道が刺激に敏感に反応し、咳、喘鳴、呼吸困難、喘息発作を引き起こします。そしてその根本原因は未だ知られていません。それ故、現在の現代医学では喘息という疾患は根治出来ないとされています。ですが身体内を循環している氣を操作するだけで気管支喘息を根治させることが出来るのです。その理論と方法について述べることとします。

 気管支喘息の疾病にかかると経絡のバランスに特徴のあるパターンが出現しています。心臓喘息や肺炎にもそれ相応の反応が出ていますが、経絡異常としては二つのパターンが出てきます。ここでは重症の気管支喘息に焦点を絞って述べて行きます。

 重症の気管支喘息患者に於ける経絡の異常は「右心包経の虚証と左三焦経の虚証」のどちらかが経絡異常反応として出ていて、虚証反応によって影響され出現した実証経絡を改善する必要があります。実証経絡は表裏で接続している「右三焦経と左心包経の実証」となります。虚証と実証との両経絡間には極端な氣(エネルギー)の過不足による緊張が出現しています。これらの緊張は両経絡が支配している領域に及び気管支や横隔膜にその影響が出ています。

 経絡は左右対称に同じ支配領域を持っていますが、何故かほとんど「右三焦経と左心包経の実証」の反応が根底にあります。人間の身体は左右対称ですから、逆の「右心包経と左三焦経の実証」があってもよいわけですが、決まって「右三焦経と左心包経」の実証反応として出現しています。喘息が慢性化していると「右三焦経と表裏で接続している右心包経」と「左心包経と表裏で接続している左三焦経」とに虚証反応が出ているのです。

 100人に一人位で右心包経・左三焦経が実証で右三焦経・左心包経に虚証反応があり、喘息に近い症状を現す人がいます。でも、激しい喘息症状は発生しません。処置を施すと簡単に諸違和感は改善します。

  正中線を境に十二経絡は左右対称にバランスよく循環する経路が存在しているのですが、人間の臓器は特異な例外を除いて心臓、脾臓等は左側に存在し、胆嚢は右に存在しています。肝臓は右寄りにその支配領域を多く持ち、膵臓は左寄りにその支配領域を多く持っています。腎臓の位置も左右では高さが異なります。このように、身体内の臓腑の位置関係とその役割を考える時、右心包経が支配する領域と左三焦経が支配する領域と関連している臓腑における機能異常を推察することが可能とになってくるのです。今後の西洋医学的研究の参考になれば幸いです。

心包経と三焦経は
陰陽(表裏)で接続。

心包経と腎経は上下で接続。

 

「気管支喘息の治療」

 気管支喘息時における経絡循環のアンバランスは「右心包経の虚証と左三焦経の虚証 」と「右三焦経と左心包経の実証」が主体となりますが経絡に於ける虚実の反応の出方を見てみますと以下のようなパターンがあります。

、{右三焦経と左心包経が実証で左三焦経に虚証}
、{右三焦経と左心包経が実証で右心包経に虚証}
、{右小腸経と左心包経が実証で左腎経に虚証}
、{右小腸経と左心包経と左膀胱経が実証}
、{右三焦経と左心包経が実証}
、{右大腸経と左肺経が実証}

{右心包経と左三焦経が実証で左心包経に虚証反応}


 ここで特筆すべき気管支喘息では
1、2、3、4、5のパターンに左手心包経が関わっているということです。この左心包経は心臓の心筋をその支配領域に持っていて、心臓疾患の場合に異常反応が出てきます。慢性化した気管支喘息はに見られます。

のパターンにおける治療は第一に虚証経絡となっている左三焦経の会宗穴に皮内円皮鍼(0.6ミリの円皮鍼にサジカルテープを7〜8枚重ね合わせ2ミリ四方に切ったテープに刺し、鍼の先端が出るか出ないか位で使用します。)を置鍼します。(皮内鍼でもよい)、さらに左三焦経と表裏の関係にある心包経、左右の関係にある右三焦経、上下の関係にある左胆経、加えて対角にある腎経に対して瀉法の処置を施し気(エネルギー)の過不足を是正してバランスをとってやると、喘鳴、呼吸困難、喘息発作が急速に改善する経過を辿ります。一般的には喘息症状が発症している場合、体質的な症状と考えられ、虚証反応が消えて完治するまでには数ヶ月に及ぶ事が多い傾向にあります。

のパターンにおける治療は 虚証経絡となっている右心包経のt門穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼します。加えて実証経絡となっている右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経に瀉法の処置を施し虚実のアンバランスを是正する処置を施します。左三焦経に虚証反応がある気管支喘息より治癒する経過が遅いようです。慢性化していると頻繁に横隔膜の痙攣(シャックリ)を伴ったりすることがあります。

のパターンでは左心包経と上下で接続している左腎経の虚証があり悪化した症例と言えます。処置としては虚証反応となっている左腎経上に皮内円皮鍼を施します。喉の痰がなかなか切れにくい等の症状を呈します。このような場合、胃の小彎部が荒れていたり気管支拡張症の症状が出たりします。東洋医学的改善処置は左腎経と表裏の関係にある左膀胱経を瀉し、左右の関係にある右腎経を瀉し、上下の関係にある左心包経を瀉し、対角の右小腸経を瀉して過剰な気を除去して経絡間のアンバランスを是正すると気管支喘息が改善されていきます。このパターンは気管支拡張症の治療パターンでもあります。

のパターンでは比較的慢性化しているが左三焦経や右心包経に虚証反応が認められず、左膀胱経の極端な実証が現れています。足が冷えやすく、立ち暗みや目眩を伴うことがあります。また冷えると左膀胱経上が疼くこともあります。処置は左膀胱経上に鍼を1ミリ程度刺入する円皮鍼を施して毎日鍼を揉んで貰う指導をします。右肩上がりになっている傾向があります。

のパターンでは左肩上がりの事が多く右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経が実証経絡となっています。手の右三焦経と左心包経は左右で陰陽となり左心包経が最大実証となるので左心包経に円皮鍼を置鍼して揉む指導を行います。

のパターンでは軽い喘鳴などが認められますが激しい呼吸困難に迄には至らない症状を呈します。組織の異常は経絡に反映し右大腸経と左肺経に実証としての反応が出ています。左肺経は扁桃腺と関係が深く風邪を引いたときに発祥しやす く軽い気管支炎となります。処置としては過剰に帯電している実証経絡のエネルギーを抜き取り、氣の循環を円滑にすることにより急速に改善していきます。治療は左肩上がりでは左肺経の経穴へ円皮鍼を置鍼して揉む指導をします。右肩上がりでは右大腸経の経穴へ円皮鍼を置鍼して揉む指導をします。かつ関連実証経絡を瀉します。共に右大腸経・左肺経・右肝経・左胃経が実証経絡となっています。扁桃炎を起こしやすく右肺経に虚証反応が認められる場合は先に右肺経の虚証経絡に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置した後、関連実証経絡への瀉法の処置を行います。

 右心包経に虚証があったり右心包経が極端な実証の時は不妊症となる傾向が認められます。心包経と上下で接続している経絡は腎経で、左腎経にも虚証反応が認められることがあり上下の経絡の緊張が影響しているようです。腎経上で子宮と関係が深いのは横骨穴となっています。右心包経と左腎経とに虚証反応があっても両経絡に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置してはいけません。右心包経への処置で気が下降しやすいか、左腎経への処置で気が下降しやすいかを見極め下降しやすいパターンを治療では優先します。両虚証経絡への皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置は経絡内の電位的にショートしてマイナスとなるからです。

7のパターンは非常に少ないパターンで気管支炎となるが、激しい喘息と迄は至らない。気管支喘息に於いては殆どが右陽経に実証反応が在るのに対して左陽経に実証反応が在る場合がある。9:1位の確率。処置は右三焦経の虚証or左心包経の虚証に対して虚証の処置を施し、各実証経絡、右心包経・左三焦経・右胆経・左心包経に瀉法の処置を行う。心臓に問題がある時にも出やすいパターン。呼吸が深く出来ず、胸が苦しい。食道に炎症が起きやすく、食事が取れない状態に陥りやすい。

 西洋医学で喘息患者に点滴の処置をおこなう場合、左心包経の支配領域である腕関節内側中央の血管、若しくは右三焦経の支配領域である腕関節内の血管を取ると早く好転することとなります。但し右肩上がりでは右三焦経の支配領域、左肩上がりでは左心包経の支配領域としなければなりません。

 自己管理をする場合は瀉法を加える指の関節を揉み回しして指をほぐす事により、過剰に帯電している氣を誘導して移動させ、経絡間の氣の過不足を解除することにより組織の緊張を解除して発作的喘息症状を改善していくことが出来きます。患者自らの自己管理にて早く気管支喘息症状を改善することが出来ます。

 1・2・3の治療で皮内円皮鍼(皮内鍼)の置き鍼は原則として一カ所のみです。身体に二カ所以上置鍼すると氣の流れが電気的にショウトして相殺することになり、別な箇所に帯電が生じ円滑な氣の流れを阻害し組織の営みを低下させることになります。また疾病の改善が遅くなったり悪化させてしまったりします。

 

 

■気管支拡張症■

 

  気管支が非可逆的な拡張をきたした病態です。気管支が拡張すると気管支の浄化作用が低下し、痰がたまって細菌などが繁殖しやすく気管支炎や肺炎に罹りやすくなります。また、拡張した気管支には血管が増え血痰や喀血も出現することがあります。持続する咳、痰(黄色〜緑色)時に血痰や喀血が出現することがあり、副鼻腔炎(蓄膿症)になった方や現在治療中の方等も発症しやすく、幼少時に肺炎にかかったことがある方等にも発症します。治療としては肺炎や気管支炎を合併した時や発熱や痰の量が増えた時等には抗生物質を内服したり注射したりします。また痰が出しやすくする薬を内服したり、体位ドレナージ(痰が出やすくする体位とる)や胸部軽叩打法を行ったりします。血痰も伴っているときは、血を止める薬(止血剤)による治療も加えられます。

 気管支拡張症における経絡診断では大きく分けて2つのパターンが見られます。
@右小腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経が実証で左腎経に虚証反応。
A右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経が実証で左三焦経に虚証反応。

@Aとでは@の経絡反応がまず出ていることが多く治療の途中でAが出てきたりします。Aは副鼻腔炎の治療パターンでもあります。

 

 

 

■肺炎■

 西洋医学的見解として、肺組織の炎症は細菌(肺炎球菌、溶血性連鎖球菌等)、ウイルス、マイコプラズマ等の感染によって起きます。一般に発熱、咳、痰等の症状を呈し、時に錆色痰、胸痛、呼吸困難を伴います。化学療法の進歩により罹患率、死亡率は減少していますが、衰弱した者、基礎に呼吸器疾患をもつ者、小児や老人等の肺炎は危険です。治療は安静と抗生物質を投与します。

 単に肺炎といっても、肺炎になりやすい体質を考慮しておく必要があります。例えば(氣)風を引きやすいとか、もともと呼吸器が弱い、扁桃が腫れやすい、腸が弱い等がそれにあたります。こうした症例における氣の循環の異常を観察してみますと肺経の実証と肝経に虚証反応が認められる経絡のアンバランスとなっています。

 左肺炎を例にとって説明いたします。

 

治療ポイント

左肝経 中都穴に皮内円皮鍼。

肝経と肺経は上下で接続している支配領域。

 

 治療処置としては左肝経の支配領域にある 中都穴へ皮内円皮鍼を置鍼します。数日で肺炎が治って行きます。ただ左肝経に虚証が出ていると言うことは肺炎は二次的に発生した続発疾患と考える事が出来ます。ちなみに左肝経の支配領域には(卵巣、精巣、大腸、小腸、腎臓、膵尾、心臓、肺、扁桃、鼻、目、脳)等が存在しています。考えるとこの左肝経の支配領域には泌尿器科、婦人科、胃腸科、内科、循環器科、呼吸器科、耳鼻科、眼科、脳神経科が対応しなければならない内容が存在しているのです。これらの内のどれかに病んだ組織があると常に風邪などを引くと肺炎になりやすい状態にあると考えなければなりません。気胸等もその一つの例です。

 左肝経の支配領域で中都穴に皮内円皮鍼を置鍼するとすぐに呼吸が楽になってきます。しかる後左肝経と接続している経絡における過剰な気を瀉して、肝経との関係での気の過不足を調整しておく必要があります。この度はレーザーポインター(論文発表等の時、黒板を照射する低出力レーザー)で説明しましょう。右肩上がりの場合として説明しますと、右肩上がりの場合で左肝経に虚証反応があり肺炎をおこしている場合、手の右三焦経と左肺経が実証領域となります。足は左肝経と左右対称の関係にある右肝経と陰陽で接続している左胆経が実証となっています。実証度は左胆経、右肝経のように陰陽で実証反応を呈している足が7割。右三焦経、左肺経は陰陽の関係にありませんので3割程度の実証度となっています。右肩上がりの場合気の移動は右手より左足の方へ気が移動しやすい体癖となっていますので、低出力レーザーのポインター照射は右大腸経の井穴に対し照射します。3分〜5分位で左肝経の影響で混乱していた過剰な氣が左足の方へ次第に抜けていきます。すると足の方までほんのりと暖かくなってきて全身が楽になっていきます。いたずらに鍼治療等する必要が無いかも知れません。また出力の強いレーザーもいただけません。人間は最高にデリケートなコンピュターなのですから。

 

 

 

 

 

■気胸(突発的気胸)■

 肺や気管支、食道、胸壁などの損傷により空気が胸腔内へ入り込んだ状態をいいます。特に肺に穴があいて空気が胸腔に流入したものを肺気胸といい、胸腔内への空気の流入が多いと肺を圧迫して呼吸を妨げて時には呼吸困難からショック状態に陥ることもあります。
現代医学では特に原因となる疾患はなく、原因不明と診断されることが多くあります。直接の原因として、クシャミなどで腹圧が高まったために発生したものであり、痩せ型の若い男性に多くみられます。治療法としては胸腔に注射針を挿入して空気を抜きます。気胸している空気の量が多いため肺を圧迫している時は胸腔にチューブを挿入して吸収器で排気します。これらの術後は感染症の予防を行い、それ以降は具体的な治療はなく、経過を観察することとなります。

 この自然気胸おける経絡診断は左肺気胸であると右三焦経・左肺経・右肝経・左胆経に実証反応があり左胆経と表裏の関係にある左肝経に虚証反応が出ています。処置は左肝経の中都穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置して各実証経絡に瀉法の処置を施します。右肺気胸の場合における経絡診断と処置は左肺気胸の処置と逆になります。

 

 

 

■過呼吸症候群■

 西洋医学的見解として呼吸循環系や血液の異常がなくても,中枢神経の病変によって呼吸中枢の興奮性が異常に高まった場合にも息切れを生じ、心身症の息切れは,発作的に呼吸の深さ,数が増加し,二酸化炭素が体内から洗い出されて血液がアルカリ性となり,手足のしびれ,痙攣 (けいれん),失神発作まで起こすことがあり,過呼吸症候群 hyperventilation syndrome と呼んでいます。

 西洋医学的処置においては安定剤や抗うつ剤等が処方される傾向があるようですが、基本的にこれらは症状を鈍らせ悪化させる傾向が認められます。なぜならこの疾病は腸や子宮や気管支や食道と関係が深く、腸や子宮が活発に営みをなしていない病状と重なって出現している病態だからです。腸や子宮が過呼吸症候群と関係している等と言うと不思議に思われるかも知れませんが、東洋医学に於ける経絡の支配領域を考えて見た場合、なんら不思議でもなんでもないことが理解されていくのです。

 @体癖として左肩上がりの場合、過呼吸症候群に於ける経絡異常は右手小腸経(小指)、左手心経(小指)or左手心包経(中指)、右足腎経(右足第五趾)、左足膀胱経(左足第五趾)の実証反応が出やすくなります。実証領域は気の流れが緩慢となっています。緩慢となっている状態に安定剤や抗うつ剤は極端に頭の気の循環を鈍らせるように作用しますので、指令センターが鈍れば当然経絡上の鈍っている支配領域はさらに鈍る訳です。気の流れを円滑にしないと改善しない病症に非常にマイナスとなるのです。

 特に右腎経と左心包経の緊張は心下部等の支配領域の緊張を引き出し過呼吸症候群の諸症状が発生しやすくなります。食事をすると途端に手足に痺れが生じたり、食事をしてももどしてしまい、左心経に実証反応が出ていると不安感を誘発しやすくなります。ですが意外と便通が良くなるとこれらの症状が緩解する傾向が見られるようになります。胃と腸は連動しているように機能していますので関連があっても不思議ないわけです。この過呼吸症候群で一番の異常経絡は足の腎経の実証と考えられます。そして実証領域の異常パターンが右手小腸経(小指)が出ている場合、左手心包経(中指)、右足腎経(右足第五趾)、左足膀胱経(左足第五趾)となっています。そして最終的には右腎経の経穴へ一ミリ程度の円皮鍼を置鍼したのを揉んでもらい、右腎経の気の滞りを解除することにより気が円滑に流れ出すと、比例し右腎経の支配領域の組織の営みが回復し、食事が胃で詰まって食べられない症状がすぐに改善され、便通が改善され、過呼吸症候群の全ての諸症状は改善していきます。手足の経絡実証度は手が3割、足が7割のバランスとなっています。当然上記と左右が逆な異常経絡のパターンもあります。

上村さん女性。S52年生まれ。 (産後より発症)
  一年半位前から喉、胸が苦しい。深い息が出来ない。各種検査では解らず。過呼吸症候群と診断される。眠剤、抗うつ剤服用中。本人は薬を飲んだほうが症状がきつくなると言う。気代謝誘導装置天心システム・ポイントチェッカーで気を誘導してみると右心包経、左小腸経、右膀胱経、左腎経に実証反応があり、右肩上がりで気は右肩より左足へと移動しやすい環境。気を誘導している最中に左腎経上の心下部より喉にかけて痙攣しているような痛みが伝わってくる。過呼吸症候群の典型的パターンで左腎経の実証。こうした体癖にあっては左腎経の経穴へ円皮鍼を置鍼し揉んで貰うと全身にある過剰な気が左足へと移動し末梢から抜けだし気の過不足が是正され簡単に完治する経過を辿るものです。 完治まで最低2〜3ヶ月は必要。

 処置は左腎経上の築賓穴へ一ミリ程度の円皮鍼を置鍼。一年半の苦しさ数分後に解消。揉む指導をする。その他右心包経、左小腸経、右膀胱経、左腎経の支配する各指を同じく回す指導。手が三割足が七割の確率で気を誘導する必要有り。

 薬を飲んだらかえって苦しくなると言う。(過呼吸症候群の患者さんに共通する意見あり)過呼吸症候群として腎経が実証の場合当然組織の動きが緩慢となっていますので、抗うつ剤等の押さえ込むようなきつい薬はとてもマイナスとなります。さらに鈍って呼吸困難となります。当院に来院した過呼吸症候群と診断されている患者さんが、心療内科で 安易に安定剤や抗うつ剤を投与されている現実は問題かも知れません。患者さんが感じ取っている事実を医師は何と解釈しているのでしょうか。当院に来院された過呼吸症候群の患者さんはすぐに薬をやめさせています。リバウンドも 見られません。但し別な疾病で明らかにこの様な薬を暫く必要とする場合は医師の判断を極力尊重するようにしていますが。



 

 

 

■扁桃炎■

 西洋医学的見解として、扁桃炎は連鎖球菌、肺炎球菌、ブドウ球菌等による扁桃(口蓋扁桃)の急性炎症をいいます。扁桃が赤くはれ、しばしば白斑を生じ、発熱、嚥下痛をみます。腎炎、心内膜炎等を併発することがあるので注意を要します。治療は安静、うがい、解熱剤投与で、重症の場合サルファ剤、抗生物質を投与します。

 扁桃炎等の菌に対する東洋医学的処置は全体の氣の循環を整え菌に対する抵抗力をつけさせる処置となります。軽い症状ではいたずらに解熱剤や抗生物質等を使用しないで自然に闘った方が、身体は以前に比べて元気になる経過を辿ります。ですが高熱があり、病原体がはっきりしている時は投薬が必要です。民間療法を過信してはいけません。扁桃炎における経絡上の氣の循環は肺経の実証or肺経の虚証が出ています。

        

治療ポイント

左右どちらかの有効な肺経 の列欠穴に円皮鍼。

扁桃腺は肺経の支配領域となっています。

 治療処置としては 右肺経に虚証が出ている場合は右肺経の経穴へ皮内円皮鍼(皮内鍼)。しかる後、右大腸経・左肺経・右肝経・左胃経へ瀉法の処置を施します。子供等で両方の扁桃が腫れている場合にはどちらか一方に虚証反応が出ています。熱を出しやすい傾向が見られます。扁桃より膿の塊が出る場合には出ている方に虚証反応の可能性大となります。虚証が無く実証のみの場合には唾を飲み込む時などの扁桃の痛みは痛い側の手の親指を痛いくらいに回し揉みすると鎮痛してしまいます。実証の処置としては肺経の支配領域である経穴へ円皮鍼を置鍼し揉む指導をします。但し熱がある場合は氣の誘導が完全に整いません。なぜならお酒を飲んでいる時と同じで氣が身体内を動き過ぎているからです。

 軽い扁桃炎の処置は実証となっている手の母指(肺経)を揉んでやれば扁桃の痛みは楽になります。右の扁桃が痛ければ右の母指を、左の扁桃の痛みが激しい時は左の母指を揉んでやれば扁桃の痛みが消え、症状を好転するように導くことが出来ます。両方の扁桃が痛ければ両方揉んでみて、全身がスッキリし、気が下降し身体が気持ちよく開放感がする指を選びます。

 上記は民間療法で咄嗟の処置として有効ですが東洋医学的処置としては経絡診断を行います。天心システム・ポイントチェッカーにて気の誘導を行い気が下降して楽になるポイントが左肺経の場合、右大腸経も気が下降して左肺経と右大腸経が実証経絡であることが確認できたら右大腸経と表裏で接続している右肺経に虚証反応の可能性があります。こうした反応が出たら右肺経の経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置を施します。右肺経 に皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置を行い、しかる後、右大腸経、左肺経、右肝経、左胃経へ瀉法の処置を施します。一般的に両方の扁桃が日頃より腫れている場合にはどちらかの肺経に虚証反応が出ています。虚証反応が明らかとなれば上記処置にて扁桃炎は改善してしまいます。子供に多く高熱を出して二次疾患が発生するので解れば早く処置をしておきたいものです。比較的簡単に完治する症例となっています。

 子供に多い扁桃炎において指のおしゃぶりを考慮する必要があります。おしゃぶりは本能的に身体が楽になる指が殆どです。例えば右親指のおしゃぶりを必要に繰り返す場合は右親指をしゃぶる事で身体が楽になっている事を子供は本能的に知っているのです。おしゃぶりをする指は経絡診断においては実証経絡の支配領域となっています。この事を参考にして虚証領域が確定できたりします。右親指を必要におしゃぶりする場合に於いては反対側の左親指(肺経)に虚証反応を疑う必要が出てきます。扁桃炎に於いて虚証か確認されたらまず虚証経絡の処置を行うことにより根本的な改善を行うことが出来るからです。


 

■扁桃腺肥大■

 

 扁桃腺肥大は病名ではなく、喉の奥、左右両側にある扁桃が大きい状態を言います。中学生くらいになると小さくなるのが普通です。いびきの原因になったり、睡眠中に息が苦しくなることもあります。手術が必要な場合はくり返し扁桃炎の熱を出す時(1年に5〜6回)、扁桃に菌が住み着いて他の臓器に悪い影響をおよぼすとき、のどや鼻の奥にある扁桃が大きくて、夜間無呼吸発作がある時等です。細胞膿栓の白い固形物は剥奪した扁桃の上皮、遊離白血球やリンパ球、細菌塊、炎症性崩壊産物、食物残渣などから形成されたもので、口腔常在菌にとって格好の栄養培地になっていますから、独特のイヤな臭いがします。慢性化した扁桃炎に多く見られます。

 経絡診断に於いて扁桃腺肥大は肥大している側の肺経に虚証反応が出ています。子供に多く風邪を引きやすく熱が直ぐ出たりします。扁桃腺肥大が無い場合には熱が出にくくなり、唾を飲み込むときの喉の痛みは実証としての痛みが多く、痛い側の肺経に実証反応が出ています。処置としては痛い側の肺経を主体として、反対側の大腸経が実証となっていますから、大腸経にも瀉法の処置を施します。仮に右肺経が実証であると、左大腸経・右胃経・左肝経が実証となっていますので、右親指と左人差し指を、根気よく回し揉みすると簡単に改善して行きます。

 扁桃腺肥大の場合には喉の両側が痛くなります。肥大側には肺経に虚証反応が出ていますから、虚証側の肺経の経穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を一個処置して、関連経脈へ瀉法の処置を施すと、熱や風邪症状は早く改善します。治療としては扁桃腺肥大が完全に改善するまで肥大側の肺経に虚証の処置を施します。虚証反応が消えると扁桃腺肥大は治癒する経過を辿ります。

 扁桃腺肥大が在ったりすると、大腸経と肺経とに極端な気の過不足(電位差)が発生しています。当然大腸経が支配する腸に、異常を訴える傾向が見られます。扁桃腺肥大と腸の働きとは関連した疾病となっていることを心すべまでしょう。

 扁桃腺肥大が慢性化すると大人になって肺経と上下で接続している肝経とに気の過不足によるアンバランスが生じ、肺経が虚証、肝経が実証の関係で、肝経の支配領域である膀胱経の一行線上に筋群の弛緩を引き起こし、左右肝経における虚実は脊椎管に変異を起こし、腰部椎間板ヘルニア等を引き起こす原因となります。

 

 

膠原病・慢性関節リウマチ■

 1941年にクレンペラーP.Klempererが提唱した疾患。病理学的に結合組織にフィブリノイドfibrinoid変性がみられる疾患という定義がなされ、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、皮膚筋炎または多発筋炎、強皮症 (全身性進行性硬化症)、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱の 6 疾患が代表的な膠原病とされていました。その後,病理学的にもフィブリノイド変性という概念がきわめてあいまいなものであり、膠原繊維にのみ変化がおこるものではないところから、結合織疾患connective tissue diseaseとよぶほうが正しいとされ、国際的にはそのようによばれています。

 膠原病
の代表的な症状は、発熱、関節痛、羸(るいそう) (主として脂肪の減少のためにやせること) などの一般的な症状のほかに、個々の疾患に特有な症状、すなわち発疹、レイノー症状、皮膚硬化などの皮膚症状、呼吸器症状、消化器症状などがみられ、膠原病が多臓器を侵す炎症性疾患であることから、症状は一般に多彩です。また血管炎を伴うことも多く 、組織学的には、単球の浸潤、免疫グロブリン、補体の沈着などがみられることが多い。膠原病は、結節性動脈周囲炎を除けば、成人女子に多く発症し、内分泌的な要素も発症の一つの要因となりうるものと考えられてい ます。

 

 西洋医学的見解として、膠原病である慢性関節リウマチは通常慢性で進行性に経過する多発性関節炎で日本リウマチ学会の早期RAの診断基準では、
1、3週間以上の圧痛また他動運動痛。
2、3関節以上の腫脹。
3、朝のこわばり。
4、リウマトイド結節。
5、赤沈20ミリ以上の高値またはCRP陽性。
6、リウマトイド因子陽性。
以上6項目中、3項目を満たすものを慢性関節リウマチと提唱されています。本病の原因に関しては未だ解明されておらず、治療は滑膜炎を抑制して関節の軟骨、骨破壊の進行を阻止するのを目標とする、対症療法が中心で、完治するのが困難な病体となっています。

 我々の研究ではこの難治性の疾患に対し完治させる治療法を発見しています。それは未だ曖昧にしか解釈されていない、生体内の経絡を循環する氣(電気的性質を持ったエネルギー)を整えることで可能となっています。我々の研究では経絡が神経、脈管、リンパと同じように一定の独立した支配領域を持っていることを臨床を通して確認しています。それ故、病状に対する経絡の反応や処置を施した後の治効においても法則性と再現性を確認すことが出来るのです。症状の反応は経絡間の氣の過不足を読み取るのですが、 気の受信による経絡診断と皮膚電気抵抗器の計測にて虚証反応を割り出します。

 但し膠原病に列記されている皮膚筋炎または多発筋炎、強皮症 (全身性進行性硬化症)においては多少異なる経絡診断となっています。

  本来生体に運行している気(エネルギー)の循環は細胞や臓器、内分泌の機能に比例したかたちで存在しています。これらの変動は経絡間における電位差の違を計測する ことによっても確認できます。計測には皮膚電気抵抗器を使用します。経絡における電位差の計測は手足の末梢にある井穴を測定点とします。電気は尖ったところに集まる特質を持っているからです。測定上注意する 点として、生体内の活動電流の存在や測定時の圧の関係により不安定な測定結果となったりしますが、これらは数回繰り返して計測していると測定部位に活動電流がアースされ比較的安定したデーターを計測することが可能となります。測定数値は気の流れが正常であれば一定した数値として計測されます。例えば50マイクロアンペア位がほとんどであるのに、一経のみ100マイクロアンペアという測定結果となった場合、抵抗が低く電気が流れやすい経絡が異常経絡となります。ここでは100マイクロアンペアの経絡が「虚証」 であると判断され、その経絡の支配領域に損傷があったりし、修復するためのエネルギーを必要としている状態と判断します。こうした経絡を単純に興奮している「実証」と判断し興奮を静めるために寫法の処置を施しては絶対にいけません。症状が悪化します。 虚証の確認は鍉鍼にて右心経の井穴に針尖をあてると気が下降して身体が楽になる感覚が得られたら確実となります。皮膚電気抵抗器と鍉鍼での確認に於いては鍉鍼での確認を優先します。これは全ての診断にも言える内容です。測定は不安定だからです。

 慢性関節リュウマチは虚証として右心経の支配領域に疾病の原因が潜んでいます。我々は慢性関節リュウマチの治療において右心経の支配領域で体表に出ている霊道穴に皮内円皮鍼を一ポイント置鍼しています。これで軽く運動してもらうと全身の緊張が解除し、次第に関節の腫脹や軟骨、骨破壊の進行が止まり、滑膜炎が軽快していく経過を辿ることとなります。慢性関節リュウマチの初期症状は 手足の第二関節がこわばり腫れが生じ出します。こうした腫脹と痛みは右手の心経に虚証の時に施す皮内円皮鍼を置鍼すると次第に全身が楽になっていきます。右の手に鍼をしたにもかかわらず 全身の痛みが取れ腫脹が次第に無くなって行くのです。西洋医学では説明がつかない内容ですが、これらは経絡が存在している結果なのです。

 加えて右心経と上下の関係にある右脾経、表裏の関係にある右小腸経、左右の関係にある左心経、対角の関係にある左 膀胱経を瀉すことにより各関節の痛みが鎮痛し歩きやすくなったりしてさらに改善するようになります。全体の氣のバランスを整えることが治癒力を引き出すことに繋がるのです。但し瀉すといっても必ずしも鍼をする必要はありません。右心経の支配領域に氣の混乱した虚証が存在したがために、接続していた別の支配領域が膠着状態となっているので、これらの電気的緊張を解除してやれば生体は本来の営みを取り戻しだすのです。慢性関節リュウマチにおいては運動することが痛くてなかなか出来るものではありません。そこで関連 実証経絡:右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経の井穴にレーザーポインターを照射すると次第に氣の移動が及び、全身の氣が循環しだし、完治する経過を期待することが出来ます。 レーザーポインターとは黒板の説明に使用する単なる低出力のレーザー光です。豪鍼に負けない位有効かもしれません。 また右心経に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置した後は身体をしっかり動かし運動する方が改善します。ですが左心経に虚証の処置を行わない状態での運動は関節の腫脹を来すので要注意となります。

 

治療ポイント

右心経霊道穴に皮内円皮鍼。

心経は脳下垂体や脳の中枢に支配領域を持っています。

 慢性関節リウマチは右心経に 虚証反応が出ています。治療穴は右心経の霊道穴へ皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置を行います。リュウマチを専門として診療されている機関において追試をして頂ければと思っています。

1、H・R 男 大正15年9月13日生
 既往歴、なし、昭和51年よりリュウマチ。手足の関節が変形し手足を動かすと熱をもち腫れる。手等も自由に動かない。右心経の霊道穴に皮内円皮鍼を置鍼。置鍼後とにかく関節を動かし運動する指導をする。左脾経の虚証反応の治療3回。一年間で13回の治療。治療は同一の治療を行う。治療開始より身体を動かし初めは痛いが、次第に痛みが消え、運動後関節の痛み、炎症も生じなくなった。現在は関節が変形しているが動かしても全く痛みなし。 

 

治療ポイントの変化

右心経が虚証の時(リウマチ反応が認められる時)
右心経の経穴へ皮内円皮鍼処置。
しかる後実証経絡の右小腸経、左心経、右脾経、左膀胱経への瀉法。

右心経の霊道穴の虚証反応が消えた後の治療

 ここで言うリュウマチ因子の反応が消えたとは右心経の虚証反応が消えたことを言いますが、この虚証反応が消えるとCRPの値も正常となり関節の炎症が起きなくなってきます。ただ右心経の虚証反応に影響を及ぼす左小腸経に虚証が残っている場合があります。その時は左小腸経の虚証反応を消す必要が出て来ます。処置としては左小腸経の天井穴(教科書では三焦経となっていますがこのポイントは小腸経となります)に皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置を施します。関節に幾らか腫れが残ることがありますが右心経に虚証反応が在った時と同じ右小腸経、左心経、右脾経、左胃経への瀉法の処置を施します。

 右心経と左小腸経の虚証反応が消えたらリウマチとしての関節の腫れは殆ど出なくなります。

 右心経と左小腸経の虚証反応が消えたら実証領域:右小腸経、左心経、右脾経、左膀胱経への瀉法でバランスを整えます。

  右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証で右心経と左小腸経の虚証であった反応が虚証反応及び実証反応の全て異常範囲をクリアした後、局所的な違和感を訴える場合には右三焦経・左心包経が実証で右心包経or左三焦経の虚証のチェックが必要です。このパターンは強皮症やレイノウ病の経絡診断で出るパターンとなっています。リウマチも強皮症も共に膠原病とされていますがリウマチと強皮症では経絡診断に異なった反応が出現しています。



 右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証で右心経と左小腸経の虚証反応が消えた後、右小腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経が実証で左腎経に虚証反応が出てくることがあります。この左腎経の虚証が整うと残存の違和感が消失していきます。

 

 

症例報告

80才女性
頚が1カ月前より痛く、夜眠れないと言うことで来院されました。しかし、右肘両手関節両足首は、リュウマチで腫れて(軽度)。関節もかなり可動性がない状態でした

右肩上がり、右小腸経、左心経、右脾経、左膀胱が実証で右心虚とし、右霊道穴へ皮内円皮針をした直後から、肘や手関節はすぐに動きやすく軽くなったとおっしゃったが、肝心の頚はあまり変わらなかったので、右小腸経上に2分程針をしたところ、ずっと気分も頚も良くなりました。

完全なリュウマチは、初めての経験ですがあらためて、新経絡療法のすごさを経験させて頂きました。以前なら、頚に針をしてリュウマチは治せないので見て見ぬ振りだったと思います・・・(峰村)

例外48歳(女)慢性関節リウマチとして長く加療。現在はCRP正常値、関節の変形固定。身体をしっかり動かしても関節の腫脹なし。但し右膝関節が歩行時痛みがあり歩行困難。経絡診断:右心経・左小腸経・右膀胱経・左脾経に実証反応あり左小腸経と表裏の関係にある左心経に虚証反応。左心経の霊道穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する。処置と同時に痛みが完全に無くなり歩行出来るようになる。

 

 

膠原病・強皮症 (レイノー病)■

 

 強皮症は膠原病の一つで、皮膚やあちこちの内臓に硬くなる変化を起こすことを特徴とする病気です.強皮症の半分以上の人は、レイノー現象ではじまります。レイノー現象とは寒冷刺激や精神的緊張により指先が突然白色や紫色に変化し、手の指や足のゆびが発作的に血行障害を起こす現象で、血管のけいれんによって起こると考えられています。その他、指先のむくみ、こわばり、皮膚の硬化、関節の痛みや疲れやすいといった症状ではじまることもあります。レイノー現象は強皮症の最初の症状であることが多く、約90%の患者さんにみられます。強皮症は慢性の病気で、現状ではこの病気を完全になおしてしまう治療法は確立されていません.

 

※膠原病でもリウマチと強皮症とでは経絡診断が異なり、リウマチでは右心経の虚証。強皮症では右心包経or左三焦経の虚証が中心とな り左腎経の虚証が根底にあるようです。

 最初右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経に実証反応が現れている傾向があり、加えて右三焦経or左三焦経に虚証反応が認められます。

 次に右小腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経が実証左腎経に虚証反応が出てくることがあります。この左腎経の虚証が整うと残存の違和感が消失していきます。

 

 M・K 63歳(男)
 腰痛で来院。右十二肋骨先端の奥に鈍痛がある。血液検査では異常なし。経絡診断では右肺経・左三焦経・右胆経・左肝経に実証反応。加えて右胆経と表裏で接続している右肝経に虚証反応在り。右肝経の中都穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置した後、各実証経絡へ瀉法の処置を施す。この経絡パターンはネフローゼと診断された患者さんが完治したパターンとなっている。治療後の経過は日々腰痛が楽になり2ヶ月で腰痛は完治。だが冬場に至りレイノー現象が発生している。再度の血液検査でも異常なし。経絡診断では腰痛時とは全く異なる反応が出ている。右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経に実証反応。加えて右心包経に虚証反応。右心包経の 郄門穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を施し、実証経絡に瀉法の処置を施す。この右心包経の虚証反応が消えたら左三焦経に虚証反応が出る。処置は左三焦経へ皮内円皮鍼(皮内鍼)の処置。1ヶ月に一回のペースでの来院。3ヶ月目にして虚証反応が消失。レイノー現象も消失。


 S・O 65歳(女)
 10年前に膠原病で強皮症と診断されている。身体がこわばり手の指先も割れて紫と白が入り交じって硬くなっている。腰痛もある。

@最初の経絡診断では右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経に実証反応。加えて右小腸経と表裏で接続している右心経に虚証反応。右心経の霊道穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する。3週間後には右心経の虚証反応が消える。身体全体が軽くなりこわばりが取れてきたと言う。

A1ヶ月後、作業時の腰痛が少し残り、レイノー現象が出ている。経絡診断にも変化が出て、右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経の実証反応となり左三焦経に虚証反応あり、左三焦経の会宗穴に虚証の皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼して、各実証経絡に瀉法の処置を施す。治療後より腰痛消失。レイノー現象は2週間に一回の治療にて3ヶ月後には消失。指先の硬化も無くなった。

 

 K・K 28歳(男)
 全身が動かすとき硬化して痛く右手中指の第二関節と左手薬指の第二関節が腫脹している。リウマチと診断されたが薬に依存したくないということで来院。経絡診断ではリウマチ特有の右心経に虚証反応が出ていない。右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経の実証反応で
左三焦経に虚証反応が出ている。左三焦経の会宗穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する。同一反応が6ヶ月続いたが完治する。自己管理としては皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置している時に各実証経絡、右手薬指・左手中指・右足第五趾・左足第四趾の指回しと、手首と足首を回すように指示した。指回しでは持つだけでも痛がっていたが実証経絡は根気よく可動させると痛みが必ず無くなるので励行させた。

 

 H・M 40歳(女)
 看護士で疲れやすく右手中指の第二関節が腫脹して曲がって伸びなくなっている。身体的には関節の腫脹は見られない。CPRが少し高い程度。同病院の医師によるとリウマチのようでハッキリしないとの事。経絡診断では右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経の実証反応で
左三焦経に虚証反応がある。左三焦経の会宗穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置する。一ヶ月後左に処置したのに右中指が真っ直ぐ伸びるようになった。薬のチェックを行いプレドリン一錠を手に持って貰ったとき身体が楽になり解放したので暫く必要と考え医師の指示通り飲むように指導する。左三焦経の虚証反応が消えた後、右小腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経が実証反応となり左腎経に虚証反応が出る。左太谿穴に皮内円皮鍼を処置。残存の足のこわばりや手首のこわばり等が改善する。

 自己管理としてレーザーポインターを使用。使用方法は左太谿穴に皮内円皮鍼を処置した後、実証経絡となっている右小腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経の井穴に照射しながら身体全体を動かす。(腕を回したり、肩を動かしたり、首を回したり、身体を捻ったり、足首を回したりと全ての関節を動かす)

 

 

 

■更年期障害■

 西洋医学的見解として、更年期に発生する各種の障害で、卵巣機能の減退、脳下垂体、副腎等の機能障害、自律神経系統の失調等により、のぼせ、熱感、発汗、動悸、耳鳴り、腰痛、肩こり、目眩。頭痛、不眠、記憶力減退、神経痛、疲労感等、幾つかの症状が重複することが特徴。老化による生理機能の変調が原因であり、治療は自律神経機能の失調回復を主として、ホルモン療法、自律神経薬、向精神薬、心理療法等の他、眼鏡不適合による障害がある場合もあるので、眼科の検診を受けることも必要としているのが西洋医学の処置となっています。

 我々はこれらの複数の症状に対し、氣を操作する事により全ての症状を素早く改善する方法を発見しています。これらを経絡の異常より見ると、右心経が支配している組織の異常により慢性関節リュウマチ疾患が発生し虚証反応を呈していたのとは逆に、右心経の実証反応の時に現れる症候群となっている傾向が見られます。勿論更年期障害は内分泌疾患ですから心経が支配する脳下垂体のアンバランスだけではなく他の内分泌に起因する症状も多くあります。ここでは心経に起因していた臨床例をあげてみます。

1、N・Y 女 大正14年2月14日生
 既往歴、昭和53年胆石で摘出手術。昭和57年両側網膜剥離。10年前腸閉塞手術。抗潰瘍剤、抗不安剤、眠剤服用。
 労作時全身倦怠感にて来院。毎朝起きがけに頭が重くふらつく。動くと息苦しく動悸がする。立っているとしんどいのですぐ床に入る。外へ出ることが不安で一人で外出できない。何時も喉がはしかゆいような詰まった感じがする。右心経に顕著な実証反応がある。右心経の支配領域の霊道穴に円皮鍼を置鍼(鍼体が1_以下で皮膚内に刺入固定する)。毎日数分ずつ数回鍼の上から押さえて揉んでもらう。2日目より頭と目がスッキリし数日で全ての症状が軽快する。2週間後全ての薬をやめる。リバゥンドなし。 

2、K・T 女 昭和37年2月1日生
 既往歴、平成6年9月より自律神経失調症として心療内科に通院。婦人科の薬服用。月経痛が激しい。倦怠感が強い。頭痛。不眠。顎が動かしにくく、しゃべりにくい。喉がおかしい。動悸あり。右心経に顕著な実証反応がある。右心経の支配領域の霊道穴に円皮鍼を置鍼。揉む指導をする。全ての症状が翌日より改善する。

3、E・S 女 昭和36年9月21日生
 既往歴、昭和58年急性肝炎(出産時)。昭和62年左角膜剥離。平成5年10月外妊手術。手術後、激しい頭痛、頭痛が始まると左開眼不能。頭痛時に吐き気。嘔吐。左上肢のシビレ。呼吸困難。自律神経失調症と診断される。右心経の支配領域の霊道穴に円皮鍼を置鍼。揉む指導をする。全ての症状が翌日より改善しだす。

4、M・N 女 昭和3年9月22日生
 既往歴、昭和54年不安神経症と診断される。過去の症状は落ち着いていたが、再び頭が重く、ボーットしている。起きがけにふらつき、立っているとしんどく。外に出るのが不安になってきた。寝ていると楽なので横になってばかりいる。喉も風邪をひきかけのような感じがする。以前の苦しかった時と同じ症状になって来たので不安で生活していた。右心経の支配領域の霊道穴に円皮鍼を置鍼。揉む指導をする。治療後より頭と目がスッキリしだし1週間で軽快となる。

  上記は脳下垂体と関係が深い右心経に実証反応がある更年期障害の症例を述べましたが、左心経に実証反応が在る場合に於いては症状が多少異なり不安神経症的要素が加味されます。

 過去においてこの右霊道穴に対し実証の処置を施した症例があります。52歳の更年期の女性。乳が出ていたのが数回の治療で止まった経験があります。こうしたデーターを加味すると、経絡の心経と脳下垂体との関連性を考えることが 出来るのです。経絡での心経の支配領域の一部は内眼角より脳の中枢を経て後頭部の第一頸椎と第二頸椎の間に通じています。

 更年期障害は閉経前後における女性ホルモン(エストロゲン)減少を主原因とする様々な症状を言います。身体に於いて全ての内分泌相互間は機械的に制御されていていますから、司令センターとも言える脳下垂体の変化は、当然、他の腺の機能に影響を及ぼすはずです。ここでは脳下垂体に問題が生じている症例を述べましたが、女性ホルモンの減少が始まる以前より甲状腺、副腎、腎臓や他の腺に問題がある場合には更に複雑な不定愁訴が発生すると考えられます。単に経絡における心経の調整のみでなく甲状腺(胃経)、副腎(三焦経)、腎臓(腎経・肝経・膀胱経)等も考慮しなければならなくなります。

 

 

 

 

 

■アトピー性皮膚炎■

 西洋医学的見解は、乳幼児に多いアレルギー性、内因性の湿疹とされています。年齢とともに変化し、乳児期は顔面に始まり、次第に手足や体の中心部へと拡大し、激しいかゆみを伴います。原因や発症のメカニズムなど不明な点が多く、西洋医学では対症療法でとしてステロイド(副腎皮質ホルモン)軟膏を使用します。

 東洋医学における経絡の氣の循環よりこの疾病を見てみますと、大きく三つのパターンが確認されます。

、一つ目は一番多く、右三焦経、左心包経に実証反応だけの場合と、左三焦経or右
    心包経に虚証がある場合。

、二つ目は右大腸経、左心経、右脾経、左胃経に実証反応だけの場合と、左脾経or右胃経に虚証がある場合。

の合併症。

 
1 経絡異常が右手三焦経実証と左心包経が実証となり、左三焦経or右心包経に虚証パターンが出ている時。このパターンは気管支喘息が合併症となっているパターンで、全身に湿疹が出やすいのに比べて部分的に湿疹が出るパターンの傾向があり、湿疹が出てない部位はとても皮膚がきれいです。女性では月経が始まっている場合、月経不順や月経が始まった1〜2日に激しい生理痛を伴うことがあるパターンです。当然合併症が無い場合もあります。大人になってアトピー性皮膚炎
が発症 したパターンでは左三焦経or右心包経に虚証が確認されます。皮膚が部分的に痒かったり首筋や目の回り等にも発赤が出現したりします。

 東洋医学の鍼治療では左三焦経の支配領域である会宗穴or右心包経のどちらかに虚証としての皮内円皮鍼を置鍼します。しかる後、左三焦経に虚証がある場合は表裏で接続している左心包経(中指)、上下で接続している左胆経(足の第4趾)、左右対称の右三焦経(薬指)、 体格に於いては右腎経(足の第5趾)の氣を誘導をします。指を揉んでも氣を誘導することが出来ますので、虚証の鍼を施した後、実証領域となっている指を回し揉みすると改善しだします。右心包経に虚証がある場合は表裏で接続している右三焦経(薬指)上下で接続している右腎経(足の第5趾)、左右対称の左心包経(中指)、対角に於いては左胆経(足の第4趾)が実証となり瀉法の処置を施します。虚証の処置による身体の変化は右三焦経より左心包経 に虚証反応が在る方が改善に時間を必要とするようです。また上記のように右心包経に虚証があっても左三焦経に虚証があっても実証領域は同じ経絡となります。

 このパターンは気管支喘息と同じ支配領域となっていて治療処置は気管支喘息の処置と同じで左手の薬指or右手中指にに経絡異常が虚証反応として出現しています。アトピー性皮膚炎が発生している患者は往々にして喘息の合併症を伴うことがあります。また生理不順とも関係があり、東洋医学では三焦経が副腎、心包経は心臓と関係が深いと考えられています。

 経絡異常が右手の大腸経(人差し指)、左手心経(小指)と右足脾経(右第1趾)、左足胃経(左第2趾)に実証反応として出ている場合。さらに左脾経(左第一趾)or右胃経(右第二趾)に虚証反応が出現していることがあります。虚証反応が認められる時は虚証経絡を先に処置します。そして虚証反応が消えると実証領域における気のバランスを調整していきます。また風邪など引くと右大腸経と左扁桃腺を支配している左肺経に実証反応が出ると気管支炎が併発します。

 

の合併症。

 の合併症ではアトピー症状が全身に出ている場合 の反応でが最初に主張していますがの反応を改善した後をを整えなければなりません。または副腎は肝臓に負荷がかかりやすい経絡バランスとなっていることを考慮しておく必要があるでしょう。生まれてすぐに黄疸症状が出たり、腸が弱かったり気管支喘息を伴う傾向があるパターンで、生まれてすぐにアトピー症状が出現し、顔から始まる傾向があります。

 

質問に答える。

 経絡については,目には見えませんが,「気」の循環する経路として、確かに存在していると思います。人間の発生から考えても,元々1個の細胞が,どんどん分裂して,意識を持った人間へと分化する訳ですから,人体を構成する個々の細胞間で情報のやり取りが何らかの形で行われているのは間違いないでしょう。ただ,現段階では,その方法を客観的に検出できないだけにすぎません。それが,「気」と呼ばれる情報のやり取りによって行われているという事に古代の人は気付いていたということだと思います。元々,顔や肺も発生的には腸に近いものですし,皮膚も本来は,排泄器官です。ですから,人体の各部位が,相互に関連していると言う,東洋医学の理論は,的を射ていると思います。そこで,質問なのですが,私を含め,患者さんの中にも,よく湿疹が繰り返しできる方がいます。しかも,同じような部位にできるのですが,湿疹のできる部位には,経絡的に意味があるのでしょうか?私の場合は,からだの右半身(右側頚部〜肩,右前腕〜肘部内側,尺側,頬〜鼻周囲)にばかり出ます。どうか,ご教授をお願いします。(M・M・Dr)


「アトピー性皮膚炎に於ける経絡のエネルギー循環異常は肝臓や腸や副腎と関係が深い部位に出ている傾向が見られます。先生が言われるように{顔や肺も発生的には腸に近いものですし,皮膚も本来は,排泄器官です}と一致します。皮膚疾患での経絡異常パターンには幾つかありますが、典型的なアトピー性皮膚炎の異常経絡は@右三焦経、左心包経、右腎経、左胆経に実証反応があり、左三焦経or右心包経に虚証がある場合。 とA右手の大腸経(人差し指)、左手心経(小指)と右足脾経(右第1趾)、左足胃経(左第2趾) が実証で、右胃経or左脾経に虚証反応が在る場合です。さらに@とAが共にアンバランスとなっている場合です。

 東洋医学的処置としては各経絡の支配領域に豪鍼を施して全身の気の循環を改善し腸の機能を整えることで改善していく経過を辿ります。豪鍼等の処置に頼らず改善しようと考える場合、異常経絡の支配領域にある指を回し揉みすることでも、生体の営みに比例して異常となっている経絡のエネルギー循環のアンバランスを是正することが可能です。気の調整方法としてまず体位を確認します。どちら側の肩が上がっているかです。もしも右肩が上がっている場合 においては、気のエネルギーは右肩より左足へ下降するように移動しやすくなっています。そしてエネルギーが集合しやすい左足の経絡の支配領域にエネルギー過剰の疾病や機能低下が発生しやすくなります。ですから右肩上がりの場合左胃経(左第2趾)へエネルギーが集合しやすく、また滞りやすくなります。このような気のバランスを考慮した上で指回しの比率が決まって来ます。手が3割、足7割。また手の3割中、右手人差し指7割、左手小指3割。足の7割中、右足第1趾3割、左足第2趾7割の比率で回し揉みする必要があります。気が円滑に循環しだしたかの変化の目安としては首の凝りです。首を後屈しにくいのがアトピー性皮膚炎の特徴です。これらがまず改善する必要があります。各指を一回に1分以上3分以内は回し揉みしていただきたいと思います。気の循環は食事と同じくらい重要です。朝昼晩と出来たら首の凝りも解消し、胃腸の調子が整い、アトピー性皮膚炎に良い結果が出てくるはずです。また参考経絡は私のホームページの経絡のページにある経絡敏感人を参考にしてください。」

 

エドガー・ケーシーのリーディング
「腺はビタミンやその他の栄養を取り入れて、身体のさまざまな器官に必要なエネルギーを供給している。足の爪の成長をささえている同じ腺が、胸や頭や顔にもエネルギーを供給しているなんて考えられるだろうか。また
皮膚は、心臓にエネルギーを供給しているのと同じ腺によって活動しているのだ

  確かにエドガー・ケーシーが述べたように皮膚と心臓にエネルギーを供給している腺が同じとするなら、アトピー性皮膚炎の患者の氣の循環異常が決まって左の心臓と関係する経絡との関わりによって出てくることがうなずけてくるのです。
 左三焦経と表裏の関係にある左心包経は心筋と関係が深く、心筋そのものに異常が発生したりします。また左小腸経と表裏の関係にある左心経は心臓の栄養血管と関係が深いと考えられ、異常時には心臓の機外収縮が起きたり、心筋虚血が発生したり、狭心症が発生したりします。現代医学では説明が付きにくいかもしれませんが研究に値する内容と考えられます。

 

 

 

 

■アトピー性皮膚炎と似ている蕁麻疹体質■

 西洋医学では皮膚にかゆみを感じ、かくと境界の鮮明なミミズ腫れ状に隆起した発疹を生じる病気。数分から数時間で消退して、後に変化を残さないが、発作性に反復して発疹する。多くは数日で治癒するが、慢性に1ヶ月以上発疹が止まらないものもある。原因は月経障害、妊娠、食品、薬品、温熱、寒冷、機械的刺激、光線等に対する異常反応を起こす。胃腸や肝臓、腎疾患、内分泌障害の一現象、精神的因子が考えられる。急性には副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン薬の投与、慢性症には他に自家血清、造血薬等を使用します。

 この蕁麻疹における経絡の異常反応は 右大腸経と左肺経に実証があり右肺経と右大腸経に虚証が出ている傾向が見られます。更に右小腸経と左心経に実証反応があり右心経と左小腸経に虚証 反応が重なって出ていることがあります。中年以降に蕁麻疹が発生する場合、コレステロールの値が正常値より高くなっている傾向があります。経絡に於いて中心となるのは右大腸経の実証で右大腸経の支配領域は肝臓 と大腸と関係が深く、この肝臓の右葉部位と大腸が蕁麻疹発症になんらかの影響を与えていると考えられます。東洋医学では組織の形が正常であるからと言って病なしとは判断しません。組織が破壊される以前の負荷がかかっている段階をもって異常と判断する基準の広がりを持っているからです。目に見える段階の異常、つまり破壊されて検査にて異常だと気付くのでは遅いのです。蕁麻疹は上記のような経絡の変動にて発症すると考えられるのですが、発症しない段階でも色々な身体的変化を観察することが出来ます。

  
  1−
右大腸経と左肺経に実証があり右肺経と右大腸経に虚証反応。

 蕁麻疹が発生している時に於ける経絡反応は右大腸経の実証反応が中心となります。右大腸経。左肺経・右肝経・左胃経の実証で右肺経に虚証がある場合と左大腸経に虚証がある場合です。このような経絡反応がある場合には、まず虚証反応を改善する必要があります。しかる後右大腸経の実証を整えるようにします。

  2−右大腸経・左心経・右脾経・左胃経が実証で右胃経や左脾経に虚証反応
    が有る場合には1より以前に2を整え、最終的に1の経絡異常を整える
    ようにします。

  3−1に加え右小腸経・右第二大腸経・左心経・右脾経・左膀胱経・左第二
    胃経が実証で右小腸経と表裏の関係にある右心経or左小腸経に虚証反応
    が出ている時は3を整えた後に1の経絡異常を整えるようにします。

  虚証の処置は各経絡の井穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を処置すると著効となります。虚証の処置は虚証となっている経絡の井穴に皮内円皮鍼を行うと同一経絡の全てに影響しますので井穴への皮内円皮鍼で良いのですが、ただ、生活の関係で手を洗ったりするので置鍼した鍼が取りやすい関係上、手の場合には同一経絡上で右心経に虚証反応が在る場合の治療は右心経の 神門穴に皮内円皮鍼(皮内鍼) 。右肺経・左大腸経に虚証反応がある場合、右肺経には右太淵穴・左大腸経には陽谿穴を取穴して、実証経絡上に瀉法の処置を加えます。

 足の右胃経や左脾経に虚証反応がある場合には井穴に皮内円皮鍼の処置を行います。

 左小腸経に虚証反応がある場合は左養老穴に皮内円皮鍼(皮内鍼)を置鍼して、しかる後、右小腸経・右第二大腸経・左心経・右脾経・左膀胱経・左第二胃経の支配領域への瀉法の処置を施します。

 

 

 

 

■貧血■


 

 血液中の赤血球には鉄を含んだタンパク質であるヘモグロビン(血色素) があり、これに酸素が結合して、体内に酸素が供給される。したがって、ヘモグロビンの原料である鉄そのものが不足・赤血球産生のしくみに異常・出血や溶血 (赤血球が破壊されること) などによって赤血球の量やヘモグロビン濃度不足等の要因により体内の組織は低酸素状態に陥る。この状態が貧血とされている貧血は発生原因や赤血球の形によって 、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、鉄芽球性貧血、悪性貧血などに分けられている。
 日常診療上は、水血症、脱水、急性出血といった因子を十分考慮に入れたうえで、血液単位容積中のヘモグロビン濃度を測定して貧血の判断を行う。ヘモグロビン濃度の正常値は国際的貧血判定基準として 、幼児 (6 ヵ月〜 6 歳) 11g/dl、小児 (6 〜 14 歳) 12g/dl、成人男性 13g/dl、成人女性 12g/dl、妊婦 11g/dlに達しないときとする基準が用いられている。

 

  症例 U・N 女 43歳 貧血(10年)。他覚症状としては動悸、目眩、息切れ、胃のむかつき、便秘、疲れやすい等。
来院時の貧血指数5。

 経絡診断では実証経絡が右大腸経・左肺経・右脾経・左胃経。虚証反応は左肺経と表裏の関係にある左大腸経にあり、処置として左大腸経の支配領域にある上曲池穴へ皮内円皮鍼を施し、各実証経絡への毫鍼。自宅での自己管理として右人差し指・左母指・右第一趾・左第二趾を回し揉みして気の流れを整えるよう指導。

 2週間後に来院。貧血指数が7となる。二回目の治療も最初の経絡反応と同じ。同一の処置と指導を行う。他覚症状も便秘を除た他はほとんど改善。

 4週間後に来院。貧血指数11に回復。その後自己管理を行って貰っているが体調は良好とのこと。

 左大腸経の虚証反応を改善することにより貧血が完治しているわけですが、左大腸経の虚証を改善して肝機能が改善したりもします。また左大腸経の支配領域には脾臓も含まれているようで今後の研究を期待したいと思います。付け加えますと再生不良性貧血 等も同じ経絡反応が確認され数ヶ月にて正常値に改善しています。

 

 

 


■本態性高血圧■

 

  高血圧症は原因により本態性高血圧症と2次性高血圧症の二つに分類され原因の特定できない高血圧症を“本態性高血圧症”と呼び、高血圧症患者さんの90〜95%が、この範疇に入ります。本態性高血圧症の原因は不明ですが、遺伝的因子と生活習慣因子が複雑に絡み合って発病すると考えられています。2次性高血圧症とは、他に病気を伴って起こる原因が明らかな高血圧です。高血圧症患者さんの5〜10%がこの範疇に入ります。2次性高血圧症の原因としては腎臓、内分泌などがあるとされています。

 原因不明とされている本態性高血圧における新経絡治療(バランス鍼法)での経絡診断のパターンは以下のようになります。

@右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証反応があり左心経と表裏で接続している左小腸経に虚証反応

A右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証反応があり右小腸経と表裏で接続している右心経に虚証反応

B右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経に実証。

 

C血圧が確実に変化するのは上記経絡バランスですが合併症を伴っているケースが多く見受けられます。胃腸の調子が良くないケースです。経絡診断では右大腸経・左心経・右脾経・左胃経が実証で右胃経と左脾経に虚証反応が見られます。こうした反応が出る場合はまず先に整える必要があります。

D合併症で右飛蚊症や右網膜剥離等が伴いやすい経絡バランスも見受けられます。右膀胱経に虚証反応が出ています。この時の実証反応は右小腸経・右第二大腸経・左心包経・右腎経・左膀胱経・左第二胃経に出ています。

 

質問 
 本態性高血圧症の患者は虚証の有無は別にして実証はすべて同じと解釈できます。しかし、血圧以外にも心臓病や、ガンやバセドウ病など他の疾患が合併しているケースが多いと思います。それでも高血圧があれば、すべてこの証になるのは不思議に思います。

 原因が解っている腎臓・副腎・心臓・血管・内分泌等に起因する二次性高血圧は経絡診断でも異なった経絡に異常反応が出ています。
バセトウ病を例に取りますと、
@甲状腺で右大腸経・左肺経・右肝経・左胃経の実証で右肺経or左大腸経に虚証。
A甲状腺で右大腸経・左心経・右脾経・左胃経の実証で右胃経or左脾経に虚証。
B眼圧が高いと右三焦経・左心包経・右腎経・左胆経が実証で右心包経or左三焦経に虚証。
C眼圧が高いと右三焦経・左肺経・右肝経・左胆経が実証で左肝経に虚証。
D脳下垂体の関係で右小腸経・左心経・右脾経・左膀胱経が実証で右心経・左小腸経に虚証。
E虚証が無くなると上記@ABCDのパターンの過剰実証を整えなければなりません。

 高血圧症の人の内、およそ90%が本態性高血圧と言われますが、さまざまな原因が絡み合って絞り込めないでいるだけだと考えられます。右小腸経・左心経・右脾経・左心経が実証で右心経・左小腸経に虚証が在る場合の疾病としてはリウマチ・テンカン・生理時の激しい偏頭痛・クローン病・小腸疾患・網膜剥離・腎機能障害・糖尿病・鼻炎・仙骨内腰痛・更年期障害・肝臓疾患・バージャー病・心房細動・癌等に出る経絡診断の一つとなっています。

 また、一過性で腸の調子が悪く右大腸経・左心経・右脾経・左胃経に実証反応があり、右胃経や、若しくは、左脾経に虚証反応があり高血圧を伴う場合もありますが、こうした反応が認められる場合には、まずこのアンバランスを整えておく必要があります。

 経絡は臓腑や組織細胞の営みと等しい関係に在りますが一箇所が悪いと関連臓腑に二次的疾患を発生させていますので経絡診断に於いても変化します。本日の身体はこの経絡を整えると全体の気が正しく循環して治癒力を引き出せる等と考えながら治療にあたっています。

 そうした中で確実に血圧異常を調整出来る経絡診断が右小腸経・左心経・右脾経・左心経が実証で右心経・左小腸経に虚証出ている場合なのです。